モータースポーツ発祥の地で行われる「ル・マン24時間耐久レース」とは?
WATCHモータースポーツ発祥の地で行われる「ル・マン24時間耐久レース」とは?
モータースポーツの起源は、1887年のフランスにあります。パリ市内にあるセーヌ川にかかったヌイイ橋からブローニュの森までの約2キロメートルを誰が一番早くたどり着くかを競ったことがモータースポーツの始まりとされています。
そんなフランスで1923年にはじまったのが「世界三大レース」のひとつである「ル・マン24時間耐久レース」です。レースが行われる6月の1週間はまさにお祭り!
今回は、モータースポーツが文化になっている国で行われる伝統のレースをご紹介します。
TOP写真:Photo by Klaus Nahr
ル・マン24時間耐久レースとは?
ル・マン24時間耐久レースは、1923年にはじまったレースで、文字通り24時間走り抜き、24時間で最も多く周回したチームが優勝となります。現在は、WEC(世界耐久選手権)の一戦に組み込まれています。
開始当初は、レース用のマシンではなく、市販車の性能テストのために市販車で行われていました。そこからレース用のマシンに変わっていき、現在では、最新鋭の技術が詰まったレーシングマシンで行われています。ル・マン24時間レースは4つのクラスに別れています。まずは一番速いクルマが走るLMP1クラス。
メーカーチームが独自開発したマシンで、ハイブリッドシステムを積んだマシンで行われます。次に速いクラスが、LMP2クラスです。
LMP1とは違い、プライベーター(非メーカーチーム)が参戦するクラスで、形はLMP1と似ていますが、LMP1に搭載されているハイブリッドシステムが搭載されていません。コスト制限を設けており、マシンの性能差が少なく、毎回激戦が繰り広げられるカテゴリーです。
上記で紹介した2つのカテゴリーは、プロトタイプと呼ばれるレース専用のマシンですが、残り2つのLM GTE ProクラスとLM GTE Amクラスのカテゴリーは、一般車の形をした私たちの馴染みあるマシンで行われます。名前の通り、プロドライバーが参戦するカテゴリーとアマチュアドライバーが参戦するクラスです。
スピード差が全く違うLMPマシンを上手く抜かさせながら、自分たちのバトルを行うGTEクラスはこれまた手に汗握る展開ばかり。
速いクルマ、遅いクルマが混走するル・マンは思わぬドラマを生み出します。クルマを抜かしながらのバトルはとてもエキサイティングでワクワクドキドキの展開に!24時間もありますが、激しいバトルが続き一周も見逃せない展開となっています。
1人のドライバーが24時間ぶっ続けで走りきるのは、とてもじゃないですが無理です(過去に1人で参戦したツワモノもいますが、現在は危険防止のため1人での参戦は認められていません)。
1台のマシンを3人のドライバーが交代しながら24時間を走りぬくのです。耐久レースと言われると、マシンを壊さないようにゆっくり走るイメージをもたれるかもしれません。しかし24時間ずっとスプリントレースをやっているようなハイスピードで走り続けるのです。
24時間レースは、ドライバーにもチームにもマシンにも厳しいレースですが、このレースに勝つことはドライバーにとってステータスなのです。もちろんル・マンで優勝することは歴史に名を残す偉大なことですが、このような厳しいレースに参加、完走するだけでも賞賛に値するのです。
悲願達成!トヨタがル・マン24時間耐久レース初制覇
今年のル・マン24時間は私たち日本人にとって、誇らしいものとなりました。これまで何度もチャレンジしてきましたが、優勝できなかったトヨタがついにル・マン制覇を成し遂げました。
トヨタが参戦しているLMP1クラスは、これまでアウディ、ポルシェ、トヨタが参戦していましたが、2016年にはアウディが、2017年にはポルシェが撤退してしまい、残ったメーカーはトヨタだけになってしまいました。
トヨタだけの参戦となった今年からは、ハイブリッドシステムを搭載していないプライベーターチーム(非メーカーチーム)もエントリーできるようになりました。しかしトヨタとの性能差は大きいことから、様々な性能調整がおこなれていますが、ル・マン前のレースではトヨタの独壇場となっており、トヨタが簡単に勝つだろうと思われていました。しかしレースに絶対という文字がない事を一番理解していたのがトヨタでした。
1999年にはトップを快走しながらも、タイヤバーストで優勝を逃し、2016年にはトップを走行し、優勝まであと3分と言うところでトラブルに泣きました。これまでどうしても勝てなかったトヨタはマシンの完成度を高め、部門を横断してのコミュニケーションも多くとりました。さらにトラブルが起こった時を想定して、わざと三輪走行で走るなど、準備にかける時間の質は過去最高のものでした。
予選からトヨタは2台揃ってレースを支配。トヨタに太刀打ちできるチームはいませんでした。だからこそライバルは同じマシンに乗るチームメイト。2台のトヨタは優勝をかけ激しいバトルを繰り広げますが、トラブルを起こす事なく2台揃って1-2フィニッシュを達成しました。20回目の挑戦でついにル・マン制覇を果たしたトヨタ。世界を制した日本を代表する自動車メーカーが今年の10月、凱旋レースに臨みます。
10月12日から14日は富士6時間耐久レース!!
ル・マン24時間耐久レースもカレンダーに組み込まれているWEC(世界耐久選手権)ですが、日本でのレースも開催されています。
日本GPは、静岡県にある富士スピードウェイで6時間耐久レースが行われます。ル・マンもそうですが、日本GPでも激しすぎるレースが毎年行われ、多くのレースファンを魅了しています。ル・マンでようやく優勝を手にしたトヨタですが、母国である日本GPでは毎年勝利を納めています。レースの盛り上がりはすごく、ぜひ体験してほしいです。
耐久レースの楽しみ方は様々、レースをみるだけではなく、豪華なイベントも開催されてますし、お腹が空いたらフードブースでご当地グルメで腹ごしらえ。テントを立てて、みんなでバーベキューしながらレースを楽しむのもおすすめです!
霊峰富士の麓で行われる6時間耐久レース、友達や恋人、家族と楽しんでください!
INFORMATION
2018-2019 FIA 世界耐久選手権 第4戦 富士6時間耐久レース
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