F1日本グランプリまでに知っておきたいF1の楽しみ方!

F1日本グランプリまでに知っておきたいF1の楽しみ方! WATCH

F1日本グランプリまでに知っておきたいF1の楽しみ方!

スポーティ

今年もF1グランプリが日本の三重県鈴鹿にやってきます。1年でもっとも華やかで、スピードの快楽に浸る週末が、10月5日から7日に行われるF1日本GPです。

今回は、日本GPのスケジュールと合わせてF1の楽しみ方を紹介します!

TOP写真: photo by yukikitamura

Embed from Getty Images

勝負の行方を左右する「タイヤ」

Embed from Getty Images

速く走る為に必要な要素はたくさんありますが、最も重要と言えるのがタイヤです。まずは、タイヤの種類から説明しましょう。F1のタイヤは、晴れ用タイヤが7種類、雨用タイヤが、2種類の全9種類もあります。それぞれ色がついているので、レース中もわかりやすくなっています。

1. ハイパーソフト
桃色は、今年から登場したもっとも柔らかいタイヤで、最もグリップ力(タイヤの摩擦力のことで、地面を捉える力。)があり、一発のタイムは他のタイヤと比べ物にならないくらい速いのが特徴です。その分タイヤの寿命も一番短い側面もあります。

2. ウルトラソフト
紫色は、ハイパーソフトの次に柔らかいタイヤです。こちらもグリップ力が高く、熱が入るのも早いですが、こちらもタイヤの寿命はそう長くありません。

3. スーパーソフト
赤色は、3番目に柔らかいタイヤです。ウルトラソフト同様グリップ力があり、市街地などの曲がりくねったサーキットに適しています。

4. ソフト
黄色は、性能のバランスが取れたタイヤです。

5. ミディアム
白色は、一番耐久性とグリップ力のバランスが取れているタイヤです。

6.ハード
青色は、もっとも耐久性のあるタイヤ。その分タイヤへの熱の入り方が一番遅く、決勝に使われる事がほとんどです。

7. スーパーハード
橙色は、タイヤの持ちが悪く、他のタイヤでは危険で走れないと判断された場合に作られたタイヤです。そのため普段サーキットで使われる予定はありません。

8. インターミディエイト
緑色は、路面が少し濡れている場合に使うタイヤです。小雨が降ってきた場合や、濡れているコースが乾いてきた時に使用されます。

9. フルウェット
青色は、大雨用のタイヤで豪雨の際に使われるタイヤです。大量の水を掻き出せるようになっているのが特徴です。

レース用タイヤは、熱が入るとノリのように溶けて、地面に粘着して高いグリップ力を生み出しています。ゴムが柔けければ柔らかいほど、熱が入りやすく、高いグリップ力を発揮します。つまり、予選などで速く走りたい場合は、柔らかいタイヤを使用するのが鉄則。しかし、柔らかいタイヤは消耗するのがとても早く、長く走り続けることが難しいというデメリットがあります。

一方、ゴムが硬いタイヤは、柔らかいタイヤと比べて熱が入りにくく、グリップ力も低い。しかし、その分タイヤの寿命が長く、長時間走り続ける事ができるのです。レースでは、全てのタイヤを使うのではなく、レース前に各大会ごとに使える3種類のタイヤが発表されます。その3種類の中で、一番柔らかくグリップするタイヤを*¹Q3専用として使い、残りの2種類のタイヤをレースで使わなければなりません。

例えば、スーパーソフト、ソフト、ミディアムを使わなければいけないレースがあるとします。一番柔らかくグリップするスーパーハードはQ3専用タイヤとなり、決勝レースではソフト、ミディアムの2種類を使わなければなりません。

柔らかいタイヤと硬いタイヤ、どのタイミングで使い、交換するのかがとても重要となります。レース前にドライバーたちがどのタイヤを着けているのかに注目してみてください!

*¹ Q3とは、予選1位から予選10位までを決める予選のこと。F1ではQ1で20位から17位までの予選結果を、Q2では16位から10位まで、Q3で10位から1位の結果が決まるノックアウト方式

順位変動が起こる緊迫の瞬間「ピットストップ」

Embed from Getty Images

F1は、関わる人の数がとても多いスポーツです。チームスタッフから部品などまで考えると何百、何千という人々の働きによって、初めて一台のF1マシンを走らせる事ができるのです。

最強のチームスポーツと言われるモータースポーツ、そしてその頂点に君臨するF1を見る上で、チームプレイは見逃せないポイントであり、見せ場と言えるでしょう。ここではF1の「目に見える」チームワーク、ピットストップについて紹介します。

今やF1で勝負の分かれ目となるのがピットストップです。ピットストップでは、タイヤ交換を素早く行うのですが、その手際の良さはまさに神業!これまでのF1でもっとも早かったピットストップを紹介します。

なんと1.92秒!2秒かからない速技です。昔は6秒台でピットストップが終わると速いと言われていました。そこから2秒まで短縮されたのには、現在のF1では給油がないこと、ピット作業する人数制限がないこと、ピット作業に使う機器のハイテク化などが理由として考えられます。世界最速を争うF1ではピットストップも世界最速です。

F1はたった20人しか参加できない、モータースポーツの頂点です。そんな世界最高峰のF1ドライバーたちの運転技術は、全員トップクラスで、争っているチームやマシンのポテンシャルも高いレベルで、そこでは差別化が難しくなってきます。

そうなると勝敗が分かれるのは、ピットストップになります。ポテンシャルが同等の相手に、コース上でドライバーが0.1秒を稼ぎ出すのは至難の業ですが、ピットストップが上手くいけば、1秒単位で稼ぎ出せるし、ミスをすれば平気で5秒、6秒ロスすることになります。それゆえに、チームスタッフは、ドライバーの為に日々ピットストップの練習を欠かしません。

Embed from Getty Images

レース中、一番手に汗を握る瞬間と言ってもいいピットストップ。ピットで作業する彼らの活躍が、ドライバーの成績に大きな影響を及ぼします。

作業が完璧だった時のピットクルーのガッツポーズはとてもかっこいいので、ぜひピットストップの瞬間にも注目してください!

F1を動かすのはエンジンだけではない!?

Embed from Getty Images

温暖化の影響で、時代はエコの時代へ。自動車レースにとって厳しい環境と言えますが、ハイブリッドの最先端技術が生み出されているのがF1をはじめとする、モータースポーツなのです。

レースで鍛えられた技術は、やがて私たちが乗っている市販車にフィードバックされます。モータースポーツは「走る実験室」と言えます。そんなハイブリッド最前線と言えるF1で使われている技術について触れておきます。

2014年からF1は、エンジンだけではなく、ターボチャージャー、エネルギー回生システム、バッテリーからなるパワーユニット(PU)と呼ばれるエネルギー供給システムを使用しています。エンジン、ターボチャージャーに加え、エネルギー回生システムというものがあります。これはMGU-HとMGU-Kという2つのシステムで成り立っています。

MGU-Hは排気ガスの熱を電気に変換、再利用し、MGU-Kはブレーキ時に発生する運動エネルギーを電気に変換し、再利用する装置です。これらの装置で変換した電気エネルギーを保管するバッテリーに、パワーユニット全体を管理し、コントロールするコントロール・エレクトロニクス(CE)をまとめてパワーユニットと呼ばれています。

現在、F1チームは、10チームありますが、PUは4種類しかありません。メルセデス、フェラーリ、ルノー、そしてホンダです。メルセデス、フェラーリ、ルノーは自身のチーム以外にも、PUを供給しています。ホンダはトロロッソに供給しており、来年にはレッドブルにも供給されることが決まっています。

メルセデス製PU搭載チーム メルセデス / フォースインディア/ ウィリアムズ
フェラーリ製PU搭載チーム フェラーリ/ ハース / ザウバー
ルノー製PU搭載チーム ルノー/ レッドブル / マクラーレン
ホンダ製PU搭載チーム トロロッソ

F1日本グランプリを楽しもう!

Embed from Getty Images

今年のF1日本GPは、鈴鹿で記念すべき30回目を迎える特別な年。そんな記念すべき年は、ぜひ現地で観戦してもらいたいと思います。そこでF1ウィークは、どのようなスケジュールで行われるのかを紹介します。

F1は、金曜日から決勝の日曜日までの3日間で行われますが、厳密に言えば、木曜日から月曜日まで開催されます。木曜日は、F1マシンは走りませんが、*²ピットレーンに入る事ができる「ピットウォーク」が行われたり、サーキットを歩く事ができます。

そこでは、ドライバーやメカニックと言った関係者を間近で見る事ができるチャンス!運が良ければ、サインをもらえるかもしれないので、色紙を忘れずに!夕方には、抽選ではありますが、ドライバーサイン会が実施され、ドライバーと触れ合える貴重な時間を味わうことができます。

金曜日からフリー走行があり、F1マシンが走り出します。フリー走行では、マシンのセッテイングを決めたり、作戦、使うタイヤの性能、劣化はどのくらいかなど確認作業を行う時間です。そして、土曜日に予選、日曜日に決勝が行われます。F1マシンが走っていない時間帯は各所でスペシャルなイベントが盛りだくさん!往年のドライバー達によるトークショーなど見逃せないものばかり。

そして、F1の余韻に浸りながら行われるF1ファンミーティングが月曜日に行われます。ここでもトークショーや、F1が走ったサーキットを歩く事ができるなど、F1が終わっても楽しめるイベントが開催されています。

1987年に始まった鈴鹿でのF1グランプリ。30年(2007、2008年は富士スピードウェイで開催されたため)の歴史を感じながら、現在のF1を思いっきり楽しんでみてはいかがでしょうか。

*²ピットレーンとはチームがマシンの整備を行うガレージ(ピット)とコースを繋ぐ道のこと。

F1 F1グランプリ モータースポーツ 鈴鹿