「やる」ウエイトリフティング。瞬発力、柔軟性、バランスを高める。

「やる」ウエイトリフティング。瞬発力、柔軟性、バランスを高める。 DO

「やる」ウエイトリフティング。瞬発力、柔軟性、バランスを高める。

スポーティ

前回の記事で紹介した「見る」角度からのウエイトリフティング。今回は、「やる」ウエイトリフティングを皆さんへご紹介します。

ウエイトリフティング基本中の基本。

ウエイトリフティングは、床に置いたバーベルを頭上に持ち上げる重量を競う競技です。2つの種目があり、スナッチは床に置かれたバーベルを1挙動で頭上に持ち上げます。クリーン&ジャークは、同じく床に置かれたバーベルをまず肩まで持ち上げ(クリーン)、次に頭上に持ち上げます(ジャーク)。

重いバーベルを持ち上げることから、よくスクワット、デッドリフト、ベンチプレスを行うパワーリフティングと混同されますが、パワーリフティングが、ひたすら最大筋力パワーを目指すのに対し、ウエイトリフティングでは瞬発力、バランス、柔軟性、そして精神的な集中力が求められます。

トレーニングに取り入れる場合、パワーリフティングは基礎体力にあたる部分、ウエイトリフティングは、よりスポーツに近い動きとも言えます。

ウエイトリフティング=ジャンプ力。

ウエイトリフティングで重要なのは、爆発的な瞬発力、そしてスピードです。一瞬でバーベルを下から上へ持ち上げるわけですので、全身のパワーを一気に解放しなくてはいけません。

下の写真を見て下さい。ウエイトリフターは、皆素晴らしいジャンパーでもあるのです。

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柔軟性とバランス

筋トレをやると、体が硬くなるという偏見、あるいは迷信はまだ根強いですが、ウエイトリフティングでは高度の柔軟性と広い可動域を要求されます。ですからウエイトリフターは皆体が柔らかいですし、一般の人もウエイトリフティングを練習することによって柔軟性が高まっていきます。

もし手元に、箒でも物干しざおでも構いません、細長い棒があれば試して頂きたいのですが、下の男子選手の写真のように手首と肘を曲げることが出来るでしょうか。

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さらにはバランスも大きな要素になります。高速で持ち上げたバーベルを頭上に静止させるには、自分の重心の真上にバーベルをすばやく移動させ、かつそれを維持する強靭な体幹力が必要になります。

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八木かなえ選手のスナッチ(2018年アジア大会)

ウエイトリフティングを始めるには。

学校の部活動ではなく、一般の人がウエイトリフティングをやってみたいと思ったときに、まず練習場所を探すことが最初のハードルになります。

普通のフィットネスジムで、重量バーベルを床に落とすことが許されるジムは少ないですし、それに加え、ウエイトリフティングを指導できるトレーナーも多くありません。

アメリカでは、クロスフィットの人気拡大に伴い、ウエイトリフティングのジムも増えてきました。日本でもそうなる機運はあるとは思いますが、現状はまだまだ数が少ないようです。

そこで一般の人が、ウエイトリフティングを学べる貴重な場として、関西唯一のウエイトリフティング道場を主宰している「尼崎ウエイトリフティング道場」の井本勝氏に話を聞きました。高架下というユニークな場所から全国大会上位選手も輩出しています。

小学2年生の女の子から69歳の男性までが練習しています。

ーー高架下を場所に選んだのはなぜですか?

私の母校、佛教大学のウエイトリフティング部の練習場は、柱6本と屋根があるだけの練習場でした。いつも練習前に部室からバーベルを運び、練習が終われば片付けるという毎日でした。また、急に雨が降ってきたら急いで片付け、トレーニングルームで筋トレというものだったんです。そのようなベースがある私は阪急電鉄の高架下を見たとき、「ここでウエイトリフティングができる!」と思いました。屋内で練習する部活でしたら、その発想はなかったと思います。

ーーどのような人達が道場にやって来るのでしょうか?

尼崎ウエイトリフティング道場は、地域スポーツクラブとしての位置づけですので、老若男女が入会します。詳しく言えば、現在は小学2年生の女の子から69歳の男性までが練習しています。以前はインドネシアや韓国の女性もいてグローバルな道場でした。目的は純粋にウエイトリフティングがしたい方、ウエイトリフティングをトレーニングとして指導したいトレーニング指導者、そして最近はクロスフィットの方が入会されます。


尼崎ウエイトリフティング道場の練習風景

ーー練習の頻度や内容について教えてください。

火曜日以外で、私を含めて3人いる指導者の都合がつく日が練習日になります。内容は、ウォーミングアップ、スナッチまたはクリーン&ジャーク、補強種目、スクワットです。修正種目を入れる場合もあります。

ーー入会するにはどうしたらよいですか?

代表の井本までご連絡ください。見学または体験に来ていただき、納得していただいた上で入会してください。 道場以外の場所でも、出張セミナーや外部指導も行っていますので、お問い合わせ頂けたらと思います。

ーー未経験者でも参加できるイベント等があれば教えてください。

尼崎ウエイトリフティング道場では年数回「ウエイトリフティング練習会」を開催しています。その練習会には近所の方からクロスフィットの方、トレーニング指導者の方など多くの方にご参加いただいています。暑い夏、寒い冬、気温に関係なく参加されるので、こちらがびっくりしています。現在計画しているものは、「記録会&練習会」も面白いかなと思っています。記録会で自己新記録に挑戦していただき、その後、弱点を修正するイメージです。こうしたイベントは尼崎ウエイトリフティング道場のフェイスブックやインスタグラム、ツイッターのSNS、ブログで告知します。

米国のオリンピック代表チームを務め、「米国ウエイトリフティングのゴッドファーザー」と呼ばれるマイク・バーグナー氏は、同時にクロスフィットのウエイトリフティング部門ヘッドコーチとして、全米各地でセミナーを行っています。筆者もセミナーに参加したことがありますが、「クロスフィットのおかげでウエイトリフティングが盛り上がって嬉しい」と語っていたのが印象に残っています。

井本氏もまた大阪で、クロスフィットボックスを数店経営しているA Plus Fitnessのウエイトリフティング・アドバイザーとしてコーチ陣のコーチとして活躍しています。

長い伝統があるウエイトリフティングと新しいトレンドのクロスフィットが融合し、さらなる交流とお互いのレベルアップを実現するウィン・ウィンの関係が続くことを願ってやみません。


 


ウエイトリフティング トレーニング