大谷翔平選手の2年目を待ちうけるエンゼル・スタジアム 恒例のキャンプイン事前イベント

大谷翔平選手の2年目を待ちうけるエンゼル・スタジアム 恒例のキャンプイン事前イベント WATCH

大谷翔平選手の2年目を待ちうけるエンゼル・スタジアム 恒例のキャンプイン事前イベント

スポーティ

大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・エンゼルスの本拠地、エンゼル・スタジアムで「Moving Day」と銘打ったチームのアパレルやポスター等のグッズ販売とサイン会をあわせたファン・イベントが1月26日(日本時間27日)に行われました。

長い野球シーズンの始まりを告げる春季キャンプ開始までいよいよ数週間に迫ったこの時期に、運送会社「Old Dominion社」が毎年開催する恒例イベントです。

Old Dominion社は、エンゼル・スタジアムのあるカリフォルニア州アナハイム市からキャンプ地アリゾナ州テンピまでの365マイル(587キロ)までの間を往復して、エンゼルスが使用する野球道具の運搬を一手に引き受けている会社です。

キャンプイン前なのに初夏の陽ざし

アナハイム市は、ロサンゼルス空港から約50キロ南東に位置していて、渋滞のない時間帯であれば、車で約40分の道程です。何といっても、ディズニーランドの発祥地であることで世界的にも有名です。そのディズニーランドからエンゼル・スタジアムは約6キロしか離れていません。

エンゼルスが誕生したのは1961年、ここアナハイムに本拠地を構えたのが1966年。以後半世紀以上の長い間エンゼルスの本拠地であり続けたこの球場は、メジャーでも4番目に古い球場です。

つい最近、現在の球場使用リース契約を2020年シーズン末で終了し、将来的な球場改装計画を立てるか、あるいはエンゼルスがアナハイムから出ていくか、球団と市の間で協議することが合意されています。

この日のアナハイムの最高気温は、約25度。ほとんど雲一つない快晴の下でイベントが行われました。何も遠路はるばるアリゾナまで行かなくても、ここでキャンプをできるのではないかと思うのですが、何はともあれ2月12日には投手と捕手、2月17日にはすべての野手がアリゾナ州テンピでの春季キャンプ施設に集まり、以後1か月半にも及ぶキャンプ・オープン戦に臨むことになっています。

昨年ひじの手術をして現在リハビリ中の大谷翔平選手がいつからチームに合流するのはわかっていませんが、投打二刀流の活躍で新人王を獲得するなどメジャーに大きな衝撃を与えた大谷選手の2年目を心待ちにしている野球ファンは多く、現在もっとも注目を浴びるメジャー選手の1人と言ってよいでしょう。

イベントでは球場正面広場とスタジアムの1階部分に特設セール会場が設けられ、野球シーズン到来前にいち早く(そして安く)エンゼルス関連グッズを買ってしまおうという多くの熱心なエンゼルス・ファンで賑わいます。セール会場前には長蛇の列が作られ、入場するまで30分以上並んで待つことことも珍しくありません。今年の目玉は何と言っても大谷関連グッズかなと予想していったのですが、意外にもエンゼル・スタジアムの大谷色はそれほどではありませんでした。

準備不足?のんびり?

まず球場正面の大広場に飾られたチームの看板選手の中に大谷選手の姿が見えません。それどころか、昨季限りで退陣したソーシア元監督の写真がまだ飾られています。

球場内の壁にエンゼルスの歴史を記してあるのですが、歴代新人王受賞者の中に大谷選手の名前がまだ書きこまれていません。

勿論、セール会場のあちこちで「Ohtani」のシャツを着ているファンの姿は目につくのですが、それも圧倒的に多いと言うわけではありません。やはりと言うか、さすがと言うか、現役メジャー最高選手と呼ばれるマイク・トラウト外野手の名前が一番多かったように思います。

それにしても、さぞエンゼルスは大谷選手の人気を前面に出して収益アップを図っているのではと思っていたのですが、どうものんびりしているというか、商売気に欠けると言うか、まだ本気で野球モードに入っていないようにも見受けられました。

シーズンオフの駐車場を利用したカーレース

むしろこの日は野球とは無関係のイベントが目につきました。当たり前のことですが、球場を囲む広い広い駐車場はオフシーズンの今ガラガラになっています。そこにコーンを並べた仮設サーキットが作られ、素人カーレースが行われていました。利用者は自分でチューンアップした車を持ち込み、レース場さながらのコースで思う存分運転の腕を振るうことが出来ます。

料金はサーキットを4周して60ドル(約6600円)。ラップごとのタイムが計測されて、プロカメラマンが写真も撮ってくれます。これを高いと見るかお得と見るかは個人次第ですが、いかにも車社会で広い駐車場を持つ球場ならではのイベントです。

まるでビルの解体現場と化したダイヤモンド

さらに衝撃的だったのは球場内のフィールドの姿です。モンスタートラックと呼ばれるオフロード・レースを行うため(2月5日)、内外野の芝生が全て剥がされて、あちこちに小山のように土砂が盛り上げられていたのです。


現在のエンゼル・スタジアム

今季エンゼル・スタジアムの第1戦は3月24日にロサンゼルス・ドジャーズを迎えるエキシビジョン・マッチです。それまであと僅か2か月で、このまるでビルの解体工事現場のような状態から、あの美しい天然芝のフィールドに戻るとは到底信じられないような光景でした。

こんなんで本当に大丈夫かいなとも思いましたが、毎年やっていることなので、たぶん開幕には間に合うのでしょう。そうでなければ困ります。大谷選手が元気でこのエンゼル・スタジアムに戻ってきてくれることを祈ります。


昨季シーズン途中のエンゼル・スタジアム