祝・昇格!プレミアリーグに復帰した古豪たちの今
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プレミアリーグ昇格を争うチャンピオンシップ2018-19を制したのは、前年は14位に沈んでいたノリッジ・シティFC。
2位に滑り込んだシェフィールド・ユナイテッドFCは、2006-07シーズン以来13年ぶりのトップリーグ挑戦となりました。3位から6位の4チームが出場するプレーオフは、接戦続きでしたが、WBAとダービー・カウンティを倒したアストン・ヴィラFCが3枚目のチケットを手に入れています。
1980年代に欧州の頂点に立った古豪ヴィラは、4シーズンぶりのプレミアリーグに向けて、着々と補強を進めています。
TOP写真 photo by dom fellowes
即戦力をスピード獲得のアストン・ヴィラFCに大型補強の予感
早熟の天才ジャック・グリーリッシュ、最終ラインの手前を締めるコナー・フリハン、2018年9月のシェフィールド・ウェンズデー戦でスーパーボレーを決めたジョン・マッギン。
中盤にはタレントが揃っているアストン・ヴィラですが、前線と最終ラインは、ローン移籍で獲得した選手に支えられていました。
チェルシーから来た未完の大器タミー・アブラハムは、40試合26ゴールの大暴れ。CBのトゥアンゼベはマンチェスター・ユナイテッド、タイロン・ミングスはボーンマスからレンタルした選手です。
トッテナムなどビッグクラブからのオファーを断り、クラブに残った悪童グリーリッシュは今やキャプテンとしてチームを統率(PHOTO by Ben Sutherland)
プレミアリーグで戦うための補強は、ライバルのバーミンガム・シティFCでプレイしていたスペイン人MFホタの獲得と、LOSCリール・メトロポールから借りていた24歳のウインガー、アンワル・エル・ガジを完全移籍に切り替えることから始まりました。
これまでの最大の目玉は、ベルギーのクラブ・ブルッヘから移籍したブラジル人FWウェズレイです。22歳のストライカーは、昨季のベルギーリーグで、公式戦48試合17ゴール10アシストという素晴らしい数字を残し、年間最優秀若手選手の座を射止めた逸材です。
移籍金は、クラブレコードとなる2250万ポンド(約30億円)。彼がすんなりプレミアリーグにフィットすれば、スタンフォード・ブリッジに戻ることになりそうなタミー・アブラハムの穴が埋まるでしょう。
ヴィラが抱える最大の問題はFFP違反疑惑
ヴィラの補強は、前線と中盤に留まらず、最終ラインにもトップリーグ経験者を引き入れています。サウサンプトンから1100万ポンド(約14億9000万円)で獲得したマット・ターゲットは、昨季プレミアリーグで16試合に出場している即戦力。左サイドを主戦場とする堅実なDFは、ニール・テイラーからレギュラーの座を奪うものと思われます。
最大の懸案であるCBの獲得は必至で、トランスファーマーケットが閉まる直前まで、ヴィラの新戦力ゲットを伝える見出しが現地メディアを飾るのではないでしょうか。
アストン・ヴィラのサポーターズトラストは、ヴィラ・パーク売却の経緯を詳細に伝えてほしいと要求(PHOTO by Everlast1910 at English Wikipedia)
一見、羽振りがよさそうなアストン・ヴィラですが、新シーズンの開幕を1ヵ月後に控えてスキャンダラスなニュースが飛び込んできています。
かつての名門は、2016-17シーズンに大きな赤字を計上。これを帳消しにするために、本拠地ヴィラ・パークをオーナーのナーセフ・サウィーリス氏とウェズ・エデンス氏が率いるNSWEスタジアム・リミテッドに5670万ポンド(約77億円)で売却したのですが、強引な相殺がファイナンシャル・フェアプレー(FFP)のペナルティの対象になる可能性があるとのこと。
罰金か、あるいはポイント剥奪か。バーミンガムのクラブは、久しぶりのプレミアリーグで勝ち点マイナスからのスタートを強いられるかもしれません。
あのジャギエルカがシェフィールド・ユナイテッドへ!
古豪といえば、1890年代にリーグ優勝とFAカップ優勝を果たしているシェフィールド・ユナイテッドは、ヴィラとは打って変わって静かな夏を過ごしています。補強における最大の話題は、「エヴァートンの元キャプテン、フィル・ジャギエルカが12年ぶりに復帰」。
QPRから元アーセナルのMFルーク・フリーマンを獲ってきたものの、トップリーグで通用するといい切れる選手ではありません。チャンピオンシップで2位に食い込んだ昨季のスカッドは無名ばかりで、プレミアリーグ出場経験があるのはエースのビリー・シャープ、左SBのエンダ・スティーヴンス、サイドで活躍したマクゴールドリックなど数えるほどしかおりません。
マンチェスター・シティからセルティックに貸し出されて活躍したロバーツも、2017年に負傷してからは伸び悩み中(PHOTO by Nick)
ブックメーカーに降格最有力候補とされそうなシェフィールド・ユナイテッドに対して、昨季チャンピオンシップを制覇したノリッジは即戦力を2人確保しています。ボルシアMGから来たFWドルミッチと、10代の頃は「イングランドのメッシ」ともてはやされたパトリック・ロバーツはいずれも楽しみな存在。
点取り屋プッキ、トップ下シュティープルマン、CBティム・クローゼ、GKティム・クルルなど要所に経験豊富なプレーヤーを配したノリッジのほうが踏ん張れるのではないでしょうか。
アストン・ヴィラ&シェフィールド・ユナイテッドの古豪コンビと、3年ぶりのプレミアリーグ復帰となったノリッジのチームづくりに引き続き注目しましょう。