プレミアリーグ2019-20前半戦 意外な記録ランキング【ベスト編】

プレミアリーグ2019-20前半戦 意外な記録ランキング【ベスト編】 WATCH

プレミアリーグ2019-20前半戦 意外な記録ランキング【ベスト編】

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無敗で快走する欧州王者リヴァプール、2位に躍進したレスター。好調の2強に対して、マンチェスター・シティは昨季の4敗に早くも並んでしまい、フランク・ランパード監督の下で生まれ変わったチェルシーも11月末から1勝4敗とブレーキがかかってしまいました。

不振のノースロンドン勢は、ウナイ・エメリとマウリシオ・ポチェッティーノが解任の憂き目に遭い、ポグバが不在のマンチェスター・ユナイテッドも苦しい戦いが続いています。

昨季と勢力図が変わったプレミアリーグ2019-20シーズン。好調のチームと不振のチームは、どこにその要因があるのでしょうか。前半戦のスタッツをチェックし、ブレイクしたヤングスター、スランプに陥っている選手、意外な記録を総ざらえしてみました(以下、数字は2019年12月19日現在)。

メイン写真 photo by Кирилл Венедиктов

ヴァーディーが脅威の17戦16発、チェルシーの新エースが2位に躍進!

まずは、最新の得点ランキングから見てみましょう。TOPはレスターの躍進を支えるジェイミー・ヴァーディーで、独走態勢の16ゴール。

11ゴールで2位に入っているのは、昨季の得点王オーバメヤンと、アザールを失ったチェルシーの前線で脅威となっているタミー・エイブラハムです。

速攻とミドルシュートで稼いでいるマーカス・ラシュフォードは10ゴールで4位。セルヒオ・アグエロ、ハリー・ケイン、サディオ・マネ、モハメド・サラーといった得点王経験者が9ゴールで5位に着けています。


タミー・エイブラハムのゴールは、DFの股間を抜くタイミングが生命線(PHOTO by Sven Mandel)

ゴール数の上位で意外なのは、降格ゾーンにいるサウサンプトンのダニー・イングスとノリッジのテーム・プッキが9点をゲットし、強豪クラブのエースたちと並んでいることです。彼らの弱みは単調な中盤で、ストライカーに対する依存度が高すぎるのです。

セインツのクロス本数276本はリーグ17位、ノリッジは211本で最下位。点取り屋を縦に走らせるだけのアタックに厚みを構築できなければ、来季はチャンピオンシップで戦うことになるでしょう。

アシストTOPはデブライネ、SBのアーノルドは早くも6アシスト

アシストランキングのトップはケヴィン・デブライネ。17節終了時の6ゴール10アシストは、いずれもマン・シティに入団してから最高の数字です。

2位は意外なソン・フンミンで7アシスト。昨季プレミアリーグでSBとして史上最高の12アシストを記録したアレクサンダー=アーノルドは、今季も6アシストを積み上げて3位に入っています。同じく6アシストのダヴィド・シルヴァは、最後のシーズン。

マンチェスター・ユナイテッドの新戦力ダニエル・ジェームズ、ノリッジでプッキとの相性抜群のブエンディア、アダマ・トラオレに決めさせているウルヴスのラウル・ヒメネスが5アシストで5位にランクインしています。


クロスとFKのスペシャリストとして高評価のアーノルドは、21歳ながらチャンピオンズリーグで既に28試合に出場(PHOTO by Дмитрий Садовников)

アザールがいなくなったドリブル成功数ランキングを見てみると、1位はやはりクリスタル・パレスのウィルフリード・ザハで1試合あたり4.6回。2位にいるのは、4.5回の馬車馬アダマ・トラオレで、驚異的なテクニックが目を引くニューカッスルのサン・マクシマンが僅差の3位となっています。

1試合あたり4回以上のドリブルを決めているのは3人のみ。3.1回で5位にいるアーセナルのニコラ・ペペは、出番が増えれば上位に食い込んでくるはずです。

タックル数ランキングはレスターがワンツー!

ここからは、さまざまなランキングでNo.1の注目選手を紹介しましょう。パス本数1位はリヴァプールのビルドアップを仕切るファン・ダイク。

1297本を成功させているCBは、3トップを走らせるロングフィードも冴えており、ファビーニョやヘンダーソンとともにレッズの攻撃の起点となっています。

47回のインターセプトを決めているのは、ロジャースの戦術の軸となっているウィルフリード・エンディディ。CBの負担を減らすカバーリングに長けたアンカーがいなくなれば、レスターの攻守のスタッツは目に見えて悪化するはずです。


レスター躍進のキーマンとなっているヴァーディーとエンディディ(PHOTO by @cfcunofficial (Chelsea Debs) London)

エンディディはタックル数でも72回で2位に入っていますが、その上をいく74回を記録しているのは同僚のリカルド・ペレイラです。

最多スルーパスは、13本のジェームズ・マディソン。今季プレミアリーグ最少の11失点の堅守レスターが、カウンターから最多の6ゴールを決めている理由がわかります。後方の選手たちがアグレッシブな守備でボールを奪い、若きプレーメイカーが素晴らしいパスを前線にフィードし、決めるのはヴァーディーという流れが出来上がっているからです。

シュートブロック数No.1は、イングランド代表にも選出されたアストン・ヴィラのタイロン・ミングスで29回。空中戦勝利数が最も多いのは、守備の選手ではファン・ダイクの92回ですが、ウェストハムの最前線を担うセバスチャン・アレは103勝を挙げています。

GKに目を移すと、最多セーブは唯一100本のシュートを浴びているアーセナルのベルント・レノで73本。セーブ率TOPはレスターの守護神カスパー・シュマイケルで、77.6%をストップしています。ランキング1位を並べてみると、レスターの強さをアピールしているかのようです。

ユルゲン・クロップのチームは未だ無敗ですが、選手たちの強みを最大限発揮させているブレンダン・ロジャース監督に、前半戦の最優秀監督の称号を授けるべきなのかもしれません。

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