2年後のラグビーW杯へ 新生ジャパン注目選手ベスト3+1

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2年後のラグビーW杯へ 新生ジャパン注目選手ベスト3+1

スポーティ

次のラグビーワールドカップまで、あと2年。新生JAPANが、ついに2023年へ向け“本格”始動しました。
コロナ禍での活動休止を余儀なくされる中、1年半ぶりの試合となった今年7月の試合では、まだメンバーが揃っていませんでした。レギュラー選手数名の積極的休養と、有望な外国出身選手の資格不足がその理由でした。

しかし11月から始まるテストマッチ(国際試合)シーズンは違います!メンバー揃ってます!!! 事実10月23日に大分で行われた緒戦では世界3位の豪州に23-32と肉迫。これまで手も足も出なかった強豪国に勝てる可能性を十分に示しました。11月6日から行われるヨーロッパ勢との3試合、全勝もまったくもって夢じゃないと言えるでしょう!

テレビやネットで応援する準備は出来てますか?筆者が独断で選ぶ注目選手ベスト3+1、ご紹介して参ります。記事の最後には試合日時と放送予定、さらに対戦国の料理を食べながら楽しむリモート観戦応援パッケージの情報もお伝えします!

メイン写真 photo by singamelodie

新生JAPAN 注目選手第3位 いざジャパンの顔へ! 新主将ピーター・ラブスカフニ選手

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上の写真は、笑わない男が嬉し泣きするシーン。ラグビーワールドカップでアイルランドに勝った試合後のことでした。そんな稲垣選手を優し気な微笑みで抱きかかえる男、それが今回、新キャプテンに指名されたピーター・ラピース・ラブスカフニ選手。

舌を噛まずに言うのは至難の業です。長すぎるのでミドルネームのラピースと呼ばれています。2015年W杯で日本が母国・南アを破った“ブライトンの奇跡”に感激して、翌年来日したラピース選手。長年キャプテンを務めたリーチマイケル主将に代わりジャパンの主将にまで上り詰めました。「今までで一番良い主将になりたい」とその決意を語っています。

彼のプレイを一言で表すなら実直。常にボールのある所に顔を出し、1試合に何度もタックルを決め、時にジャッカルで相手ボールを奪う。敵からすればこんな嫌な相手はいません。W杯でも控えに回ったリーチ主将に代わってゲームキャプテンを務めていたので実績も信頼度も申し分ありません。

新主将としてテストマッチに挑む心境についてこんな公式コメントを出しています。

本当に名誉で光栄な気持ちです。私と仲間たちの心の中は、桜のジャージーを着て自分たちのベストを出し、日本を代表することに向け、熱い気持ちに溢れています。日本の皆様に誇りに思っていただけるよう頑張ります。これからの試合、挑戦に向けてとても興奮していますし、楽しみな気持ちでいっぱいです。


ラピースJAPANを応援しましょう!

■新生JAPAN注目選手 第2位 最年少22歳は有名選手に緊張!?福井翔大選手

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プロ野球でいえば育成出身から出たシンデレラボーイ的存在。それが福井翔大選手22歳。
この秋、ラグビー日本代表合宿にナショナル・デベロプメント・スコッド(NDS)と呼ばれる、いわゆる練習生として呼ばれながら、ジェイミージョセフ監督の目に留まり、一発で正代表の座を射止めた福井選手。合宿初日は同じポジションの尊敬する大先輩リーチ選手や姫野選手らを前に、「ビッグネームに委縮して内臓や胃がキリキリした」と可愛い本音も覗かせていました。

そんな彼が“飛び級”するのは初めてではありません。ラグビー界では、有名な高校生はほぼ100%大学へ進学します。名門・東福岡高校や高校日本代表でもキャプテンを務めた福井選手には、実際、数多くの名門大学からのスカウトがあったそうです。それらすべてを断り、彼は一足飛びにパナソニックワイルドナイツ(当時)とプロ契約。当時のインタビューで「その方が早く成長できると思った」と答えています。

大学に進学していれば現在4年生の年代。大学生からは誰もジャパンに選ばれていないため、彼の選択は正しかったと言えるのではないでしょうか。ヨーロッパの強豪相手に自分の力がどこまで通じるのか。若さを武器に暴れまわる福井選手に期待しましょう!

注目選手 第1位発表の前に…

■新生JAPAN 注目選手 “番外編” 日本への恩返しを誓う豪州人 ベン・ガンター選手

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10月23日に行われた日本代表VSオーストラリア代表戦。そのスターター6番に記された名前が、ベン・ガンター選手。豪州から来た23歳(試合翌日に24歳)の日本代表デビュー戦は、奇しくも愛する母国が相手となりました。

遡ること6年。高校卒業を控えたベン少年の元には、地元豪州プロクラブからの誘いは一切ありませんでした。「自信を喪失していた」という彼は軍隊に入ることを決意。そんなとき声をかけたのが、パナソニックワイルドナイツでした。チームを指揮するのは、元豪州代表監督も務めた名将ロビー・ディーンズヘッドコーチ。彼の元でメキメキと頭角を現し、19歳1か月でトップリーグ最年少デビューを果たします。

その後、日本での活躍が目に留まり、ついに豪州のプロクラブから声がかかります。しかし彼の答えは“NO”、「今さら声をかけられても、おいそれとオーストラリアには戻れない。今の私の望みは代表に選ばれて日本に恩返しをすること」。泣かせるじゃありませんか!!!

先日の母国との対戦でバチバチにタックルを決める雄姿には、すさまじい執念を感じました。

尊敬する前キャプテンのリーチ選手とは、「一緒にビデオゲームもします」という間柄。格闘家のような肉体からは想像できない、ゲームに熱中する可愛い一面も持ち合わせています。

強烈なタックルとパワフルなランニングで敵を蹴散らし、日本に錦を飾ってくれ!

■新生JAPAN 注目選手第1位 圧倒的テンポとスピードで背番号9を掴め!齋藤直人選手

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ジャパンの背番号9は流大(ながれ・ゆたか)選手。その絶対的不動のポジションを奪いつつあるのが、高校、U20と世代別で常に代表に選ばれ、早稲田大学では学生チャンピオンにも輝いた齋藤直人選手です。

流選手が参加しなかった今年6月末からの日本代表ツアー、その初戦のブリティッシュ・ライオンズ戦で念願の代表デビューを果たしました。0-28の圧倒的不利な状況での途中出場ながら、ゲームの流れをはっきりとジャパンに呼び込み、最終スコア10-28まで持ち込みました。

その活躍が認められ、続くアイルランド戦には先発出場。ティア1(最強豪国)との熱戦を彼が演出したのは、誰の目にも明白でした(スコア31-39)。

そんな齋藤選手の強みが、誰よりも素早いテンポで供給するパス。肉体的に小さい日本代表が勝つにはアタック(攻撃)のスピードが欠かせません。それを生み出すのがスクラムハーフが供給するパスのテンポ。齋藤選手が出るだけで、密集からの球出しのテンポが明らかに上がるのです。

豪州戦では控えスクラムハーフが背負う21番で途中出場。まだ流先輩の牙城は崩せていません。しかしながら、彼はインタビューでこう答えています。「9番を着て試合に出たいと常に思っています」。

今回のツアー2戦目となるポーランド戦では、彼が9番を背負うだろうと筆者は予想します。ジェイミー監督を驚かせるプレーが出来れば、続くスコットランド戦でもその夢は叶うかも知れません。

欧州ツアー TV&ネット観戦ガイド

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