秋の頂点、神宮大会

秋の頂点、神宮大会 WATCH

秋の頂点、神宮大会

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高校の部は全国の秋の地方大会を制した10校が、大学の部は各連盟秋季リーグの優勝校のうち、更に代表決定戦で選ばれた11校が集結して行われる神宮大会。今年で54回目になります。高校の部では、優勝校の地区に来春のセンバツでの「神宮枠」が与えられ、来春を占う大きな大会になります。大学の部は秋の大学日本一を決める大きな大会になります。

>>公益財団法人 日本学生野球協会

高校の部 星陵が優勝

>>第五十四回 明治神宮野球大会 組み合わせ(高校の部)

優勝 星陵高校 北信越地区代表・石川県 32年ぶり3回目

今年の神宮大会高校の部を制したのは、北信越地区代表で石川県の星陵です。これにより来春のセンバツの北信越地区には神宮枠が与えられます。32年前に神宮大会を制した当時の星陵にいたのはメジャーでも活躍した松井秀喜さんでした。

星陵は初戦の広陵戦(中国地区代表・広島県)を乱打戦で制すると、青森山田(東北地方代表・青森県)との2回戦は3-1と逆転で制しています。萩原獅子選手(2年)が3点本塁打を放てば、道本憩投手(1年)、佐宗翼投手(2年)の二人で守り抜きました。

豊川(東海地区代表・愛知県)との準決勝では星陵打線が爆発。芦硲晃太(2年)、萩原両選手による本塁打を含む16安打の猛攻で15-3の5回コールドゲームとなりました。

作新学院戦(関東地区代表・栃木県)との決勝戦は一転して投手戦となり、佐宗投手と小川哲平投手(2年)が投げ合いました。この試合では服部航選手(1年)のソロ本塁打で星陵が先制すると芦硲選手の2点タイムリー放つなど3-1で星陵が優勝を掴みました。佐宗投手は117球で奪三振が8つで最後まで投げ切りました。

今大会にも出場している大阪桐蔭(近畿地区代表・大阪府)は、一昨年及び昨年の大会を制しました。しかし今回は、初戦の関東第一(東京地区代表・東京都)と対戦しましたが、大阪桐蔭の平嶋桂知投手(2年)を含む4投手から9得点点を奪った関東第一に軍配が上がっています。ただ、大阪桐蔭はラマル・ギービン・ラタナヤケ選手(2年)が三塁打、二塁打、本塁打と立て続けに長打力を放ち存在感をアピールしました。

センバツで楽しみな選手もたくさん


優勝した星陵の中でもエースナンバーをつける佐宗投手は広陵戦で6失点しながらも最後まで投げる粘りもあり、決勝でも見事なピッチングをしていました。さらに道本投手も試合を任せられるだけの力も十分あります。また、服部選手も1年生ながら一塁手で5番を任され、決勝戦では先制本塁打を放つなど長打力を期待できる選手です。

大阪桐蔭は残念ながら初戦で敗退しましたが、平嶋投手は筆者個人的にもう少し見てみたかった投手です。また、サードを守るラマル選手は打撃センスが感じられ、来春のセンバツでの活躍が楽しみな選手の一人です。これらの選手のさらなる成長を期待したいですね。

大学の部 慶応義塾大が優勝

>>第五十四回 明治神宮野球大会 組み合わせ(大学の部)

優勝 慶応義塾大 東京六大学野球代表 4年ぶり4回目

今大会、大学の部で圧倒的な強さを見せたのが慶応義塾大(東京六大学野球連盟代表)。青山学院大(東都野球連盟代表)との決勝では失策絡みの得点で2-0と完封、見事に優勝を果たしました。投げては外丸東眞投手(2年 前橋育英)が散発の5安打、奪三振9つ、115球で最後まで投げ切っています。慶応義塾大の優勝は2019年の第50回大会以来です。

慶応義塾大は初戦の環太平洋大(中四国三連盟代表・中国地区大学野球連盟)では、宮崎恭輔選手(4年 國學院久我山)の二点本塁打を含む10安打の7得点で7回コールドながら完封勝利。準決勝の日本体育大戦(関東五連盟代表・首都大学野球連盟)では竹内丈投手(1年 桐蔭学園)、小暮瞬哉投手(2年 小山台)、谷村然投手(4年 桐光学園)の継投で5-1と快勝。廣瀬隆太選手(4年 慶応義塾)の2打席連続本塁打が飛び出しています。

慶応義塾大に匹敵する強さを見せたのが準優勝の青山学院大です。日本文理大(九州三連盟代表・九州地区大学野球連盟)との初戦では下村海翔投手(4年 九州国際大附属)が先発し、西川史礁選手(3年 龍谷大平安)の本塁打などで8-4と勝利。準決勝の富士大戦では中田達也選手(2年 星陵)の本塁打で先制し、4-3と接戦を制しています。投げては常廣羽也斗投手(4年 大分舞鶴)が142球の力投で完投。決勝では終盤での守備の乱れさえなければ青山学院大にも優勝のチャンスはあったでしょう。

慶応義塾大に阻まれ決勝進出はなりませんでしたが、日本体育大もレベルの高いチームだったといえます。投手陣も寺西成騎投手(3年 星陵)は試合前半戦慶應義塾打線を抑えるなどいいピッチングを見せました。

今大会は、東京六大学野球連盟、東都大学野球連盟のレベルの高さを見せつけられえた大会だったといえるでしょう。しかし、近年は地方の大学も上位に勝ち上がるケースも多々あり、さらにレベルの高い試合が見られることを期待したいですね。

神宮大会にはドラフト指名選手も出場


今大会に出場した選手で、攻守が目立つ選手もいました。慶応義塾大ではセカンドを守る廣瀬選手、ショートを守る水鳥遥貴選手(3年 慶応義塾)らです。捕手の宮崎選手は環太平洋大戦で2つ盗塁阻止するなど強肩を見せてくれました。

青山学院大ではショートを守る初谷健心選手(2年 関東第一)に加えて捕手の渡部海選手(1年 智辯和歌山)は1年生ながら存在感を感じられました。来季の成長に期待したい捕手です。

また、大学の部にはNPBドラフトで指名された選手たちも出場しています。ドラフト指名選手は下記の通りです。

下村海翔投手 青山学院大 阪神タイガース1位指名
常廣羽也斗投手 青山学院大 広島東洋カープ1位指名
上田大河投手 大阪商業大 埼玉西武ライオンズ2位指名
高太一投手 大阪商業大 広島東洋カープ2位指名
進藤勇也選手 上武大 北海道日本ハムファイターズ2位指名
廣瀬隆太選手 慶応義塾大 福岡ソフトバンクホークス3位指名

彼らはプロ入りを前にして、大学生として最後のプレーする場でもあります。今年は慶応義塾大や青山学院大が勝ち上がり、スタンドは多くのファンに加え在校生や卒業生の姿も多く見られました。これらの高いプレーを間近で見られるのも神宮大会大学の部の醍醐味、来年の神宮大会は大学の部にも注目してみてはいかがでしょうか。

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