サーフシティーUSAで開催されたフィットネスの祭典
WATCHサーフシティーUSAで開催されたフィットネスの祭典
9月20~22日にカリフォルニア州ハンティントンビーチで参加者数千人規模のフィットネス大会『Wodapalooza』が開催されました。
大会公式ウェブサイト:https://socal.wodapalooza.com/
2012年の第1回以来、この大会は年に1回フロリダ州マイアミで1~2月の間に行われていたのですが、今年からハンティントンビーチが追加されました。マイアミ大会がなくなったわけではなく、これからは年に2回、北米大陸の東と西に分かれて開催されるとのことです。
Wodapaloozaって何て読む?大会名称に秘められた意味
砂袋を担いで砂地を200m走るワークアウト。
Wodapaloozaの競技内容はクロスフィットによく似ています。と言うか、そのままです。そのことはクロスフィッターなら大会名称を一瞥するだけで分かります。“WOD”とは ”Workout of the Day” の略で、その日のワークアウト内容を示し、“palooza”とはお祭りとかイベントを意味する言葉なのです。その2つの単語を繋げ合わせた造語というわけですね。
その名の通り、Wodapaloozaはクロスフィットの外郭イベントのような形で発展しました。2019-20年はクロスフィット・ゲームズの代表選手を決める地域予選大会のひとつにもなりました。2021年からクロスフィットの名を冠することをやめた後も、組織的なトラブルが相次いでいる「本家」を尻目に順調な成長を続けています。
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Wodapaloozaにはトップアスリートが賞金を競う面もありますが、一般人も広く参加できる部門もあり、むしろそちらの方が人数としては主流です。私の友人も何人か参加しました。
一般部門は性別、年代、そして3つの競技レベルに分けられ、参加者は自分自身の判断でエントリーするレベルを選択することができます。大会ウェブサイトにはレベルごとに求められる基準が記されていますので抜粋します。
男性上級者(RX)
•スナッチ165lb(約75㎏)、クリーン225lb(約102㎏)
•鉄棒を胸に着ける懸垂(C2B)、マッスルアップ、反動を使わない逆立ち腕立て伏せ、逆立ち歩き、片足スクワット、縄跳び2重跳び男性中級者(Intermediate)
•スナッチ135lb(約61㎏)、クリーン185lb(約84㎏)
•懸垂、足先を鉄棒に着ける(T2B)、逆立ち腕立て伏せ、逆立ち歩き、縄跳び2重跳び男性初級者(Open)
•スナッチ95lb(約43㎏)、クリーン135lb(約61㎏)
•ジャンプ懸垂、両手を一瞬床から放す腕立て伏せ、ウォールウォーク
上に挙げた例は男性用ですが、女性用、そしてティーン用にもそれぞれ求められる基準が記されています。そして、3人1組のマスター・チーム部門もあります。3人合計の年齢が125歳以上、ひとりの最低年齢35歳以上が条件です。ここでも上級者と初級者にレベルが分かれています。
縄登りもクロスフィットで日常的に行う種目のひとつ。
上のレベル基準に示された内容はクロスフィットをやっている人なら容易にイメージできるでしょう。重量挙げも体操的動作も自重筋トレも、いつもボックス(クロスフィットではジムのことをこう呼びます)でやっていることばかりなのです。
レベル別に分かれていることで、参加者にとっての門戸は広くなっています。参加者だけではなく、その家族や友人たちが観客としてやってきます。収益を見込めるだけのイベントとして成立するのです。
このようにフィットネスを競技化したイベントは2010年代になるまで、少なくともアメリカにはありませんでした。そのきっかけは2007年に始まったクロスフィット・ゲームズであることには議論の余地はありません。
そこで行われる種目のひとつひとつはトレーニングとしては有効であっても、本来ならそれほど面白いものではありません。クロスフィットは、それらを組み合わせて、幅広い世代に愛好者を増やし、さらに大勢の観客を呼び込めるイベントを作り上げました。その歴史的功績はどれだけ称えても称え過ぎではない。私はそう思います。
カリフォルニアかフロリダか、どちらのリゾートを選ぶ?
大会会場の隣では数多くのスポンサーがブースを開いた。
ハンティントンビーチはこれまでに何回もこちらで紹介してきました。サーフシティーUSAの別名称を持つ、いかにも南カリフォルニアらしい景色と雰囲気を持った海沿いの町です。読者にはまったく関係がないことですが、私が高校時代を過ごした思い出の地でもあります。
レストランやギフトショップが並んだ中心部には「ピア(Pier)」と呼ばれる桟橋が海に向かって突き出していて、その周辺は広くて平坦な砂浜が広がっています。イベント会場を設立するには格好の立地条件なのです。
私が見た、あるいは参加しただけでも、マラソン、サーフィン、ストロングマン、ビーチバレー、Xゲームズなどなど、様々なスポーツのイベントが1年を通してここで行われています。
ビーチ沿いの歩道から眺めた大会会場。
大西洋に面し、キューバに近いマイアミ。太平洋に面し、メキシコに近いハンティントンビーチ。どちらも劣らず魅力的ですが、日本から訪れることを考えるなら、後者が圧倒的に便利です。ハンティントンビーチは日本との直行便がとても多いロサンゼルス国際空港から、ほんの40分くらいのドライブで到着できるのです。
来年はぜひWodapaloozaに参加、あるいは観戦を検討してみてはいかがでしょうか。