「やる」クロスフィット。資格不問!世界最大のフィットネス競技「オープン」に参加しよう。
DO「やる」クロスフィット。資格不問!世界最大のフィットネス競技「オープン」に参加しよう。
毎年恒例のクロスフィット・オープン(以下「オープン」)が今年も2月21日から5週間に渡って行われます。「オープン」は世界最大のフィットネス競技です。2011年に始まった新しいイベントですが、年齢やレベルに関係なく「やる」スポーツ競技として年々人気が急上昇し続け、昨年度の参加者はついに全世界で40万人を越えました。
誰でも参加できるインターネット上の戦い
「オープン」は誰でも世界中の何処からでも参加できます。なぜなら、参加者は大会ホームページに発表されたワークアウトのスコア(タイム、または回数)をインターネットで送信するというやり方だからです。
クロスフィットに所属していない人もワークアウトの動画を送信することで参加出来ます。但し、ワークアウトを行う上で規定された器具を全て用意しなくてはいけないので(鉄棒、バーベル、ダンベル、ケトルベル、ロウイングマシーン、吊り輪、メディシン・ボール、3メートル以上の高さの壁など)、現実的にはクロスフィット・ジム以外からの参加者はごく少数です。
「オープン」は5週間続けて行われます。毎週米国西時間の木曜日午後5時(日本時間では金曜午前10時)にその週のワークアウトが大会ホームページ上で発表され、参加者は翌週の月曜午後5時(同火曜午前10時)までにワークアウトを行い、スコアを送信しなくてはいけません。
提出されたスコアは即時インターネット上で集計され、ランキングも大会ホームページに即時公開されていきます。自分のフィットネス能力の立ち位置を確認するには最適です。
「予測不可能な未知的状況下に対応する」というクロスフィットの意義に従って、ワークアウトの内容は毎週異なりますし、発表されるまでは極秘にされています。次に何が来るかわからないからこそ、参加者はドキドキして発表を待ち、それこそが「オープン」の楽しみと言えます。
そのようなわけで、「オープン」開催中の5週間は間違いなくクロスフィッター達がインターネットに最も頻繁にアクセスする期間になります。ワークアウトが発表される前はその予想が取り沙汰され、発表されるとその直後から感想や対策があらゆるソーシャルメディア上を賑わし、週末はスコアや順位の報告、そして次週のワークアウトの予想へと、その盛り上がりは途切れることがありません。
オールラウンダーではないと勝てない
1例を挙げますと、昨年度最後のワークアウト(18.5)は以下の通りでした。
7 min. AMRAP (制限時間7分間以内の挙上回数)
• Thrusters (100lb / 65lb) : スラスター(45kg / 30kg)
• Chest to Bar Pull-Up: 懸垂(胸を鉄棒につける)
上2つのワークアウトを、第1ラウンドは3回づつ、次は6回づつ、その次は9回づつという具合に、ラウンドごとに3回ずつ増やしていって、7分間でどれだけ回数をこなせるか競うというものです。
スラスターは普段クロスフィットでトレーニングしている人にはおなじみのワークアウトです。そうじゃない人はスラスターって何?と思うでしょうが、それもそのはずで、クロスフィットの造語です。バーベルを胸に担いでフロントスクワット、そこから立ち上がって、次はバーベルを頭上まで持ち上げます。バーベルの重さは男子が45キロ、女子が30キロです。
懸垂は毎回両腕を伸ばし切った状態から始めて、胸を鉄棒につけなくてはいけません。比較的難易度が高いワークアウトです。この懸垂が出来ない人のスコアは1ラウンド目のスラスター3回のみになってしまいます。
スラスターは体が大きくてパワーのある人が有利、懸垂は逆に身軽な人に有利なワークアウトです。7分間ぶっ通しで回数を競うので、心肺スタミナと筋持久力も大きな要素になります。このように「オープン」のワークアウトは参加者のありとあらゆる身体能力を試すように工夫されています。
こんな難しいワークアウトは無理、という人も心配は要りません。ワークアウトはRX(正式)バージョンと Scaled(初心者用)バージョンに分かれていて、そのどちらかを自由に選ぶことが出来ます。初心者用バージョンは重量も軽く、また動作も簡単になっています。
さらに、一般男女(18-35歳)の部の他にティーン部門とマスター部門があります。ティーンは14-15歳と16-17歳の2つに分かれ、マスターは35歳から60歳以上まで5年ごとに分かれ、それぞれ自分の年代グループ内でスコアを競います。
大人の運動会?
ネット上でワークアウトを通して世界中の参加者と繋がる楽しみに加えて、実際にワークアウトを行うジム内での盛り上がりと連帯感こそが「オープン」における最大の魅力です。
上の例でお分かりのように、「オープン」で行うワークアウトはけっして易しいものではありません。トップアスリートは別にして、普通の人はワークアウト中は息も絶え絶えになり、ワークアウト後はひどい筋肉痛に見舞われるのが常です。
それでも誰もが少しでもスコアを上げようと懸命に挑むことで、多くの人が自分の限界を超える体験をします。今まで挙がらなかった重量が火事場の馬鹿力で挙がってしまう、今まで出来なかった動作がタイムリミット寸前で出来てしまう、そんな1人1人のとってのミラクルが#OpenMagic(オープン・マジック)のハッシュタグでソーシャルメディアを賑やかします。
そして、参加者達は互いに応援しあうのがクロスフィットの伝統です。時間を競うワークアウトの場合、競技を終えた選手はまだ残っている選手を応援します。その場で最下位になった選手は全員からの応援を受けることになります。マラソンの優勝者がドベの選手がゴールするまでコースに留まって応援するようなもので、そんな競技は他にあまり思いつきません。
参加するには?
「オープン」に参加するのは簡単です。大会ホームページの”Register”ボタンをクリックして、氏名、生年月日、国籍、所属するクロスフィットのジム名を入力するだけ。料金は20米ドル、約2200円です。
クロスフィットに所属していない人も「オープン」に参加は出来ますが、前述しました事情で、実際には個人で全ての器具を用意することはかなり難しいでしょう。最も簡単な方法はこの機会にクロスフィットのジムに入会してしまうことです。
そんな入会したばかりのビギナーが競技に参加していいのか? いいのです。レベルや資格を問わず、誰でも参加できるのが「オープン」なのです。ちなみに筆者も入会後約1か月後に2012年の「オープン」に参加しました。以来、クロスフィットにはまって今に至ります。
もう1点耳寄りな話を紹介しますと、2019年のみ「オープン」は2~3月の他に10月にも、つごう年2回行われます。2020年以降は10月のみの年1回開催に戻ります。なぜそうなったかについてはそれなりの理由があるのですが、その背景を書きだすと実に長くなりますので割愛します。
何はともあれ、「オープン」に年2回参加出来るという貴重なチャンスに恵まれた2019年はクロスフィットを始めるのに最適なタイミングです。
INFORMATION
大会HP:https://games.crossfit.com/
日本国内にあるクロスフィットのジム一覧:https://fitness.reebok.jp/training/crossfitgym_list/