香港で働くフィリピン人家政婦をサポート!ヨガボランティアの活動に密着
SUPPORT香港で働くフィリピン人家政婦をサポート!ヨガボランティアの活動に密着
香港には、家庭に住み込みで家事や子育てのお手伝いをするフィリピン人やインドネシア人家政婦が大勢居住しています。多くの家政婦が取れる休暇は土曜日か日曜日のいづれか。この日ばかりは朝から街に繰り出し、リフレッシュをする家政婦達で街が溢れかえります。
そんな彼女たちのために、ボランティアでヨガを教えているAndiappan Yoga Community(以下AYC)という団体があります。今回はAYCを運営するルイーズさんの話をうかがいながら、日曜の朝に開催されるヨガ教室に密着してきました。
セントラル駅付近に集まる外国人家政婦
AYCの活動について
AYCを運営しているルイーズさん。彼女によれば、AYCの主な目的は経済的な理由でヨガのクラスに通うことができない人や、特別なサポートが必要な人々にヨガを教えること。彼女自身ヨガを行うことで、身体的かつ精神的な恩恵を受けながら、より自分を深く理解することができたと感じていました。それをできるだけ多くの人とシェアしたいという思いで続けてられているのがAYCの活動です。
今回の取材をしたのは主に外国人家政婦を対象としたクラスでしたが、この他にも乳がんを克服した方々を対象にしたクラスや、経済的にヨガクラスを受講できない香港人を対象にしたクラスなどがあります。
香港セントラル
週に1度のヨガクラスにより培われる健康な生活
香港で家政婦として働く場合、基本的には従事する家庭に用意されている2、3畳ほどの部屋に住み込むことになります。決して十分なスペースが用意されているとは言えず、また家事から子育てまで幅広い仕事をこなす彼女たちの労働はとてもハード。日常的に健康に気を使いながら細やかな生活をすることは難しい状況であると言わざるを得ません。
でも当日集まっていた生徒たちを見ると正に健康そのもの。それは彼女たちの笑顔と溢れ出るエネルギーが物語っています。
ルイーズさんによれば、AYCが活動を開始した2014年6月から現在までほぼ毎週クラスに通っている生徒もいるそうで、そのような生徒たちはすでに高いレベルのヨガを習得しているとのこと。週に1度のヨガクラスに通うことにより、ヨガが身体的にも精神的にも効果的であるということに気付き、多くの生徒は寝る前のわずかな時間を利用してヨガを行いながら心と体のメンテナンスをしているということです。
具体的なクラスの内容
クラスへは誰でも自由に参加することが可能です。その為、毎週末新しい生徒が加わり、ビギナーレベルの生徒が多く集まります。それに合わせ、基本的にはビギナーレベルの生徒が無理なく行えるレベルで進められますが、インストラクターが個人個人の状態を見ながら上級レベルのヨガも取り入れます。
ボランティアのクラスであるとはいえ、インストラクターは皆ヨガアライアンスが認めたサーティフィケートを取得しており、クラスを続けることで確実に上達して行ける仕組みが作られています。
インストラクターの多様性も魅力
AYCに所属しボランテイアでヨガインストラクターを務めている人々のバックグラウンドは実に多様です。国籍もさる事ながら、本業はOLだったりアーティストだったりと普段は異なるフィールドで活躍する人々が同じ意志の元に集まり、AYCの活動を支えています。
週によって参加可能なインストラクターが立候補しクラスを行うという形式なため、生徒達は様々なインストラクターからヨガを学ぶことが出来ます。インストラクターにより得意なヨガが異なる場合も多く、バラエティ豊かなヨガクラスを受講することが可能です。
インストラクターの多様性も、このボランティア活動が生徒たちを魅了しているひとつの要因と言えるでしょう。
ヨガを行う人々が好む”シェア”という概念
AYCが行っている活動の源は、自分の経験を”シェアする”という概念です。ヨガは体と心のバランスを整える為の具体的な活動です。その活動を通じて自分が得た喜びをシェアしたい。そんな人々がインストラクターとして集まって行われているのがこのボランティア活動なのです。
お国柄なのか、普段家政婦として働く生徒たちは皆ポジティブで笑顔を絶やさない人々。青空の下、香港の中心街であるセントラルの埠頭にて行われているヨガクラスでは、インストラクターも生徒達も心からヨガを楽しんでいました。
[取材協力] ANDIAPPAN YOGA COMMUNITY