水が流れるジャンプ台!? サマースキージャンプを見に行こう

水が流れるジャンプ台!? サマースキージャンプを見に行こう WATCH

水が流れるジャンプ台!? サマースキージャンプを見に行こう

スポーティ

記憶に新しい2014年ソチオリンピック。中でもスキージャンプはレジェンドこと葛西選手が個人で銀メダル、そして団体で涙の銅メダル。ワールドカップでの高梨沙羅選手の活躍もあり、「日の丸飛行隊復活」を印象付けるシーズンとなりました。

熱い戦いを終え、現在はすっかり雪も溶けたジャンプ台(シャンツェ)ですが、オフシーズン中の選手は何をしているのでしょうか。

2014_05_04-画像02_s

実はジャンプは夏にもシーズンがあり、近年は特製の人工芝にスプリンクラーで水を撒きながら練習・大会が行なわれています。競技施設の強化も進み、サマーシーズンでも各地にて全国大会が開催。さらには冬のワールドカップに準ずる「サマーグランプリ」も開かれるようになりました。

サマーグランプリは、日本では長野オリンピックの舞台となった白馬ジャンプ競技場で毎年ナイター開催されています。ワールドカップ出場・オリンピック代表になるためのポイントを獲得できるので、選手は冬のシーズン同様に真剣です。

ビール片手にサマージャンプを味わう

このように近年はすっかり2シーズン制となったスキージャンプですから、シーズンオフは雪が溶けて夏用に施設を改装している5月と、逆に冬用に改装する11月くらいしかありません。

2014_05_04-画像03_s

ここは札幌オリンピックで「金・銀・銅」を日本が独占した伝説の舞台である、宮の森ジャンプ競技場です。今でも大倉山ジャンプ競技場と並んで、ほぼ通年を通して利用されています。

実を言うと筆者はサマージャンプの方が好きです。スキーの滑りを良くするために撒いている水が炎天下の中で涼しく感じ、ビールを片手に開放感たっぷりの中で行われるジャンプは、冬には無い良さがあります。大抵の大会でシャトルバスが出ていますから運転の心配もいりません。

大会の規模も年々大きくなっており、会場を盛り上げるBGMとアナウンスに、迫力満点の風を切る音。まるで夏のプロ野球やJリーグのデーゲームを生で観戦しているような臨場感です。

大倉山ではレストランやウインタースポーツを疑似体験できるスポーツミュージアムも併設されており、試合後に選手のサイン会やゆるキャラのイベントを行なわれる、一日を通して楽しめるようになっています。

ジャンプ台やトレーニング見学もOK

練習の見学やジャンプ台の見学も比較的寛容です。少しでも選手の裾野を広げたい、競技への関心を持って欲しいというところが本音ですから、大抵の場合は喜んでOKサインを出してくれます。

2014_05_04-画像04(修正)_s

ちなみに、選手はこのような高さからスタートします。高所恐怖症の方でなくとも震える高さですね。写真は宮の森ですが、大倉山・白馬は更に高い場所から飛び出します。

選手はアプローチと呼ばれる(写真で言いますと白いラインのようなもの)滑走路を滑り加速をして飛び出していきます。白いラインに見えるアプローチは、陶器製のタイルに凹凸がついてあり、流しそうめんのように水が常時流れています。冬はクーリングシステム(冷却装置)を下に入れて作られた「氷の上」がアプローチとなります。

2014_05_04-画像05_s

写真はバランス力アップの練習。長野五輪金メダリスト、船木選手のコーチである杉本氏に協力して戴きました。陸上トレーニングや筋力トレーニングなど、各選手が様々な方法でジャンプ力アップを図ります。

未来の金メダリスト達も一生懸命に練習

未来の金メダリスト達も一生懸命に練習


少年チームはフットサルで普段使わない筋肉を刺激していました。ここ2、3年は高梨選手の台頭もあってちびっ子ジャンパーも増えましたがまだ少なく、様々な年代層が混じり合って練習する光景をよく見ます。「長野オリンピックに感動して、ジャンプが好きになって…やっと念願が叶いました」と、少年団に混ざって練習に参加している60歳超えの「還暦ジャンパー」もいらっしゃいました!

夏ならではの楽しみ方もたくさんのスキージャンプ。まずは子どもと手を繋いで大会に来てみるのはいかがですか?

オリンピック ジャンプ スキー 北海道 日本代表