目指すは東京五輪!プロサーファー仲村拓久未選手インタビュー

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目指すは東京五輪!プロサーファー仲村拓久未選手インタビュー

スポーティ

先日、東京オリンピックのチケットの抽選結果が出て、いよいよ近づいてきたという実感が出てきました。今回はオリンピック出場を目指すプロサーファーの仲村拓久未選手に、前半はサーフィン競技の見どころを、後半は仲村選手自身について聞きました!

オリンピックのサーフィンはここに注目!

ーー初心者がサーフィン観戦をして楽しめるでしょうか?

サーフィンは見ていてわかりやすいので、初観戦でも楽しめると思います。最近はオリンピック効果もあって、ビーチにも観客の方がびっくりするくらい増えました。

ーー簡単にルールを教えてください。

サーフィンは基本的には4人同時に海に入って競技をします。その日の波によって、1ヒートの競技時間が20分から25分に決められ、その時間の中で何本も波に乗ることができます。最終的に点数の良かった2本の合計で、そのヒートの順位が決まります。
選手は赤白緑黄色のゼッケンを着ていて遠くからでもわかりますし、観客に向けても点数に関するアナウンスがあるので、初心者でもわかりやすいと思います。海の中でもアナウンスは聞こえるので、試合中に自分の点を確認したりします。

ーー特にどんなところに注目すると面白いですか。

うまい選手を見ていればサーフィンのすごさがわかると思います。あとは波に乗るまでの選手同士の駆け引きにも注目してみると面白いと思います。4人の選手が一緒に試合するので波に乗る優先順位がつけられているんですが、点数が出ている選手をいい波に乗らせないように位置どったりと駆け引きが行われています。

ーー結構バチバチとしているんですね。海の中で選手同士で会話はあるんですか?

すごい近い距離になっても基本は話さないですね。たまに話しかけてくる選手もいるんですが、僕は絶対話さないです(笑)。

ーーオリンピックの会場となる釣ヶ崎海岸サーフィンビーチ(千葉県)の波はどうですか?

釣ヶ崎海岸(通称:志田下)は日本で一番プロのサーファーが集まる場所で、自分も小さな頃からこの場所で何度もサーフィンしていますし、多くの大会がここで開かれています。海外の選手にとっては難しい場所みたいで、やりたくないと聞くこともあります。

海外のトップサーフィン選手はスーパースター!

ーー強豪国はどこですか?

オーストラリア、アメリカ、ブラジルはめちゃめちゃ強いです。毎年、オーストラリアとカリフォルニアには試合で行くのですが、波もいいですし強い選手も多くいて、国全体にサーフィンが文化として根付いていますよね。現地のプロ選手はCMに出たりしてスーパースターのような人気があります。カノア(五十嵐カノア選手)もアメリカをはじめとした海外ですごい人気です。

ーー世界の注目選手を教えてください。

ブラジルのガブリエル・メディナやフィリペ・トレドが飛び抜けているので、2020年に出場すれば確実にメダル候補です。サッカーのネイマール選手と仲が良くて、試合に遊びに来てたりするんです(笑)。アメリカはうまい選手がたくさんいて誰が出るかわからない状況です。

ーー日本ではどうでしょうか。

日本はやっと強い選手が出てきて世界を追いかけている状況です。選手で言うとカノアはもちろん出ると思いますし、洋人(大原洋人選手)と舜(村上舜選手)には一歩先を越されている感じはあるのですが、まだ自分もチャンスはあると思うので来年勝てるようにやって行くだけです。

ーー世界と日本のサーフィン環境でどういったところに違いを感じますか?

ガブリエル・メディナやフィリペ・トレドも、僕が13歳、14歳の頃に一緒にBillabong(ビラボン)*のキャンプに参加していて、当時は同じくらいのレベルでやっていたので、どこでここまで伸びたんだろうと思うんですが、センスも飛び抜けていますし努力していたんだろうと思います。
ブラジルは国としてサーフィン競技へのバックアップ体制があるんですよね。選手たちはお金がなくても積極的に海外の試合に出場できますし、サーフィンに人生を懸けていてハングリー精神がすごい。下の世代もすごくて、これからどんどん出てくると思います。日本はそういった面では楽してサーフィンができる環境があるので、自分も正直そこまでの思いは持てていなかったですし、下の世代の子達も「これで食って行く」という強い思いでやっていかないと世界では勝てないのかなと思います。

あとは海外はチームとしての結束が強く、他の選手が勝っていたら喜ぶのが当たり前なんです。どうしても個人戦ではあるので、日本では他の選手が勝っていると素直に喜べなかったり、自分と比較して気分が落ちてしまう選手が多いですね。そういうのも嫌で、自分は海外の選手と試合を回ることも多いです。

*Billabong(ビラボン)…オーストラリアのサーフブランド。公式サイト:http://www.billabong.com/jp/

仲村選手のサーフィンの原点

ーーサーフィンを始めたきっかけを教えてください

生まれは奈良県ですが、兄がプロサーファーを目指していたので、自分が3歳の時に一家で三重県の海の近くに引っ越しました。それで5歳くらいの頃には、いつの間にか自分もサーフィンを始めていました。学校でもサーフィンをやっている同年代の子がいなかったので、いつも兄や、大人に混ざってやっていましたね。結局兄はプロにならず、自分は16歳でJPSAのプロテストに合格しプロになりました。

ーープロを目指したタイミングを教えてください

小学生から全国大会に出ていたんですが、毎日のようにサーフィンをして、中学生になると世界ジュニアの日本代表に選出されるなど海外の試合にも出るようになりました。その頃、同世代の選手がプロになったこともあり、自分もプロの道を選びました。

ーーアマチュアからプロになって気持ちの変化はありましたか?

プロになった時は16歳だったので、あまり何も考えていなく変化を感じなかったのですが、大人になるにつれて「これが仕事なんだ」という実感が出てきました。逆にいうと、当時の方が純粋にサーフィンを楽しめていたかもしれません(笑)。

ーー仲村選手が感じるサーフィンの魅力は?

他のスポーツと違って自然が相手で、同じ波は来ません。波に乗っているときの感覚は忘れられないものです。最高のスポーツです。

ーー憧れの選手はいますか?

もう亡くなってしまったんですがアンディ・アイアンズですね。世界チャンピオンを何度もとって、僕がサーフィンを始め、ちょっと上手くなった頃に世界の第一線で活躍していたすごいサーファーです。サーフィン界ではみんなの憧れで、ずっと映像を見てました。それで念願叶ってアンディ・アイアンズのスポンサーだったBillabong(ビラボン)に、僕も今サポートしてもらっているんです。

ーーどのような部分に憧れたのでしょうか?

サーフィンも見た目もかっこいい人だったので。サーフィンでは感情を表に出すタイプの人で、試合で負けるとすごく怒ったりして。良くないんですけど、当時はかっこいいって思ってましたね。小さい頃からアンディ・アイアンズが履いてる海パンを履いてました。

どんな時もサーフィンと共に

ーー陸でのトレーニングはどのようにしていますか?

去年まではあまり意識してトレーニングを行なっていませんでしたが、成績が思い通りに伸びなかったこともあり、2ヶ月前からトレーナーに見てもらい始めました。週2回、走ったり、泳いだり、ジムで体幹をメインに鍛えるトレーニングを行なっています。結構きついです(笑)。最近体重が73kgから69kgまで絞られてきて、身体の変化を感じるようになってきました。

ーー食事面は気をつけていることはありますか?

食事はあまり気にしていないですね。好物はお寿司で、100円寿司ばかりですけど、週3回くらい食べるときもあります(笑)。

ーー試合前のルーティンがあれば教えてください。

試合前は1-2時間前からHipHopの音楽を聴きながら、海を見てます。どこでポジショニングするかを、前のヒート(試合の組み合わせ)を見て考えながら、リラックスして過ごしています。

ーー大事にしている言葉や座右の銘があれば教えてください。

負けると気分が落ちてしまうので、親には「前見てやれ」と言われ続けて、今はその言葉を胸に、前だけ見てやっています。小さい頃はあまり落ち込んだりしなかったのですが、プロになって自分で全てやっていくようになって試合結果の影響が大きくなったと感じます。

ーー落ち込んだときの気分をスイッチする方法は?

落ち込んだ時は練習もしたくないので、仲のいい友達といい波のところにサーフィンや撮影をしに行きます。いい波に乗れれば気分も晴れます。

ーー最後に個人としての目標を教えてください。

まずは7月に湘南オープンがあるのでそこで結果を出したいです。そして来年のジャパンオープンで勝って、世界選手権で1位か2位に入ればオリンピックへ出場できる可能性があるので、それだけに焦点を当てて調整して行こうと思っています。




競技中写真:仲村拓久未選手提供
インタビュー中写真:川口雅史


オリンピック サーフィン 仲村拓久未 日本代表