ジェフ L 深澤里沙選手に訊く 広報の仕事

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ジェフ L 深澤里沙選手に訊く 広報の仕事

スポーティ

深澤里沙さんは、昼間はジェフユナイテッド株式会社で、広報としてキャリアを積み、夜には、なでしこリーグ1部ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(以下:ジェフL)に所属する選手として、ハードなトレーニングに汗を流しています。
コミュニケーションを大切にしながら質の高い仕事をこなし、サッカー選手として夢を追っている深澤さんに、Jリーグ広報の仕事を訊きました。

イメージアップ、認知度アップ

2012年に創設された「なでしこリーグチームスタッフ雇用助成事業」(普及活動や営業活動を行うことを目的にリーグが雇用費用として、チームに一定の補助金を支払う制度)の対象となり、クラブスタッフとして働く深澤さん。

現在、彼女は広報グループに所属し、クラブの理念に沿いながらチームの情報を社会に発信するために、テレビや新聞、ラジオ、WEBサイトなどのメディアに働きかけをし、クラブのホームページやSNSに情報を随時掲載して行きます。

チームの成績や情報を、第三者から発信してもらうことで、社会への伝達力は増し、認知度は広がります。多くのファンやサポーターを獲得するためには、きちんと伝えることが重要となるのです。

主な仕事として、公式戦の写真の整理があります。トップチームやレディースチームの試合で、カメラマンが撮ったモノをセレクトしています。また、メディアのインタビュー取材の立ち会い、レディースチームのマッチデープログラムの作成などもしています。事務仕事は、意外と好きですし、周りの人たちも良い人たちばかりで、分からないことがあればイチから教えてくれますし、楽しみながら仕事をしています。

チームの記事が掲載された新聞をスクラップし、社内で回覧する時には、「自分の事が載っているモノを回す時、何だか、照れ臭いような感じですね(笑)」と口にします。

また、広報は、社内外においても高いコミュニケーションスキルも要求される仕事でもあります。サッカーでは、ピッチ内での連係は必要不可欠ですが、ピッチ外でも情報を共有するため周りとの連係が要求されます。「そこは、上手な方なので、自信があります(笑)」と人懐っこい笑顔で言いました。

実際、広報というイメージから、華やかな仕事を想像する人も多いかと思いますが、直接、結果が目に見えることはなく、コツコツと地味な作業の積み重ねでもあります。だからこそ、積み木のように1つ1つ丁寧に積み上げていかなければ崩れてしまう大事な仕事でもあります。地道な広報活動はクラブに光を与えるものとなります。

サッカーに恩返しをしたい

クラブは、「この街とともにジェフがある」をキーワードに、ホームタウンである市原市、千葉市を中心に地域社会に根付いたホームタウン活動を展開すると同時に、普及活動の一環として、毎年数回、サッカー教室を行いサッカーの魅力とクラブの魅力をを発信しており、深澤さんは広報活動を兼ねサッカー教室に必ず参加をしています。

サッカー教室で、小学校に行く機会が増えています。子どもたちと一緒にオリエンテーションをして、教室に移動して、給食を食べたり、そして”夢“についての講義をしたり、質疑応答コーナーを設けて子どもたちと触れ合います。短い時間の中で、サッカー楽しいと思ってくれれば。嬉しいいですね。その後、何人かは、試合を観に来て来てくれます。サッカーに興味のない女の子も応援に駆けつけてくれた時もありました。小さいことですが、ジェフとのつながりを広げて行きたいですし、小学校年代でサッカーを始めてもらうきっかけになればありがたいですね。

そう語る深澤さんは、なでしこリーグを戦う現役選手として仕事と競技を両立させ、ここまでリーグ戦230試合以上に出場。チームの大黒柱的な存在としてピッチに立ち続けています。

その中で、深澤さんは裏方の仕事を経験することで思い知らされたことがあります。

選手は、試合に向けて、コンディションを合わせることが仕事ですが、実際に裏方の人たちは、試合の準備から撤収まで多くの方が携わってくれており、ありがたいという気持ちと、なおさら試合に出場した時には、勝ちたいという気持ちが強くあります。

ただ、なでしこリーガーの多くは、20代後半から30代前半に引退をしてしまいますが、現在32歳の深澤さんは出来る限り長くサッカーを続けて行きたいと考えています。

体力的にも若い選手に劣っていると感じませんし、年々、パワーアップをしていると思っています。毎年、毎年が勝負ですが、自分の限界までしっかりと走り続けたいと思っています。

インタビューの最後に、将来の夢を訊いていみると、「私は、ずっとサッカーにお世話になってきました。将来的にはこれまでの経験を生かし、サッカーに携わりながら何らかの形で恩返しをして行きたいです。」と話してくれました。