関西地区大学野球オールスター対決

関西地区大学野球オールスター対決 WATCH

関西地区大学野球オールスター対決

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6月22日からわかさスタジアム京都で関西地区大学野球オールスター5リーグ対抗戦が開催されました。各リーグの選抜メンバーによるオールスターに相応しい大会です。この模様を紹介します。

5リーグ対抗戦とは?

今年で25回目を迎える5リーグ対抗戦。初めて開催されたのは1994年のことです。以来毎年6月頃に開催され続けてきました。関西地区には、関西六大学野球、関西学生野球、近畿学生野球、阪神大学野球、京滋大学野球の5つのリーグがありますが、歴史的に現在の形になったのが1982年です。このように各リーグが一堂に会して対抗戦を開催するのは画期的なことでした。

試合形式は、過去に例外はあったものの敗者復活戦を含むトーナメント方式になっています。現在、優勝したリーグには、秋の神宮大会(関西からの代表枠は2つ)への代表決定戦でスーパーシード権が与えられることになっています。それだけに、「お祭り」的な雰囲気ではなく本気度の高い対決が見られますし、プロのスカウトも視察に訪れるほどです。この5リーグ対抗戦では、関西学生野球のみ統一ユニフォームで試合に挑みます。

オールスターに相応しいメンバー

各リーグから有望選手が選出され出場しますので、これだけでも充分見応えがあります。そんな選手たちを紹介します。

関西学生野球は、初戦の阪神大学野球戦で小寺兼功(近畿大 4年)が先発。その後、肥後皓介(関西大 3年)、坂本裕哉(立命館大 3年)と3イニングずつの継投で6‐2と快勝しました。小寺はプロのスカウトも注目の関西地区ではトップクラスの左腕投手です。阪神大学野球の打者12人を140キロ台のストレートに変化球を交え2安打3四球3三振に抑えました。坂本は今春リーグ戦では優勝に貢献した投手の一人です。ラスト3イニングを難なく抑えました。

近畿学生野球は初戦の関西六大学野球戦、2戦目の阪神大学野球戦ともに打線が振るわず敗戦しました。しかし、投手力は見るべきものがありました。なんといっても同リーグを代表する投手は、奈良学園大の大畑理暉(2年)です。大畑は今春になり安心して試合を任せられる投手に成長し、春季リーグでは最優秀投手にも選ばれました。関西六大学野球戦に先発し、5回3分の1を被安打1、失点1という堂々とした投球内容でした。同リーグには信田悠輔(大阪工業大 4年)、渋谷航生(神戸大 4年)ら、個性的な投手もそろっており、ともに登板しました。なお、奈良学園大の米満凪(4年)は選出されているものの出場機会はありませんでした。

阪神大学野球からは権代雄太郎(天理大 4年)、田中秀政(天理大 4年)、出雲亮牙(大阪体育大 3年)らの野手陣に加えて八木玲於(天理大 3年)、桜木健次郎(天理大 3年)、森浦大輔(天理大 2年)、武次春哉(関西国際大 2年)らの投手陣が選出されています。初戦の関西学生野球戦では敗れはしたものの森浦がいいリリーフで後半3イニングを抑えましたし、2戦目の近畿学生野球戦では八木が先発で6イニングを、2番手の武次が残り3イニングを継投で完封しました。

関西六大学野球からは大西広樹(3年)、尾田恭平(4年)、橋本侑樹(3年)ら大阪商業大の投手に京都産業大の湯川翔太(4年)、宮所広輔(3年)が、野手では太田光(大阪商業大 4年)、植田匡哉(大阪商業大 3年)らが選出、出場しました。近畿学生戦では、近年では貴重なアンダースロー投手の楠本飛雄馬(神戸学院大 4年)が先発し、3イニングを無安打無四球に抑えています。

京滋大学野球は、関西六大学野球との試合に大江克哉(花園大 4年)が先発するも1回に8安打を浴び6点を奪われました。しかし、2回以降は持ち直し、5イニングを9安打7失点のピッチングでした。大江は春季リーグでは最も多いイニングを投げ5勝で防御率0.71は優勝した京都学園大のエース川瀬航作(4年)に劣らない内容ですが、今回は関西六大学野球の打線をロースコアに抑えることはできませんでした。川瀬は阪神大学野球との3位決定戦に先発で登板、5回を2安打無失点に抑えるなど上場の出来ばえでした。

下部リーグのチームから選出される

この5リーグ対抗戦の特徴は、1部リーグだけではなく2部リーグの選手も選出されているという点です(関西学生野球と関西六大学野球には下部リーグはなし)。阪神大学野球の内野手、田村優来(帝塚山大 4年)が2部東リーグから、菊池雄大(流通科学大 3年)が2部西リーグからの選出になります。

近畿学生野球からは2部リーグで投手の藤澤壮太(大阪大谷大 4年)、久保拓矢(阪南大 4年)、金井建斗(兵庫県立大 3年)、野手では津賀弁徳(大阪府立大 3年)、佐藤蓮(太成学院大 4年)らがそうです。

下部リーグといえでも実力などを加味されているでしょうし、神宮大会へのスーパーシード権をリーグ全体で一丸となって勝ち取りに行くという意味合いでの選出だと思われます。
通常のリーグ戦では見ることのできない対戦が実現するという意味でも貴重な対抗戦といえます。

スーパーシード権の行方は?

初日の関西六大学戦、2日目の阪神大学野球戦で敗れた近畿学生野球が優勝及び3位決定戦の可能性が消えました。そして決勝は、関西学生野球と関西六大学野球となり、関西学生野球が5‐2と逆転勝利で優勝、神宮大会へのスーパーシード権を手に入れました。この試合は公式戦さながらの緊張感が漂う一戦でした。また、3位決定戦は阪神大学野球と京滋大学野球となり、4‐1で京滋大学野球が勝利し3位となりました。

通算優勝回数は次の通りです。
関西学生野球 10回
阪神大学野球 7回
関西六大学野球 3回
近畿学生野球 3回
京滋大学野球 1回

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