海外で総合格闘技の更なる高みへ。DEEP高橋誠選手インタビュー

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海外で総合格闘技の更なる高みへ。DEEP高橋誠選手インタビュー

スポーティ

15歳でデビューし7戦無敗で、今年4月にDEEPフライ級王者・和田竜光選手のベルトに挑戦しました。試合は惜しくも敗れましたが、高橋誠選手は、まだまだ伸び盛り。

彼のバックボーンと、今後どのような道を描いているのか、インタビューしました。

父親の支えでここまで来れた

ーー格闘技を始めたきっかけを教えてください

父がプロレスが好きで、自分はそんなに興味なかったんですけど、小学2年生の時にムエタイとキックボクシングのジムに連れてかれて、格闘技を始めました。

実際にやってみたら、パンチを出したり、避けて打つとか、できなかったことができるようになることが楽しかったです。ミット打ちで良い音が鳴ると気持ちよくて、楽しく続けられました。

そのあと、小学3年生から中学3年生までは、レスリングも習っていましたし、中学の部活では柔道部に入っていました。柔道で、ついレスリングの癖が出て、ついタックルしようとしてしまって、3回くらい1発反則負けをやらかしました(笑)。でも寝技は得意で、部活で一番強かったです。

ーー小さな頃から、周りの選手達より強さの面で目立っていたのでしょうか

キックボクシングも、レスリングも、始めた頃はずっと負け続きで弱かったです。小学5年生の頃に宮城から茨城に引っ越すことになり、ALLIANCE成田道場に通うようになってから、練習相手が強くて、自分も鍛えられて伸びた実感があります。

ーー辞めたいと思ったことはなかったのですか?

弱かった時は、何度も父に辞めたいって言って喧嘩になったりしました。父も「おう、じゃあやめろ!」って言ってきたりして。でも、格闘技を辞めて何が残るんだろうって思ったら続けられました。
中学生の頃も、遊びたいから練習を休みたいと思ったこともありましたが、行けって言われて通い続けられました。道場までの送り迎えもしてくれて、練習もずっと見てくれて、僕がここまで来れたのは、父のおかげだと思うので感謝してます。
だから今は父に恩返しがしたいです。稼いで家を買ってあげたいですね。

ーー中学2年で最初のアマチュア試合をしていますが、総合格闘技を始める前は目指すところはどこだったのでしょうか

プロレスラーです。中学入った頃からプロレスが好きになって、父と一緒にテレビや会場でよく観ていました。プロレスリング・ノアのKENTAさんに憧れてました。プロレスは、大技で派手で綺麗ですよね。中学の友達にもプロレスにハマらせて、プロレスごっこをして遊んでました。
それでノアに履歴書を送って「2年後にまた来て欲しい」と言われたので、何しようかと考えて、総合で実績を作ろうと思って始めました。でも今は、総合で歴史に名が残るような、圧倒的な結果を残してからプロレスに行きたいと思っています。

座右の銘は努力。とどまることを知らないオールラウンダー

ーーご自身のファイトスタイルを教えてください

オールラウンダーです。前は寝技中心だったのですが、TEPPEN GYMに出稽古に行ってから打撃ができるようになってきました。まだまだ打撃も伸びるし、寝技もどんどん強くなるので、オールラウンダーで。

ーー今年4月まで無敗で来ていましたが、ご自身の実感としてはまだまだいけるという感じでしたか?

厳しくてギリギリ勝ってここまでこれていたところがありました。4月の和田竜光選手との試合では、作戦ミスでした。ベテランなだけあって、攻めて来ず、抑えるところ抑えて、僕が逃げるのに対して合わせてくる。本当に試合に負けたのかなってくらい、ダメージを全く受けてなかったですね。和田選手には、「またやろう」って言ってもらえたので、次こそ倒したいです。それまではチャンピオンでいてもらわないとダメですね。僕に負けて引退してほしいです。

ーーTEPPEN GYMでは那須川天心選手とも一緒に練習したと聞きました

こんな強い人いるのかと思いましたね。天才と言われながらも、追い込みすぎて吐くほどの辛いトレーニングをしているので、だから強いんだと思います。いい刺激をもらっています。
試合前は、天心さんが和田選手の真似をして練習に付き合ってくれて、アドバイスをくれました。

ーー減量はどれくらいで落としたんですか?

3週間で7kgくらい落とします。最後に水抜きで3.5kg。いつもは57.1kgで計量するんですけど、タイトルマッチは56.7kgだったんで、この前は本当にきつかったです。
減量に失敗したことはないんですけど、デビュー戦の時は、階級がわからなかったので61kgで試合したんですが、水抜きもしていないのに計量で60kgで1kgもアンダーで逆に失敗しました。相手は水抜きして合わせて来てるんで、あとは体重戻してくるし、きつかったですね。3分3ラウンドで、1Rとって、2R取られて、3R取ったんですが、2Rで取られた時は、結構焦りました。デビュー戦で負けたら先はないし、15歳だったこともあって叩かれて終わるなって思いました。勝ってよかったです。

ーー今はトレーニングはどのように取り組んでいますか

練習と合わせて週3回筋トレをしています。減量中のランニングが一番きつくて、トレーニングマスクつけて試合時間分、ランニングマシーンを走って、クリアできたらレベルをあげて行きます。メンタルを保たないと落ちちゃうので、極限まで追い込まれる状況で精神面もかなり鍛えられます。前まで筋トレも結構適当にやってたんですけど、トレーナーさんに付いてもらって一から教えてもらったら、こんなに筋トレもやるんだと驚きましたし、目に見えて変わって来たので、全然違いました。

海外武者修行で次なるステージへ

ーーこのタイミングでパラエストラ松戸をやめて、海外修行に行く決断をしました

1〜2年は海外で修行したいと考えています。まだ何も決まってないのですが、希望としては天心さんが行っているイボルブジム(シンガポール)に行ってみたいです。

ーー海外で得たいもの、伸ばしていきたい部分はどんな部分ですか?

全部です。イボルブジムには、キックボクシング、柔術、レスリングとそれぞれにコーチいるので、全部磨いて帰ってきたいです。
海外の選手とはこれまで試合をしたことがないですが、フィジカル面が違うと聞きます。また、シンガポールはムエタイをしている人が多いので、体幹がしっかりしていて首相撲で負けない強さを持っている選手が多いです。そういった強さも吸収したいです。

ーー総合格闘技ではどこまで目指しますか

海外のベルトが欲しいので、UFCに行きたいですね。負けたらリリースされる絶対負けられない厳しい環境だと思います。
あと12年は総合で頑張って結果を残し、30歳を機にプロレスに行きたいです。

ーー最後にファンへメッセージをお願いします

これからどんどん強くなっていくので、本当に楽しみにしていて下さい。めちゃめちゃ強くなります!

インタビュー:萩原拓也(Sortie編集部)
文・インタビュー中写真:五十嵐万智(Sortie編集部)

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