アイシングで暑熱対策

アイシングで暑熱対策 DO

アイシングで暑熱対策

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厳しい暑さが続いていますね!関東甲信地方で先行試行されている“熱中症警戒アラート”が連日のように発令され、ニュースでも熱中症の警戒が連日呼び掛けてられています。

日中は、運動禁止レベルの暑さが続いていますので、運動する場合には早朝や夕方以降の涼しい時間帯、または冷房を付けた室内などで、涼しい服装、さらには直射日光を避けるアイテム(帽子やサングラスなど)も活用するようにしましょう。また、長時間の運動や負荷の高い運動を避けることも重要です。
*熱中症対策 参照記事 >>『スポーツ時の熱中症を防ぐために知っておきたいこと』

暑熱環境下で運動を行う場合に、アイシング(身体冷却)を取り入れるとトレーニング効果を高めることができ、さらには熱中症の予防にも効果的です。

ただし、冷やし過ぎると凍傷や神経損傷を起こしてしまう可能性があるため、感覚がなくなったら一旦ストップさせると覚えておきましょう。アイシングにも様々は方法がありますので、取り入れやすいものやご自身に合う方法を見付けていただければと思います。

暑熱環境下で運動すると起こる体への影響

暑い中で長い時間運動をすると深部体温が過度に上昇し運動能力が低下します。国立スポーツ科学センターで2015年から行っている暑熱対策の研究によると、気温の低い時(3℃)と気温の高い時(40℃)では、疲労困憊まで行った運動の継続時間が約3分の1にまで短くなったという結果が出ています。ただし、短時間で行う種目についてはパフォーマンスが向上する場合もあるようです。

ヒトは服装を調整したり、暑い時には汗をかき寒い時にはふるえたりすることで体温を一定に保っています。運動中は筋肉を動かす際に熱が作られますが、皮膚の血管拡張や発汗などの熱放散反応も活発になり体温を一定に保とうとしています。

しかし、気温が高ければ発汗量に水分補給が追い付きにくくなります。また、湿度が高ければ発汗しても蒸発しにくく、体温調節に貢献しない“無効発汗”の量が増え、さらに発汗して脱水が進行してしまいます。このような影響によって深部体温の過度な上昇が起こりやすくまります。深部体温が上昇すると末梢神経の代謝や、心臓や血管の機能、水分バランス、脳血流量や認知機能などの中枢神経にも影響を及ぼします。

タイミング別 アイシングの目的と種類

◇運動前
・目的:深部体温を下げておくことで、運動中の発汗量を抑えパフォーマンスの低下を防ぐ。
・種類:アイススラリー、アイスベスト(クーリングベスト)、アイスバック、風、ミストなど

◇運動中
・目的:筋温や深部体温の過度な上昇を抑える。また、脱水を抑制しパフォーマンスの維持、向上に繋げる。
・種類:アイススラリー、アイスベスト(クーリングベスト)、アイスバック、ネッククーリング、アイスタオルなど

◇運動後
・目的:余分な代謝を抑え、上昇した体温を運動前の状態まで速やかに低下させる。また、筋肉の損傷や炎症の抑制や疲労回復を促進する。
・種類:アイススラリー、アイスバス(冷水浴)、温冷交代浴など

<アイシングの種類>
・アイススラリー: シャーベット状の氷飲料のこと。水や薄めのスポーツドリンクを製氷し、微細に砕いてシャーベットと液体分が混ざり合うような状態にしたもの。摂取することで体の内部から冷やし深部体温を下げることができ、同時に水分補給もできる。

・アイスベスト(クーリングベスト): 保冷剤(アイスパック)を入れることができるなど、冷却機能のあるバストを着用することで皮膚表面の体温を下げる。

・アイスバック(氷嚢):氷片や水を入れて、患部を冷やすことで皮膚表面の体温を下げ痛みや炎症を抑える。氷嚢がない場合には、ビニール袋に氷を入れ、タオルなどを当てることで代用できる。

・アイスバス(冷水浴): 冷水に浸かることで全身または下半身を一気に冷やすことができ深部体温を下げる。また、炎症を抑える効果や老廃物除去の促進も期待できる。暑熱環境下における適温は9℃~20℃。浴槽に浸かることが難しい場合には、冷水シャワーをかけるのも有効。また、冷やしたい部位によって浴槽ではなくバケツやクーラーボックスなどを使用すると手軽で取り入れやすい。

・アイスタオル:冷やしたい部位に応じてタオルの大きさを選び、冷水の中に浸すなどしてタオルを冷やし、部位を覆うように当てることで皮膚表面の体温を下げる。

・ネッククーリング: 首には太い血管が通っていることから、冷やされた血液が全身に回ることで効率的に体温を下げることができる。

・アイスマッサージ:製氷機のアイスキューブや、紙コップなどで氷を作り、患部に氷を直接当ててマッサージする。痛みや炎症を抑えたり、疲労回復を促進する効果がある。

・コールドスプレー:皮膚の表面温度を瞬間的に下げ、痛みや炎症を抑える。凍傷への注意が必要。

<アイシンググッズの紹介>
・アイシング機能付きサポーター
サイズがS、M、Lとあり、足首や膝、ふくらはぎ、腰、もも、肩、肘など使いたい部位によって大きさを選ぶことができ、どこにでも巻くことができます。写真はSサイズです。

水に濡らしたり凍らせることでアイシング効果が期待でき、凍らせたときの冷たさは予想以上でした!

・足裏冷却ジェル袋
保冷剤(アイスパック)を入れて、脚に付けることで足裏を冷やすアイテムです。

運動後に付けるととても気持ち良く、脚全体の筋温が下がる感覚があります。翌日の疲労感も何もしないときと比べて随分軽くなります。

家にあるもので代用可能!

保冷剤とタオルがあれば簡単にアイシングができます。

保冷剤をタオルに巻いて、患部に当てて結ぶだけ(ゴムなどで留めるのも良いです)。

ふくらはぎや太ももでもできますし、保冷剤が程よく溶けてくれるので凍傷になるリスクも低く、筆者は付けたまま寝てしまうこともあります。

暑い夏がまだまだ続きそうですが、熱中症対策に合わせて“アイシング”も取り入れながら、無理のない運動を継続してほしいと思います。暑さに負けずに健康維持、競技力の向上を実現していきましょう!

参照資料
・国立スポーツ科学センター発行『競技者のための暑熱対策ガイドブック(2017)』
https://www.jpnsport.go.jp/jiss/Portals/0/jigyou/pdf/shonetsu_2-23pp.pdf
・ハイパフォーマンススポーツセンター、国立スポーツ科学センター発行『競技者のための暑熱対策ガイドブック【実践編】』
https://www.jpnsport.go.jp/jiss/Portals/0/jigyou/pdf/shonetsu2.pdf


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