関西地区大学野球秋季リーグ戦総括

関西地区大学野球秋季リーグ戦総括 WATCH

関西地区大学野球秋季リーグ戦総括

スポーティ

各地で開催されていた秋季リーグが終わり、神宮大会への出場チームが決まりました。今回は関西地区の各連盟の秋季リーグと優勝チーム、そして神宮大会の代表決定戦と出場チームを紹介します。

関西学生野球連盟

>>関西学生野球連盟
優勝 関西大 2季ぶり40回目

今秋季リーグでは、関西大がリードしつつも同志社大、近畿大が追う形で首位争いを繰り広げましたが、関西大が最終節の関西学院大1回戦で快勝し優勝。これに対して同志社大は立命館大に連敗を喫しました。結果は優勝は関西大、2位が近畿大、3位が立命館大、4位が同志社大、そして5位が関西学院大、6位が全敗の京都大となりました。

10月20日の関西大‐関西学院大では関西大の金丸夢斗投手(3年 神港橘)が134球で関西学院打線を完封し、2-0で勝利し優勝が決定しました。この後に行われた同志社大-立命館大でも立命館大の谷脇弘起投手(4年 那賀)が124球、8奪三振、四死球2つと同志社打線を寄せ付けず、ノーヒットノーランを達成しました。同連盟でのノーヒットノーランは、2017年秋季リーグで関西大の山本隆広投手が達成して以来31人目32回目となります。

また、同連盟からは関西大の有馬諒選手(4年 近江)や立命館大の谷脇投手、桃谷惟吹選手(4年 履正社)、同志社大の真野凜風投手(4年 天理)ら計7人がプロ志望届を提出していたものの、指名はありませんでした。

関西六大学野球連盟

>>関西六大学野球連盟
優勝 大阪商業大 4季連続25回目

今秋季リーグは大阪経済大が大阪商業大と首位争いを行い、大阪経済大は直接対決で負け越し、大阪商業大に軍配が上がりました。大阪商業大は4季連続でリーグを制しています。2位は大阪経済大、3位は龍谷大、4位京都産業大、5位神戸学院大、6位大阪学院大となっています。

優勝こそ逃しましたが、投手では林翔大投手(3年 乙訓)、津田淳哉投手(4年 高田商)と安定したエースに北村音湧選手(2年 松阪商)のように非常に当たっている選手がチームを牽引してきました。これに対して大阪商業大は、上田大河投手(4年 大商大)、高太一投手(4年 広陵)の両エース、渡部聖弥選手(3年 広陵)をはじめ主軸を打てる選手もおり選手層の厚さがチーム力を支えています。

秋季リーグでは神戸学院大の藤井基投手(3年 神戸学院大附)が9月13日の対大阪学院大の3回戦でノーヒットノーランを達成(昨年秋季リーグで京都産業大の杉本和弘投手が達成して以来連盟通算11人目)。この3日後の16日には大阪商業大の上田投手が大阪学院大1回戦でノーヒットノーランを達成しました(連盟通算12人目)。上田投手は9イニングを117球、5奪三振、1四球、と文句なしのピッチングでした。なお、上田投手は通算20勝を達成(同連盟25人目)しています。

NPBドラフトでは同連盟からは計5人が志望届を提出していましたが、大阪商業大の上田投手が埼玉西武ライオンズから2位で、高投手が広島東洋カープから2位で、大阪経済大の津田投手が阪神タイガースから6位でそれぞれ指名されました。

阪神大学野球連盟

>>阪神大学野球連盟
優勝 天理大 6季連続25回目

天理大が2021年春季リーグ以降連続で制しています。しかし、今秋季リーグでは関西国際大も首位争いに加わり、また大阪産業大も終盤まで優勝の可能性があるなど非常に面白い優勝争いとなりました。2位が関西国貞井、3位が大阪産業大、4位甲南大、5位大阪体育大、6位が大阪電気通信大となっています。

天理大は本間悠貴投手(4年 大冠)、真城翔大投手(4年 高知商)、関西国際大は時澤健斗投手(2年 神戸弘陵)、不後祐将投手(4年 中京学院大中京)、大阪産業大は松田啄磨投手(4年 大冠)とそれぞれエースを擁し、戦いました。また、天理大は吉田元輝選手(4年 京都外大西)をはじめ比較的当たっている選手が多いのが特徴です。最終節に行われたこの両チームの直接対決で天理大が優勝を掴んだと言っていいでしょう。本間投手は最優秀選手と最優秀投手に、不後投手は敢闘賞、吉田選手は二塁手としてベストナインに選出されています。

NPBドラフト会議では、大阪産業大の松田投手は東北楽天イーグルスから5位で指名されました。松田投手は大阪産業大の右腕エースとして秋季リーグでは7試合に登板して3勝をマーク、防御率は2.50の成績を残し春季リーグでも最優秀投手に選ばれています。

近畿学生野球連盟

>>近畿学生野球連盟
優勝 和歌山大 3季ぶり5度目

和歌山大が2022年春季リーグ以来となる優勝を果たしています。2位が大阪公立大、3位が大阪観光大、4位が奈良学園大、5位が阪南大、6位が神戸大となっています。また、入れ替え戦の結果、神戸大が2部降格となり、代わって神戸医療未来大が1部昇格しました。

昨年秋季と今年春季リーグは大阪公立大が制し、今秋季リーグもまた大阪公立大が優位にリーグ戦を進めるかと思われましたが、和歌山大の前に一歩及ばなかった感があります。和歌山大もまた2017年の春季リーグ初優勝以降近年力をつけてきています。

和歌山大は、エースの船引駿平(4年 星陵)投手の存在が大きいといえます。これに対して大阪公立大は、優勝こそのがしたものの米麦波留選手(4年 高松商)、中村彦士選手(3年 西京)といった主力となる野手のほかに投手では正中敦士投手(4年 小野)や中野湧大投手(3年 兵庫)の活躍がありました。奈良学園大のエース植木佑斗投手(4年 履正社)も実力派を擁しており、かつては奈良学園大の一強でしたが現在ではリーグ全体の実力があがってきています。

京滋大学野球連盟

>>京滋大学野球連盟
優勝 佛教大 3季ぶり60回目

秋季リーグは佛教大が2022年春季リーグ以来となる優勝を果たしています。秋季リーグは佛教大が順調に勝ち星を重ねたものの最後まで対抗馬として残ったのが花園大でした。10月17日に行われた最終節の直接対決2回戦で佛教大が5-2で勝利し、佛教大に軍配が上がりました。

なお、3位にびわこ成蹊スポーツ大、4位に京都先端科学大、5位に大谷大、6位に滋賀大となっています。また、滋賀大は入れ替え戦で敗れ2部降格、代わって明治国際医療大が創部以来初の1部昇格を果たしました。

佛教大は比較的戦力が安定していた点が勝ち星を上げられる要因だったといえます。野手では5割2分6厘で首位打者の沢嵜一輝選手(4年 坂井)、そして七條太一選手(3年 文徳)が4割5分5厘とハイアベレージです。七條選手に加えて喜多智也選手(3年 奈良大附)らは足も速く盗塁がともに6と機動力を生かせる選手も擁しています。投手では赤木春哉投手(2年 天理)、そして中西孔太郎投手(1年 乙訓)を中心に木瀬陽太投手(3年 北嵯峨)や合木凛太郎投手(高田商)、桂田拓郎投手(4年 天理)らが中継ぎと抑えを担い、全員野球で試合を作っていきました。

なお、沢嵜選手が最優秀選手と首位打者賞に、中西投手が最優秀投手と新人賞、敢闘賞を奥田投手がそれぞれ受賞しています。

神宮大会代表決定戦

第1代表 天理大
第2代表 大阪商業大

>>第54回明治神宮大会 関西地区代表決定戦

各連盟の優勝チームが神宮大会出場を賭けて戦う代表決定戦、今年は非常にレベルの高い試合が行われました。

天理大は関西大との第1代表決定戦で、近藤遼一選手(4年 八戸学院光星)が本塁打とさらに勝ち越しの二塁打などで3点を得て、長野渉佑投手(2年 岡山商大附)と本間投手の継投で逃げ切り、2015年に第1代表として出場して以来の神宮大会となります。

大阪商業大は、関西大から4-1と逆転し、上田投手が完投で第2代表の座を勝ち取りました。大阪商大は、昨季も第1代表として出場しています。

スーパーシードされた関西大は2試合とも打線の援護がなく惜敗しました。また、和歌山大は今回、非常に粘りのある試合をし、佛教大に7-3で勝利、大阪商業大との1回戦で敗れはしたものの延長10回タイブレイクで5-4という試合をしています。

神宮大会は11月15日から6日間の予定で開催されます。
>>第五十四回 明治神宮野球大会

大学野球 野球