高校野球 甲子園出場校の横顔
WATCH高校野球 甲子園出場校の横顔
甲子園出場をかけた熱い戦いが終わり、全国大会出場校が決まりました。今年は昨年のような酷暑ではなかったものの、梅雨が長引き、大会日程が遅れるなど影響がありました。
今回は、京都・滋賀・奈良・岐阜・福井の各地区代表校を紹介します。
京都代表 立命館宇治 37年ぶり3回目の出場
昨年は、龍谷大平安の前に涙を呑んだ立命館宇治が雪辱を果たし、夏の甲子園出場は、校名が宇治高だった第64回大会以来、37年ぶりの出場です。
準々決勝では、福知山成美と対戦し、10‐9の乱打戦を制しました。準決勝では、昨夏と今春選抜を経験する龍谷大平安と対戦し5‐2で龍谷大平安を下し、勢いをつけました。
決勝戦では、初出場を目指す京都国際に対し、試合終盤に同点に追い付き、劇的なサヨナラ勝ちで甲子園への切符を手にしました。
立命館宇治は、3回戦の京都八幡戦に控えの森本晃太朗投手(3年)が登板した以外はエースの高木要投手(3年)が投げ抜きました。
今大会の立命館宇治は、緊迫した試合でも乱打戦でも、勝ち抜けるしぶとさを持っています。対龍谷大平安では終盤まで接戦の中で、最後まで隙を見せませんでした。
決勝戦では8回に同点に追いつき、サヨナラ勝ちをおさめるなど、甲子園でも通用する力だといえます。37年ぶりとなる夏の甲子園では、どんな試合を見せてくれるのでしょうか。
滋賀代表 近江 2年連続15回(甲子園出場は14回目)
林 優樹投手(近江)
決勝戦では、琵琶湖をイメージしたブルーのユニフォームをまとった近江が、光泉を1‐0で破り2年連続14回目の夏の甲子園出場を決めました。大会ベスト4には近江、光泉の他に滋賀学園、綾羽も残りましたが、打線と投手力ともに近江が飛び抜けて良かった滋賀大会だったといえます。
近江で最も存在感があるのは、エースの林優樹投手(3年)です。身長は174㎝とそれほど高くはありませんが、スライダーやチェンジアップ、カーブなどの変化球を投げ込んでくる左腕投手です。
滋賀県には、光泉の背番号10をつける吉田力聖投手(3年)や滋賀学園の尾﨑完太投手(3年)など注目の投手もいましたが、打者のタイミングを外し打ち取れる投球術は林投手が一歩上を行く存在でした。
また、住谷湧也選手(3年)、有馬諒選手(3年)ら長打力を期待できる選手を打線の中心に据えています。林投手も全国で通用する投手ですし、投打が上手く噛み合えば甲子園でも勝ち上がっていけるでしょう。
奈良代表 智辯学園 3年ぶり19回目
智辯学園
奈良県の代表校といえば智辯学園か天理といったイメージが強いですが、昨年は奈良大附属が甲子園へ初出場しました。法隆寺国際なども奈良県下では甲子園に手が届きそうなレベルの実力をつけてきています。
そんな智辯学園は3回戦で奈良大附属と対戦しました。この試合では7点先制を許したものの、9点を返し逆転勝ちをおさめました。準決勝では法隆寺国際と対戦し16‐5(6回コールド)と大勝しました。
決勝でも高田商を12‐5と大きく差をつけて甲子園出場を決めました。奈良県は全体的なレベルが上がってきているとはいえ、今年の智辯学園の実力は本物です。
智辯学園は繋がる打線が魅力的ですが、長打力がありホームランを狙える坂下翔馬選手(3年)が打線の要といっても過言はないでしょう。
奈良大会で使用する佐藤薬品スタジアムは両翼93メートルと決して広いとはいえませんが、坂下選手は合計5本のホームランを放っています。また、エースの山本奨人投手(3年)、控えの小畠一心投手(1年)ら投手陣のレベルの高さも感じさせてくれます。甲子園でも上位まで勝ち上がっていきそうなチームです。
岐阜代表 中京学院大中京 3年ぶり7回目の出場
岐阜県は昨年、一昨年と大垣日大が甲子園へ出場しましたが、今年は中京学院大中京が3年ぶりに甲子園への切符を手にしました。決勝戦では、大垣日大と決勝で対戦し、8‐6と中京学院大中京がシーソーゲームを制しました。
中京学院大中京は、初戦から準決勝まで全てコールド勝ちで勝ち上がってきました。それだけ破壊力のある打線を擁しています。加えて、エースの不後祐将投手(3年)をはじめ、村田翔投手(3年)、赤塚健利投手(3年)ら控えも含め、全国で通用する投手陣をベンチ入りさせています。
投打が噛み合えばかなり手強いチーム、甲子園でどこまで勝ち上がっていくか注目です。
福井代表 敦賀気比 2年連続9回目の出場
笠島投手(敦賀気比)
福井大会は、ベスト4に敦賀気比、福井商、丹生、福井工大福井の4校が勝ち上がりました。決勝戦では、敦賀気比が甲子園初出場を狙う丹生を3‐0で下し2年連続9回目の甲子園出場を決めました。
敦賀気比は、初戦の坂井戦を6‐4、準々決勝の若狭戦を8‐3、準決勝の福井商戦を6‐4と接戦を制し、着実に勝ち上がりました。
コールドゲームで大勝するのではなく、先制してからのきっちり追加点を奪う、堅実な試合展開をするチームです。投手陣ではエースの笠島尚樹投手(2年)が最も信頼できる存在ですが、黒田悠斗投手(3年)、岩田優生投手(2年)ら、いい投手も控えています。
甲子園ではどんな試合を見せてくれるのか、どうやって勝ち上がっていくのか、じっくり見てみたいチームです。