高校野球地区大会情報-前編-

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高校野球地区大会情報-前編-

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第100回を迎える高校野球選手権大会の各地区大会も各地で開幕し熱戦が繰り広げられています。今大会は記念大会ということもあり、近畿では大阪が南北、兵庫が東西の2地区に分かれて大会が行われています。

今回は、近畿の各府県のうち大阪、滋賀、京都、和歌山、奈良の各地区を紹介します。

南北大阪大会

大阪大会の特徴はシード制を採っていないことです。そのため、1回戦で有力校同士の試合になることも稀にあります。また、ブラスバンドの応援が行われないため、控え部員たちの声援に混じり打球の音が球場に響き渡ります。

南大阪大会の近大附属は、初戦で狭山と対戦しました。緊迫した試合展開が続きましたが、終盤になって近大附属が4‐1と突き放しました。近大附属の大石晨慈投手(3年)は、走者こそ出すものの、あと一歩得点を許さないピッチングで完投しました。

北大阪大会の東海大仰星と豊中の一戦は、投手戦の末、東海大仰星が辛勝しました。負けはしましたが、豊中の4番紀智哉(3年)選手は、長打力も期待できる選手でした。

滋賀大会

彦根東は、2回戦で草津東と対戦しました。先発は、増居翔太(3年)。序盤に、失策も絡み彦根東が、2点を先制するも追加点はなく草津東は、4回に4番中江真武己(2年)のソロ本塁打で、8回には連打で追いつきます。しかし彦根東は、8回裏、一気に5点を奪い試合を決めました。増居は、安定したピッチングで二桁奪三振、まだまだ勝ち上がれそうです。


彦根東高校 増居翔太投手

彦根東とともに、センバツで甲子園出場を果たした近江も勝ち上がっていますし、膳所もどこまで残れるか見ものです。滋賀大会は、皇子山と彦根の2球場で開催されます。皇子山は今月上旬の大雨の影響でスコアボードの一部が一時使用できなくなりましたが、現在は仮復旧で使用が再開されました。

京都大会

昨年夏、京都大会を制し甲子園出場を果たした京都成章が敗れました。センバツに出場の乙訓に延長戦の末のサヨナラ負けでした。

今大会、京都で最も甲子園を目指したいチームとして龍谷大平安があります。それは、甲子園での通算100勝に大手がかかっているからです。昨夏は決勝で京都成章に敗れ100勝達成を阻まれました。

そんな龍谷大平安は、2回戦で東稜と対戦。龍谷大平安の先発は、エースナンバーを付ける小寺智也(3年)。この試合では龍谷大平安の持ち前の打線が爆発し、松田憲之朗(3年)の本塁打が初回に飛び出すなど10点を奪い6回コールドで快勝しました。

小寺は春季大会の際の登板と比較するとフォームは安定し球威は増しているように感じます。このまま勝ち上がれば準々決勝で龍谷大平安と乙訓の対戦が実現するかもしれません。


龍谷大学付属平安高等学校 小寺智也投手

京都大会は、わかさスタジアム京都、太陽が丘、あやべの各球場が使用されます(春と秋の大会はあやべ球場に代わって峰山球場が使用されます)。京都府北部でも大雨による被害がありましたがあやべ球場での試合も無事開催できました。

和歌山大会

智辯和歌山は、初戦の高野山戦では12‐0(6回コールド)と大勝で好スタートを切りました。この試合では、エースの平田龍輝(3年)が参考記録ながらもノーヒットノーランを達成しました。打たせて取る効率的な内容でした。現在の和歌山では、智辯和歌山が最も力のある、甲子園に近いチームだといっても差し支えないでしょう。甲子園で平田のピッチングを見ることができるのか注目です。


智辯和歌山高校 平田龍輝投手

和歌山大会は、和歌山市郊外の紀三井寺球場で開催です。JR和歌山駅や南海和歌山市駅からバスの便もあるなど交通の便に恵まれた球場です。今大会は記念大会ということもあり、和歌山大会ではスタンドへ飛び込んだファールボールは観客にプレゼントされています。手にしたボールを写真に収めるファンの姿が見られました。

奈良大会

智辯学園が初戦で西の京と対戦しました。前半の両チームとも引き締まったプレーで得点がなかったものの、後半になり智辯学園の打線が爆発。本塁打2本を含む8点を取り8回コールドで快勝です。4番の岡野龍太(3年)、さらに佐藤尊将(1年)がそれぞれソロ本塁打を放ちましたが、一目でわかる当たりを外野席へ放り込みました。佐藤は17番をつける控えの捕手です(この試合では、スタメンでマスクを被りました)。先発の伊原陸人(3年)は、7回までに三振を10奪うなど連打を許しませんでした。


智辯学園 伊原陸人投手

2回戦の五條‐登美ヶ丘は乱打戦のシーソーゲーム。3時間近い試合で15‐12で五條が登美ヶ丘を下しました。両チームわせて30安打、本塁打4本、四死球12、失策6。観客としてスタンドで見るには面白い試合ですが、この日は快晴で気温は40度近くまで上がり、無風状態で湿度も高かったため、グランドでプレーしている選手や審判にとっては体力的にきつい試合となりました。何度か選手の足が攣りプレーが止まるシーンがありました。

奈良大会で、智辯学園の次に甲子園に近いと思われるのは天理でしょう。しかし、今後波乱が起こる可能性もあり、目が離せません。

奈良大会が開催される佐藤薬品スタジアム(県立橿原球場)は橿原神宮に隣接する公園内にあります。最寄りの近鉄樫原神宮前駅を下車しすぐというアクセスの良さも観戦には最適です。

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