フットボールの力で子どもたちに笑顔を!~現役Jリーガーが立ち上げた「F-connect」が目指すもの

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フットボールの力で子どもたちに笑顔を!~現役Jリーガーが立ち上げた「F-connect」が目指すもの

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昨年12月10日(日)、横浜中華街延平門のすぐとなりにある、横浜市立みなと総合高校。校庭をのぞくと、男の子も女の子も夢中になってボールを追いかけている光景がありました。そんな子どもたちと一緒にフットサルを楽しんでいる女子高生、大人達の中には4人の現役Jリーガーの姿もありました。

子どもたちに笑顔が溢れ、夢を持つきっかけを作りたい

昨年12月10日、みなと総合高校では「スマイル×F-connect×みなと総合高校=300%チャリティーフットサル大会!!」が開催されていました。

『F-connect(フットボールコネクト)』は、小池純輝選手(愛媛FC)、梶川諒太選手(東京ヴェルディ)が発起人となったチャリティー・プロジェクトです。現在は野村直輝選手(横浜FC)もメンバーに加わり、今回のイベントには石井圭太選手(横浜FC)も応援に駆けつけました。

2015年から活動を始めたF-connect。2014年にきっかけとなる出来事がありました。小池選手は、その時のことを次のように語ってくれました。

「当時所属していた横浜FCのスタッフに誘われて、プライベートで仲の良かった梶川選手と一緒に鎌倉の児童養護施設に遊びに行ったとき、子どもたちから歓迎を受けて、僕らと一緒にサッカーをやることをとても喜んでもらえたんです。後日、子どもたちをニッパツ三ツ沢球技場に招待すると、今度は『小池選手がんばって!』とずっと応援してくれていたんです。シーズンオフになってから梶川選手ともう一度鎌倉の施設を訪ねると、子どもたちは、3、4カ月ぶりに会ってもみんな僕らの名前をちゃんと覚えていてくれたんです。」

サッカーを通じて子どもたちに目標や夢を持ってもらえるきっかけを作れたら

小池選手らは、各地の児童養護施設を訪問し、子どもたちと一緒にボールを蹴ったり、チャリティーイベントやグッズ販売で得た収益で、児童養護施設の子どもたちをJリーグの試合に招待したりと、子どもたちに笑顔が広がるようにと『F-connect』をスタートさせました。

「身近に触れ合った僕らが、スタジアムで戦っている姿を見てもらうことで、子どもたちにも目標を持ってもらえたらと思い、その目標を持つということにスポーツの可能性があるのだと思っています。施設の職員の方から、サッカーを始めた子がいるとか、僕らとお揃いのシューズを買った子がいたり、また、普段だったら輪の中に入って来ないような子も、いつの間にか、一緒になってサッカーボールを追いかけていたなどといった話も聞けました。まあ、本音をいえば、いつも僕らの方が子どもたちから勇気をもらってばかりですね(笑)。」

総合学科高校の生徒達のキャリア教育になる側面も

みなと総合高校でのチャリティーイベントは、今年で3回目を迎えます。スマイルフットサルのサポートを得て、これまでに震災復興イベントなど、フットサルを通じたチャリティーイベントのノウハウを積み重ねてきた同校の女子フットサル部とのコラボレーションにより実現してきました。今回も、神奈川県内の児童養護施設で生活する約50名の子どもたちがフットサルを楽しみに集まりました。

みなと総合高校女子フットサル部の三ツ堀由真キャプテンはチャリティーイベントの取り組みについてこう語ります。

「イベントと向き合うことで、フットサルの競技の側面だけではなく、スポーツの魅力を伝えられ、フットサル部が大切にしているコンセプト『ひとつのフットサルボールで笑顔をつなげていく』を実体験できます。また、フットサル部員のいつもとは違った一面も知ることができるのも良かったです。たとえば、子どもと触れ合うのが好きな部員がいたり、手際よく炊き出しをしている部員がいたり、あるいは受付での対応が見事なメンバーもいました。」

生徒達にとって、プロのサッカー選手と一緒に作り上げるイベントは他にはない機会です。総合学科高校が推進するキャリア教育の一環としてもプラスになっている実感があるようです。

左から野村直輝選手(横浜FC)石井圭太選手(横浜FC)、美術部角田果穂さん、梶川諒太選手(東京ヴェルディ)小池純輝選手(愛媛FC)

さらに、今回は美術部の角田果穂さんによるイラストコーナーが設けられていました。将来は、美術関係の仕事に就くことが目標だという角田さんに感想を伺いました。

「自分の絵には、まだまだ足りない部分があるので、スキルアップにつなげられたらと思い参加させていただきました。私が描いた絵を、子どもたちが見て、喜んでくれたり、リクエストをしてもらったり、自分の描いた絵を喜んでもらえ素直にうれしかったです。将来、自分が思い描く夢に少し近いものを感じることができましたね。」


会場では、似顔絵を描く角田さんを多くの子どもたちが取り囲んでいました。これもまた、フットサルボールがつないだ一つの縁に違いありません。

小池選手は、「僕が高校の時は、学校の中の世界だけしかありませんでした。」と自身の高校時代をこう振り返ります。

「このようなイベントで、大人や僕らのようなサッカー選手、児童養護施設の子どもたち、そして色々な人達との接点が持てるのはいいこと。きっと高校生にとっても成長につながるイベントだと思います。」

そして、今後のF-connectの活動についてこう締めくくってくれました。

「これからもF-connectの輪を広げていきたいと思っています。今日来てくれた選手や今まで参加してくれた選手も含めて、もっとJリーガーが、ホームタウンの児童養護施設の子どもたちと交流できるようになるのがベストだと思います。いずれ僕も現役を引退するときがやってきますが、こういう活動は、継続が大切だと思いますので、『子どもたちと触れ合う』ことを大切に続けていきたいです。」



最後はみなと総合高校女子フットサル部と現役Jリーガーの皆さんが記念の集合写真を

夕刻になり、全てのイベントが終わったみなと総合高校のグラウンド。そこでは、女子フットサル部対F-connectの現役Jリーガーの試合が行われていました。事前準備から当日の運営まで裏方を務めた女子フットサル部員にとって、この上ないスペシャルマッチになったことでしょう。

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