コーヒーでパフォーマンスアップ?!その効果や飲み方を紹介
DOコーヒーでパフォーマンスアップ?!その効果や飲み方を紹介
スポーツを行っていると、誰しもがうまくなりたいと思い、練習に取り組むと思います。娯楽としてスポーツを楽しむ方もそうですが、競技者となるとなおさら真剣に練習を行うでしょう。
しかし、たくさん練習を積んだとしても試合の前日や当日になると、いつも以上にパフォーマンスを高められる方法があればいいなと思うのではないでしょうか。
そんな夢のような薬は、ドーピング以外にないと思う方もいるかもしれません。しかし、ドーピングでなくてもパフォーマンスを高めてくれる飲み物があるのです。それが「コーヒー」です。
コーヒーをいつも飲むという方は、多いのではないでしょうか。この記事を読みながら、コーヒーを飲んでいるという方もいるはず。そんな身近な飲み物が、パフォーマンスの向上に貢献してくれるのです。
今回は、コーヒーがどのようにしてスポーツのパフォーマンスを高めてくれるのか、どのように取り入れれば良いのかを紹介していきます。
コーヒーに含まれるカフェインが脳の活動を高める
コーヒーには、カフェインという物質が含まれていることはよく知られているかと思います。コーヒーがスポーツのパフォーマンスを高めてくれるのは、このカフェインのおかげなのです。
それでは、カフェインは一体どのようにしてパフォーマンスを高めてくれるのでしょうか。そのメカニズムとして、脳が挙げられます。
運動を行う際には、脳が筋肉に電気的な命令を送り、その命令を受けて筋肉が収縮します。この命令は、運動神経という神経を介して伝えられます。
筋肉が収縮する強さは、運動神経が、どれだけ強く、たくさん活性化されるかで決まります。運動単位が、強くたくさん活性化されればされるほど筋肉は、強く収縮することができ、パフォーマンスが高まります。
運動神経の活性化の状態は、脳の働きによって決まります。つまり、脳が強く活性化されると、運動神経も強く活性化され、筋肉も強く収縮することができます。
さて、パフォーマンスを高めると紹介したカフェインですが、カフェインには、脳にあるアデノシン受容体というものに作用して、脳の働きを活性化させるドーパミンなどの物質を放出させる働きがあります。
つまり、カフェインは、脳をより活性化させ、運動神経の活性化をより高めることで、パフォーマンスの向上に貢献するのです。この他に、カフェインは、アデノシンという物質が、脳のアデノシン受容体に結合するのを妨げるという働きもあり、これにより疲労軽減効果も発揮してくれます。
アデノシンは、運動を行うと作られる物質で、脳のアデノシン受容体と結合することで、脳の神経活動を弱めます。これにより運動神経の活性化状態は悪くなり、筋肉の収縮力は弱まります。
しかし、カフェインは、アデノシンが、アデノシン受容体に結合するのを邪魔するので、脳の神経活動の低下を抑え、パフォーマンスの低下を防いでくれるのです。
パフォーマンスを高めるためのカフェインの取り入れ方
コーヒーに含まれるカフェインは、脳の働きを高めることで、パフォーマンスの向上に貢献してくれます。そんなカフェインですが、どのように取り入れればいいのでしょうか。
まずは、カフェインの量についてです。パフォーマンスを高めるには、体重1kgあたりカフェインを3mg摂取することが推奨されています。体重60kgの方なら、カフェイン180mgとなります。カフェイン180mgと言われてもピンとこないと思います。この量は、コーヒーに換算すると、約2杯分になります。
エナジードリンクの中にもカフェインが含まれているものがあります。商品によって、カフェインの含有量は異なりますが、大体エナジードリンク2本でカフェイン150〜200mgを摂取することができます。カフェインを過剰に摂取しすぎると、睡眠障害に陥ることもあるので、これくらいの量を目安に摂取するようにしましょう。
次に、カフェインを摂取するタイミングです。カフェインには、スポーツのパフォーマンスを高めてくれる作用があります。カフェインは、摂取してから1時間後に血中の濃度がピークを迎えます。そのためパフォーマンス向上の効果を得たい場合は、試合の1時間前にカフェインを摂取するようにしましょう。
カフェインの摂取で気をつけなければいけないのが、副作用です。カフェインには血圧を上昇させる作用があるので、高血圧の方や妊婦の方はカフェインを控えた方がよいです。
トップアスリートもカフェインを摂取している
今回紹介してきたようにコーヒーに含まれるカフェインにはパフォーマンスを高める効果があります。このような効果は以前から知られていて、多くのアスリートがカフェインを取り入れてきました。
カフェインの摂取は、以前は禁止されていました。しかし2004年に世界アンチドーピング機構がカフェインを禁止薬物から除外しました。つまり、カフェインを摂取してもドーピングとはみなされなくなりました。この後、カフェインはアスリートのパフォーマンスを高める物質として広まりました。
コーヒーでパフォーマンスを高めた選手として、競泳のエリザベル・ベイセル選手が有名です。ベイセル選手はロンドンオリンピックのレース前にカフェインを摂取し、自己ベストを2度も更新し、メダルも獲得するという結果になりました。
また、それ以降レース前のコーヒー摂取はルーティンの一部となっているそうです。コンマ数秒が勝敗を分ける競泳のレースでは、カフェインは大きな効果をもたらしてくれます。
競泳に限らず、カフェインは様々な競技で用いられています。その中でもボートや自転車といった、大きなパワーを発揮する競技が多いようです。
飲むだけでパフォーマンスを高めてくれるカフェイン。これまで以上にタイムを伸ばしたり、より力を発揮したいという方は是非取り入れてみてはいかがでしょうか。