筋肉痛が起こるのはどうして?栄養学的な予防法を解説!

筋肉痛が起こるのはどうして?栄養学的な予防法を解説! DO

筋肉痛が起こるのはどうして?栄養学的な予防法を解説!

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トレーニングをすると、筋肉痛になってしまって次の日のトレーニングがまともにできなくなってしまうなんてことがあるかもしれません。

筋肉痛でトレーニングができないと、その分練習の成果も出ずらくなってしまうので、筋肉痛にならないように対策を取っておきたいです。

筋肉痛にならないようにするにはマッサージなども有効ですが、栄養面でもアプローチできることがあります。

筋肉痛はどうして起こるのか、栄養面で筋肉痛を予防するにはどのようにすればいいのかを解説していきます。

筋肉痛が起こるメカニズム

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まずはどうして筋肉痛が起こるのかを紹介していきます。

筋肉痛は、炎症反応の一種です。激しいトレーニングを行うと筋肉が壊されていき、壊された筋肉を修復するために炎症反応が起こります。

エキセントリック収縮といって、筋肉が伸ばされながら力を発揮する収縮様式(スクワットのしゃがむ時の動作など)を行うと、筋肉に大きな負荷がかかります。

その負荷により筋肉が損傷を受け、それを修復するために炎症反応が起こります。

好中球や白血球などが損傷された部位に集まり、ロイコトリエンやプラジキニン、プロスタグランジンといった物質が放出されます。

実はこれらの物質が筋肉痛の原因となっています。これらの物質は神経を刺激したり筋肉の腫脹を引き起こし、筋肉痛の原因となっています。

筋肉痛の原因となっている物質を抑えることができると、筋肉痛も抑えることができます。

筋肉痛を抑える栄養素

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ロイコトリエンやプラジキニン、プロスタグランジンなどの物質は、ω6系脂肪酸という物質から作られています。脂質には様々な種類があり、ω6系脂肪酸はその一種です。

現代の食事はこのω6系脂肪酸がかなり過剰になってしまいます。なので、ω6系脂肪酸を減らすように意識してあげると、炎症反応を抑えることができます。

ω6系脂肪酸はサラダ油やお肉の白味などに多く含まれているので、こうした食品を極力避けることで筋肉痛の緩和につながります。

また、ω3系脂肪酸という、ω6系脂肪酸と似た構造の脂肪酸は、ω6系脂肪酸から炎症物質を作る反応を抑制することが知られています。

そのため、ω3系脂肪酸が多く含まれている食事を摂取することで、筋肉痛を抑えることに繋がります。

実際に、ω3系脂肪酸を30日寛摂取し、トレーニングを実施したところ、垂直跳び(運動パフォーマンス・力発揮の指標となる)の数値が改善されたという報告があります。

また、ω3系脂肪酸の摂取により、筋肉の痛みが軽減されたというデータも報告されています。

そのため、ω3系脂肪酸を意識的に摂取することで、筋肉痛の緩和に繋がります。

ω3系脂肪酸とω6系脂肪酸はバランスが大切で、1:3が理想的なバランスと言われています。現代の食事だと、ひどいと1:10くらいまでω6系脂肪酸にバランスが偏ってしまうので、ω6を少なく、ω3を多く、を意識するとバランスが整います。

どんな食事が有効?

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それでは筋肉痛を抑えるためにはどのような食事を意識すればよいのでしょうか?

まずはω6系脂肪酸を過剰に摂取している場合は、ω6系脂肪酸の摂取量を減らしたいです。

ナッツやお肉などは健康に良さそうな食品ですが、ω6系脂肪酸が多く含まれています。得に白味のお肉にはω6系脂肪酸が多く含まれているので避けておきたいです。

ω3系脂肪酸は、魚に多く含まれています。逆に魚以外にはほとんどω3系脂肪酸が含まれていないので、魚を食べる習慣をつけておくことが必要です。

激しい運動をした後にω3系脂肪酸を摂取すれば筋肉痛を抑えられる、というわけではありません。体内でω3とω6のバランスを整えておく必要があるので、即効性は期待できません。

そのため、普段から魚を食べる習慣を身につけておき、体内のω3、ω6のバランスを整えておくことが筋肉痛を抑える上で重要です。

目安として、最低でも週に4食は魚系のメニューを摂取しておきたいです。それより魚を食べる頻度が少ないと、ω6系脂肪酸が過剰になってしまいます。

サプリメントを使用するのも有効ですが、ω3系脂肪酸は食品からの摂取の方が効果的ということも言われています。なので、サプリメントに頼らずに食品からω3系脂肪酸を意識的に摂取しましょう。

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