U19クリケット日本代表、初のワールドカップ出場!!祝賀会ではプロ野球から転向の山本武白志が激励
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世界第3位の競技人口を誇るクリケット。もちろん日本にも代表チームがあります。今年6月に栃木県佐野市で開催されたワールドカップ東アジア太平洋予選。U19日本代表は無敗で優勝し、全世代を通して初のワールドカップ出場という快挙を成し遂げました。
U19日本代表は、今まで国際大会では1勝のみにとどまり、ワールドカップ予選への出場も2011年以来でした。
しかし近年、ジュニア選手育成やプレー環境の整備といった「クリケットブラスト」プログラムを実施し、チーム力の底上げを実現。見事、2020年1月から南アフリカで開催されるワールドカップへの切符を手に入れたのです。
一般社団法人日本クリケット協会は7月24日、U19日本代表のワールドカップ初出場を記念した祝賀会を都内で開催。世界での活躍が期待される若きプレイヤーや関係者らが集まり、世界で戦う決意を新たにしました。
今大会キャプテンを務め、大会最優秀選手賞とベストバッツマン賞を獲得したサーゲート真亜春(マーカス)選手は、「大会前から練習試合などを重ね、年単位で準備ができていた」とし、大会での活躍については、「いつもよりボールがよく見えた。自分の先を打つ選手が仕事をしてくれたおかげ」と話しました。
サーゲート真亜春(マーカス)選手
自身もオーストラリア人の父と日本人の母を持つマーカス選手は、このように抱負を語りました。
色んな血が入ったチームだけれど、しっかりコミュニケーションが取れている。特にオープニングボーラーとスピンボーラーが抑えられるようになった。最後まで粘り強く諦めない日本の“チームクリケット”を世界に見せつけたいです。
今後が期待される日本クリケット界
祝賀会には、U19選手と共に練習をしていた山本武白志選手が、激励に駆けつけ「何事も初めての快挙というのは誇りに思ってよいこと。今大会の優勝を自信にして頑張ってほしい」と、未来のチームメイトになる可能性を秘めた10代プレイヤーに声をかけました。
山本選手は、プロ野球の読売ジャイアンツなどで活躍し、千葉ロッテの監督も務めた山本功児氏を父に持つ元プロ野球選手。2016年から2018年まで、育成選手として横浜DeNAベイスターズに在籍し、2019年からクリケットへ転向しました。
現在は佐野市を拠点とし、オーストラリアでのプロチーム契約を目標として技術を磨いている21歳。こちらも日本クリケット界、期待の新星です。
山本武白志選手
イギリス発祥の球技、クリケット。発祥地であるイギリスのほか、インドやオーストラリアでは盛んに行われている人気スポーツです。世界10億人以上のファンを抱えるグローバルスポーツですが、日本ではまだまだマイナーなスポーツでしょう。
日本の競技人口は約3,500人(2017年)。クリケットとよく比較される野球の日本における競技人口は約730万人なので、その差は歴然です。
クリケットは、1チーム11人で試合を行います。投手が投げたボールを打者が打つのは野球と同じですが、打者はどこに向かって打ってもよいというのが大きな違い。また、ピッチの両端に設置されたウィケットと呼ばれる的が倒されるとアウト。規定投球数を投げ切るか、10アウトで攻守交代となります。
攻撃側はボールを打ち返すバッツマン・ストライカーと打撃をしないバッツマン・ノンストライカーの2名がピッチに入ります。
打撃後、ウィケットが倒される前に2人のバッツマンがお互いピッチの反対側まで走り、体の一部かバットがラインを超えると1点。往復すれば2点を獲得できます。プレーエリアの境界線をワンバウンド以上して越えると4点。ノーバウンドで越えた場合は6点が加算されます。
クリケットは野球と違い、得点を取るよりアウトを取る方が難しい球技です。さらに試合時間も長く、国際試合となると2イニング制、7時間のゲームを5日間行います。
また、ワールドカップに採用されている「ワンデイ・インターナショナル」形式は1イニング制、7時間でイニング規定投球数は300球。時間超過による引き分けはありません。当然、試合時間は長くなるので、試合を中断してランチやティータイムを設けるというのもクリケットの特徴です。
長時間にわたる集中力やチームワークが必要となるクリケット。古くから忍耐と大和魂を培ってきた日本人に、実はマッチする球技かも知れません。
まずは来年のワールドカップ、U19日本代表に期待しましょう。そして、マーカス選手らワールドカップ世代と山本選手のような期待の新戦力が融合し、世界を驚かせる日も近いのではないでしょうか。