いよいよ開幕 ラグビーW杯を楽しもう! 代表選手名鑑 最終回 「フルバック編」

いよいよ開幕 ラグビーW杯を楽しもう! 代表選手名鑑 最終回 「フルバック編」 WATCH

いよいよ開幕 ラグビーW杯を楽しもう! 代表選手名鑑 最終回 「フルバック編」

スポーティ

9月20日W杯開幕を控え、ついに8月29日に31人の登録メンバーが発表されました!!!

サプライズ選出もありました。涙を飲んだ選手もいます。選ばれたプレイヤーには、漏れた方の分まで存分に楽しんで頂きたいものです。

盛り上がって参りましたが、もう始まるのかと思うと、逆に終わりが見え、一抹の寂しさも感じてしまうのは筆者だけでしょうか。 

この機会にラグビーを見てみようという初心者の方にも分かりやすいよう日本代表“候補”選手をポジション別にご紹介して来た本企画もいよいよ最終回。最終回は、守備の要であり、攻撃の秘密兵器でもある「フルバック」です。


第1弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「プロップ編」
第2弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「フッカー編」
第3弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「ロック編」
第4弾 >> ラグビーW杯を楽しむ「フランカー編」
第5弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「ナンバーエイト」
第6弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「スクラムハーフ編」
第7弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「スタンドオフ編」
第8弾 >>ラグビーW杯を楽しむ「センター編」
第9弾 >> ラグビーW杯を楽しむ「ウイング編」

メイン写真 photo by Phil_Heck

最後の砦!背番号15番 「フルバック」

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前回2015年のW杯でお馴染みとなったのが、お祈りポーズの五郎丸歩選手(上写真)。このポーズのことは知っていても、彼がどのポジションだったか知らない方も多いのではないでしょうか。

実は五郎丸選手のポジションが、今回ご紹介する背番号15番のフルバック。

最終回になって言うのもなんですが、プロ野球とは違い、ラグビーはポジションで背番号が決まっています。スクラムハーフは9番、フルバックは15番といった具合です。世界各国どこへ行ってもそうですので、W杯に出場する全チーム、15番といえばフルバックです。

その名の通り1番後ろを守るのが役目で、最も重要な仕事はキック処理です。敵が蹴り込んで来たボールをキャッチし、大きく蹴り返して陣地を取らせないようにするのがその役割。なので敵に負けないロングキックを蹴る能力が求められます。

ポジション名からして守備の人という印象を持ちますが、実は攻撃でも非常に重要な役割を持っています。それがカウンターアタックです。敵が蹴って来たボールを蹴り返すのが基本ですが、疲れが出る時間帯になると、「どうせ蹴り返して来るだろう」と、敵がプレッシャーをかけて来ない、つまりボールを追って前に出て来ない瞬間があります。

そんな一瞬の隙を見つけるや否や、一気にランで駆け上がるのがカウンターアタック。蹴って来ると思っていたのに、突然走って来るので敵は大慌て。一気にトライまで持って行くケースもあります。守備面では最後の砦、攻撃ではジョーカーのような役割を果たす攻守の要なのです。

では早速、フルバック注目の2名の選手を見ていきましょう。

4年間で攻守のエースに成長! 松島幸太朗選手

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前回のW杯では不動のフルバックだった五郎丸選手の後を継ぐのが、今や世界の注目株ともいえる松島幸太郎選手。ラグビー日本代表には、外国出身選手も多いですが、彼はれっきとしたジャパニーズ。

日本人の母とジンバブエ人の父の間に生まれた彼は、2歳まで南アで過ごした後、日本に転居。途中1年間は南アに戻るも、それ以外はずっと日本在住です。

20才のときには、なんと南アフリカのU20代表候補に名を連ねた才能の持ち主ながら、「日本代表になって強いチームを倒したい」とその座を辞退した強者。カッコイイですよね。まさに日の丸を背負って戦うニッポンの侍です。

そんな彼のトレードマークが独特の髪型。横はガッツリ刈上げ、上はこんもりのツーブロック。カウンターが得意な超攻撃的フルバックの彼がグランドを駆け上がったら、ラッパーのような髪型にも注目して下さい。

今大会、彼の活躍で日本が予選リーグを突破すれば、来年からは恐らく外国のクラブとビッグな契約を勝ち取ると思われる、それほど高い能力の持ち主です。

3度目の正直なるか!?山中亮平選手

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2011年、2015年と代表候補に入りながら涙を飲んだ31才の男が、今回3度目のチャンスでついにW杯の切符を勝ち取りました。ワールドクラスのサイズが魅力の山中亮平選手です。

2010年、大学生の時に日本代表に選ばれ若きエースと期待されながらも、2011年W杯のメンバーに選ばれなかったのには訳があります。ヒゲのドーピング問題です。ラグビー選手は、髭を生やしている人が多いのですが、彼も髭を濃くしようと育毛剤を使っていました。

しかし、その成分がドーピングにひっかかり23才から2年間出場停止になってしまったのです。男性ホルモンが入っているので当然です。若気の至りでした。

2013年に復帰するやエディージョーンズ前監督の目に留まり、再度代表候補に選出されます。ですが2年間のブランクが響き、2015年W杯も最終選考で漏れてしまいました。

スタンドオフからフルバックにポジション変更した今回、年齢的に最後のチャンスと臨んだチャレンジで、ついにその座を射止めたのです。

謹慎期間中の彼を支えたのが、今は亡きミスターラグビー故平尾誠二氏。「我慢せえよ。俺がなんとかしたる」と常に励ましてくれたそうです。天国の平尾さんのためにも8年越しの想いをフィールドで存分に表現して欲しいものです。

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