持久力を高めるにはどんな栄養素が必要?
DO持久力を高めるにはどんな栄養素が必要?
スポーツを行っていると、最後まで走れるようになりたい、もっと持久力をつけたいと感じる場面があるのではないでしょうか。
持久力を伸ばすためにランニングなどのトレーニングを行っている人も多いはず。
持久力はトレーニングも影響していますが、実は栄養面も関係しており、しっかり栄養素を摂取することで持久力を高めることができます。
それでは持久力を高めるためにどのような栄養素を摂取すれば良いのでしょうか。
持久力に関わる栄養素① 糖質
持久力を高めるために必須なのが糖質です。糖質は身体を動かすためのエネルギー源になる栄養素です。車でいうとガソリンに当たるのが糖質です。
特に試合前はグリコーゲンローディングと言って、普段よりも糖質の摂取量を増やして、体の中にグリコーゲンと呼ばれるエネルギー源を多く蓄えて試合に臨むという食事法を取り入れる選手もいます。
マラソンなど長時間身体を動かし続けたり、サッカーのように試合時間が長い競技では、特に積極的に補ってあげたい栄養素です。
1日のエネルギー摂取量を計算し、そのうちエネルギー比で60%以上は糖質を摂取しておきたいです。
例えばしっかり運動をしている成人男性(1日3,000kcal消費)の場合、白米のみで換算すると約3.5合分の糖質が必要という計算になります。
持久力に関わる栄養素② ビタミンB群
糖質をエネルギーに変える際、糖質は細胞の中にあるミトコンドリアというエネルギー工場に運ばれます。
この工場の中には運ばれてきた糖質をエネルギーに変えてくれる従業員が働いています。その従業員がビタミンB群です。
つまりビタミンB群は糖質をエネルギーに変換する役割を担っているので、不足すると糖質を摂取していたとしてもエネルギーが作られません。
特にビタミンB群は運動中に消費されていくので、運動前後や運動中に意識的に摂取しておきたい栄養素です。
ビタミンB群は肉類や魚類に多く含まれています。普段はこうした食品からビタミンB群を摂取していきましょう。
運動前後や運動中にもビタミンB群を摂取できると持久力を上げることに繋がりますが、運動前にお肉などを食べると消化されない状態で運動することになるので、かえってパフォーマンスが低下してしまいます。運動中もやはりお肉からビタミンB群を摂取するのは望ましくありません。
運動前後や運動中は消化に負担をかけずにビタミンB群を摂取できるとよいので、この場合私はサプリメントの活用を推奨しています。
状況に応じて食品とサプリメントを使い分けられると、より持久力を上げることができます。
持久力に関わる栄養素③ 鉄分
鉄分は赤血球の中のヘモグロビンを構成する栄養素で、酸素と結合することで、酸素の運搬に関わっている栄養素です。
また鉄分はミトコンドリアでのエネルギー産生の補酵素としても必要です。つまり、鉄分はエネルギーを作るという過程に直接的に関わっているのです。
こうしたことから鉄分が不足すると持久力に大きく影響してしまいます。
鉄分の多い食材としてレバーが挙げられますが、レバーはかなり鉄分やビタミンAが含まれていて、食べすぎると過剰摂取になります。大体週に1回50g程度を目安に食べるのが良いです。
小松菜やほうれん草、赤身のお肉、お魚にも鉄分が含まれているので、これらを積極的に食べたいです。
また腸内環境や炎症状態も大切です。腸内環境が悪化していたり、体内で炎症が起こっていたりすると、鉄分の吸収が低下してしまいます。
そのため、まずは腸内環境などを整えた上で鉄分を補給するということが大切です。
持久力に関わる栄養素④ 抗酸化物質
筋肉は、筋小胞体という部分からカルシウムイオンが放出されることで筋収縮のスイッチがオンになり、筋肉が収縮します。そしてカルシウムイオンが筋小胞体に取り込まれることで、筋肉が弛緩します。
しかし激しい運動を行うと体内で活性酸素が作られてしまい、筋小胞体の機能が低下してしまい、筋肉の収縮弛緩がうまく行えなくなります。
全力で走っているとどんどん足が重くなっていきスピードを出せなくなりますが、これは活性酸素により筋小胞体の機能が低下してしまっていることが原因として挙げられます。
そこで摂取したいのが、活性酸素の働きを抑える抗酸化物質です。抗酸化物質にはビタミンA,C,Eのように聞き馴染みのある栄養素もあれば、アスタキサンチンやα-リポ酸など普段聞かないような栄養素もあります。
これらは抗酸化ネットワークと言って、相互に助け合いながら働いているので、全ての抗酸化物質をバランスよく摂取することで活性酸素を除去する働きを最大化できます。
ただし食品から抗酸化物質を補うのは難しいので、サプリメントからの摂取を推奨しております。
食べ物で補えるものは食品から、補いきれないものはサプリメントも活用しながら、持久力をしっかり高めてパフォーマンスの向上に役立て、長くスポーツを楽しんでください。