アメリカサッカーが変わる?! ニューヨークシティFCってこんなクラブ
WATCHアメリカサッカーが変わる?! ニューヨークシティFCってこんなクラブ
スポーツ大国アメリカで年々その存在感を強めている、メジャーリーグサッカー(以下 MLS)。2015年に参入を予定している新しいクラブが今、英米のサッカーファンの注目を集めています。その名も「ニューヨークシティFC」(以下 NYCFC)。
チームを創設したのは、プレミアリーグで年々存在感を高めるマンチェスター・シティと、田中将大投手の移籍が決まったメジャーリーグの名門ニューヨーク・ヤンキース。サッカーと野球のビッグチームがタッグを組み、アメリカのサッカー界を大きく変えようとしているのです。
アメリカ人監督が「マンチェスター留学」へ
このチームの初代監督となるのは、41歳のジェイソン・クレイス。アメリカ人の彼はMLSで選手として活躍、07年に引退した後はMLSレアル・ソルトレイクの監督に就任。09年にはリーグ優勝を勝ち取るなどの実績を残し、2013年シーズンまで監督を務めました。
参入前の準備期間となる今年、クレイスは家族とともに数ヶ月イングランドに移住し、マンチェスター・シティでコーチングやトレーニングなどのメソッドを勉強することになっています。
マンチェスター・シティにはフットボールディレクターのチキ・ベギリスタイン(過去には浦和レッズでもプレー)など元バルセロナのスタッフが多く、シティ経由でバルサ流サッカーをニューヨークに持ち込んでくるのでは、と言われています。欧州サッカーの現場を学ぶことで、新クラブの監督としてのみならずアメリカサッカーの進化を推し進める役目も期待されているのです。
#NYCFC introduce @JasonKreis as first Head Coach in club history: http://t.co/xPGJgaAoDz pic.twitter.com/3WaHjg7Kvy
— New York City FC (@NYCFC) 2014, 1月 10
NYCFC公式Twitterより。ベギリスタイン(左端)などマンチェスター・シティのスタッフと写真に収まるクレイス(左から2人目)
ヤンキースタジアムでサッカー?! 新スタジアムはブロンクスが有力
ニューヨークとなると気になるのはホームスタジアム。報道では28,000人収容のスタジアムが2018年または2019年に完成予定、建設予定地はブロンクス地区が有力とされています。現在MLSでプレーするニューヨーク・レッドブルズと比較すると、NYCFCはよりニューヨーク市街地に近いスタジアムでの観戦が出来るでしょう。ヤンキースとメッツの“サブウェイシリーズ”のようなライバル対決も盛り上がるはずです。
また参入初年度から新スタジアム完成までは、なんとニューヨーク・ヤンキースの本拠地ヤンキー・スタジアムの使用が有力です。クラブ幹部のフェラン・ソリアーノ氏が「地域のコミュニティに受け入れられ、望まれることが必要である」と語るとおり、強引に新しいスタジアムの建設を進めるのではなく、地元ファン・住民に支持を得ながら慎重に進めていこうという思惑が見えます。
SNSや「ウワサ」で欧州サッカーファンにアプローチ
世界的なMLS人気向上の火付け役として注目されているこのチーム、世界中のファンに向けてソーシャルメディア上での話題作りにも余念がありません。
コンパニやアグエロなど、マンチェスター・シティの主力達がニューヨークの街中でプレーするこのティザー動画。投稿を「いいね!」や「RT」をしたファンの中から、参入初戦の試合チケットを抽選でプレゼントするというキャンペーンが実施されました。当選者の中にはマンチェスター在住のサッカーファンも。
クラブの公式サイトでは、NYCFCに関する英米両国での「ウワサ」を掲載。メディアで報じられたエトー、シャビ、イブラヒモビッチといった世界的な名プレーヤー達の名前をあえて登場させ、クラブの公式Facebookでも堂々とシェア。多くのファンの目を向けさせるための試みは、これからますます増えていくことでしょう。はたしてアメリカのサッカー熱が高まるのか、今から要チェックです!