今ロードレースがアツい!初心者でも楽しめる自転車界のルールと豆知識

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今ロードレースがアツい!初心者でも楽しめる自転車界のルールと豆知識

スポーティ

最近、漫画『弱虫ペダル』効果もあってロードバイクブームはさらに盛り上がりを見せ、メディアでもサイクルロードレースの話題が取り上げられるようになりました。

スポーツ専門チャンネル【J SPORTS】では、今まさに佳境を迎えたスペインで行われているレース【ブエルタ・ア・エスパーニャ】の熱戦の様子を全21ステージを生中継するなど、ロードバイクに対する熱い視線がとどまることを知りません。

そこで今回は、レースの見方がわかる基礎知識から、レースがさらに楽しくなる豆知識まで、ポイントに分けてご紹介いたします。

1:サイクルロードレースの基礎知識

◆グランツールとは
サイクルロードレースは、大きく分けて【ステージレース】と【ワンデー(クラシック)レース】とがあります。ワンデーレースは1日で優勝を決めますが、 ステージレースは数日にわたって開催され、各ステージ(その日ごと)の1位と、全日程の中で一番合計タイムが早かった人が獲得できる総合1位を争います。

Photo by Yuzuru SUNADA

Photo by Yuzuru SUNADA

グランツールはステージレースの最高峰、イタリアの【ジロ・デ・イタリア】、フランスの【ツール・ド・フランス】、スペインの【ブエルタ・ア・エスパーニャ】 の3つのレースのことを指し、3週間にわたって開催される、かなり過酷なレースです。

それぞれ毎年コースが変わり、数キロのタイムトライアルから、200キロを超えるコース、標高2,000メートルを駆け上る山岳コースなど、週1日の休み以外はそれらを連日走り続けるという、想像を絶する競技です。
このグランツール全てを国内で見られるのはJ SPORTSだけ!ぜひ詳しい放送予定WEBサイトでチェックしてみてください。

J SPORTS公式ウェブサイト:http://www.jsports.co.jp/cycle/

◆リーダージャージの色と意味
サイクルロードレースでは、優勝を果たした人や、各レース(ステージ)に設定されている、きつい上り坂を一番先に通過した人などの栄冠をたたえ、ジャージがプレゼントされます。

グランツールではジャージは4色あり、それぞれ意味があります。
1.トップリーダージャージ:各ステージのゴールタイムを加算して、もっとも所用時間の短い選手に贈られる、トップ選手であることの証のジャージです。

2.山岳ポイントジャージ:山岳があるステージで、山岳の頂上にあるポイントを通過した順位を加算し、より点数が高い選手に贈られます。

3.スプリントポイントジャージ:各ステージのゴールの順位と、コースの中間に設定されたスプリントポイントと言われる箇所の通過順位を加算し、最もポイントの高い選手に贈られます。

4.新人賞ジャージ:25歳以下の若手の選手でゴールまでの所要時間の累積が最も短い選手に贈られます。

5.複合賞ジャージ:ブエルタ・ア・エスパーニャにのみ設定されており、総合順位+ポイント賞順位+山岳賞順位を総計し、最も優秀な選手に贈られます。

今年のマイヨ・ジョーヌはクリス・フルーム(チーム・スカイ)

今年のマイヨ・ジョーヌはクリス・フルーム(チーム・スカイ) Photo by Yuzuru SUNADA

各グランツールで、以下のようにジャージの呼び名と色が決まっています。

【画像4】ジャージの色と意味

わかりづらいですが、各ステージ、このジャージを着ている人がその段階でのそれぞれのカテゴリーでのトップ選手を意味します。

そのステージでジャージを着ることを守りきれるか、それとも他の選手にリーダーの座を明け渡してしまうのかも見どころのひとつです。

2:重要なのはエースが勝利すること、そしてチームが好成績を重ねること

◆選手それぞれに与えられた役割
ロードレースは、基本9人1チームで構成されており、各選手それぞれ役割を持っています。

チームのエースと呼ばれる人は、もちろん好タイムでゴールすることを目指し、山岳に強い選手、スプリント勝負に強い選手はそれぞれのポイントを獲得をめざします。それがチーム全体の順位を上げることにつながります。

そして重要なのはエースアシスタントと言われ、その名の通りチームのエースが1位でゴールを目指すため、ペースメーカーなどのアシストをする大切なポジションです。

その選手はポイント勝負に絡むことも、ゴール手前のダッシュに絡むことも基本的には無く、ひたすらエースを助けるために走り続ける、裏方的存在と言えますが、チームに無くてはならず、またそれだけの実力がないとできない仕事です。

リーダージャージを着たエースのペースが落ちないように走り続けるアシストの選手

リーダージャージを着たエースのペースが落ちないように走り続けるアシストの選手 Photo by Yuzuru SUNADA

ゴールの喜びを爆発させるエース選手。これもアシスト選手がいるからこそ

ゴールの喜びを爆発させるエース選手。これもアシスト選手がいるからこそ Photo by Yuzuru SUNADA

◆”逃げ”と呼ばれる選手の役割
レースの展開なかで注目なのは ”逃げ” (エスケープ)と呼ばれる選手たちです。

序盤からいきなり飛ばし、ライバル勢たちを引き離して走り続けるため ”逃げ” と呼ばれます。
この選手たちは「このまま逃げ続けてゴールまでぶっちぎってやる。」という想いで走っているのではなく、実は自己アピールが最大の目的です。

まだエースではない選手や有力チームに所属していない選手は、後方を走る有力選手に追いつかれずに走り続けることで、次期エースとして監督にアピールしたり、他の有力チームからスカウトが来るのを狙ったりします。

その他、チームスポンサーをアピールするために飛び出すこともあります。ジャージに刻まれたスポンサーの名前をより長い時間カメラに撮ってもらうために走るのです。そこはやはりプロといったところでしょうか。レース中もスポンサーへのアピールも忘れてはいません。

逃げている選手たちの後方に、有力選手の集団が迫る

逃げている選手たちの後方に、有力選手の集団が迫る Photo by Yuzuru SUNADA

もちろん、そのまま逃げ切って1位を勝ち取ることができれば、最大の自己アピールにつながり、結果的にチームの成績に貢献しできるので、心のなかでは「あわよくば」と考えている選手もいるかもしれません。

しかし、サイクルロードレースはチームプレーが重要なので、勝手に飛び出して、チームの輪を乱すようなことをしてしまうことはしません。

必ず、レース前のミーティングで監督への指示を仰いでから ”逃げ” に臨むのです。

見事逃げ切りゴールを決め、ステージ優勝を果たした選手

見事逃げ切りゴールを決め、ステージ優勝を果たした選手 Photo by Yuzuru SUNADA

◆レース中の嫌がらせ
各チームは、エースを勝たせるために、他のチームに様々な嫌がらせや作戦を練って臨みます。

嫌がらせといっても、スポーツマンシップに則った頭脳プレーです。

一番わかりやすいのは ”インターバルの刑” 。

上り坂など、体力を消費するシーンでは、集団の一番先頭を走るチームが主導権を握ります。あえてスピードを落としたり、いきなりスピードを速めたり、後方を走る選手たちに対してダメージを与える走り方をしてライバル勢をふるい落としていきます。

そして、ライバルチームがしんどい思いをしているすきにエースを前方に走らせ、一気にゴールへ向かい作戦をとります。

このように、コースごとにいろいろな作戦を立て、集団の中でもどの位置で走るかにより優位になるチームと不利になるチームが現れます。それがわかってくると、レースのワンシーンがより一層楽しめるでしょう。

きつい上り坂でペースを崩されると大変です

きつい上り坂でペースを崩されると大変です Photo by Yuzuru SUNADA

3:おまけの知識

◆チームの車につかまりながら走る選手がいる
レースを観戦していると、驚くことがたくさんあります。
そのなかでも、数多くの疑問が寄せられるのが ”チームの車につかまりながら走っている” 場面です。

つかまりながら走る選手

つかまりながら走る選手 Photo by Yuzuru SUNADA

これは、実際のところ、 ”ダメ” です。

去年のツール・ド・フランスで華々しい総合優勝を飾ったヴィンツェンツォ・ニーバリ選手が
今年、ブエルタの第2ステージでこの行為によって失格となっています。

しかし、パンクや落車で集団から遅れてしまって、「早く追いつかなければ。」なんて時は、監督を話すフリや自転車を修理しているフリをして数秒程度、つかまっているのは黙認されています。
ですが、優勝に絡むような選手がそれをあからさまにやってしまった場合はアウトの可能性も。

あくまでも、重要なアシストの選手がエースやチームを引っ張るために集団に追いつくためというときのみ、許される(むしろ、バレなければOK?)ときもあるというだけなのです。

◆レース中はご飯も用を足すのも、基本自転車の上
レースは長い場合、7時間以上も走り続けています。

もちろんお腹も空くし、生理現象も催します。ロードバイクの選手は、すべて自転車の上で行います。

コース中盤にご飯が入ったショルダーバッグ(サコッシュ)を渡され、自転車をこぎながらもぐもぐ。
また、レアシーンですがジャージを少し下げて自転車の上で用を足す選手済もいます。

走る以外のことに、時間を取られている場合ではない!ということです。

バナナを頬張る選手

バナナを頬張る選手 Photo by Yuzuru SUNADA

◆日本人選手の活躍に期待!
世界で戦っている日本人選手もたくさんいます。

中でも注目なのは、新城幸也(あらしろゆきや)選手と別府史之(べっぷふみゆき)選手、そして若手の石橋学(いしばしまなぶ)選手です。彼らの活躍にも注目です。

新城幸也選手

新城幸也選手 Photo by Yuzuru SUNADA

別府史之選手

別府史之選手 Photo by Yuzuru SUNADA

石橋学選手

石橋学選手 Photo by Yuzuru SUNADA

10月24日【2015ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム】が開催されます!

今年も、世界最高峰のサイクルロードレース【ツール・ド・フランス】の名を冠した自転車競技イベントがさいたま市で開催されます。

ツール・ド・フランスの本大会で大活躍したスター選手も来日し、さいたま新都心の特設コースで熱戦を繰り広げる、日本で最も熱いサイクルロードレースです。

【画像15】saitama_criterium

Photo by Yuzuru SUNADA

Photo by Yuzuru SUNADA

本大会もJ SPORTSで放送されます。放送予定はWEBサイトからチェック!

J SPORTS公式ウェブサイト:http://www.jsports.co.jp/cycle/japan/

今後もさらに熱くなるサイクルロードレースから、ますます目が離せません。

現在放送中のブエルタ・ア・エスパーニャの放送スケジュールや、レースのリアルタイムな情報、その他、各種サイクルロードレースの情報を知りたい方は、J SPORTSウェブサイトまで。

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