激突!マンチェスター・ダービー直前・ペップ&モウリーニョのイカす発言録

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激突!マンチェスター・ダービー直前・ペップ&モウリーニョのイカす発言録

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両者3連勝で迎える熱狂のマンチェスター・ダービー!

開幕から3連勝は、彼らとチェルシーのみ。プレミアリーグ最多の9ゴールを決めてトップに立つ「攻めのペップ」に対して、リーグ最少の1失点で3位につけた「守りのモウリーニョ」。
就任会見で、「私が望むのは、サポーターがサッカーを楽しんで、チームを誇りに思ってくれること。タイトルを得られても彼らが誇りに感じてくれなければ意味はない」と、美しくエキサイティングなサッカーを約束したマンチェスター・シティのグアルディオラ監督に対して、マンチェスター・ユナイテッドに来てから初めてインタビューを受けたモウリーニョ監督は、「私はアグレッシブな人間だ。だからわれわれは勝ちたいという。すべて勝つことはできないかもしれないが、それをめざしているという」。対照的な両指揮官ですが、ここまではそれぞれ宣言通りの道を歩いているようにみえます。

全勝対決、戦い方のコントラスト。9月10日にオールド・トラフォードで開催されるマンチェスター・ダービーが盛り上がるための舞台装置は整いました。

この記事では、それぞれの新監督が就任から直接対決までに語ってきたことを紹介。ダービーを味わい尽くすための調味料にしていただければという趣向です。

Old Trafford Stadium, inside
過去5年のオールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッドは1勝1分3敗と分が悪い(PHOTO by Andre Zahn)

選手に求めるものも好対照のペップとジョゼ

「私のアプローチは特殊だ。だから、それに対応できるスペシャリストがほしい。マルチな機能を持つ選手は、負傷者が出れば重宝するし、必要ではある。しかし、私が求めているのはスペシャリストなんだ」(ジョゼ・モウリーニョ)


「フェルナンジーニョは10のポジションをこなすだろう。彼はどこでもプレイできる。速くてクレバーで、アグレッシブでもありハイボールの競り合いも強い。私はMFをCBでプレイさせるのが好きだ。彼らはいいパスを出してくれる」(ペップ・グアルディオラ)


選手の役割を固め、スペシャリティを発揮することを要求するモウリーニョ監督と、ひとりの選手がさまざまなポジションでプレイできるように仕向け、試合中にめまぐるしくフォーメーションや戦い方を変えるグアルディオラ監督。
マンチェスター・ユナイテッドの主将ルーニーは「彼のチームに勝つのはいつでも難しかった。戦術的に統率されていた」とボスをリスペクトし、マンチェスター・シティのMFデルフは「彼が実現しようとしているシステムは、想像もしていなかったものだ。この3週間で学んだことは、今まで得てきたものを既に上回っている」と、ペップの自在ぶりに驚いていました。

モウリーニョ監督は開幕からの3試合、バレンシア、バイリー、ブリント、ルーク・ショーという最終ラインを変えず、レギュラーメンバーを固定して熟成を図っています。一方のグアルディオラ監督は、既にDFを6人起用し、コラロフのCB起用やダヴィド・シルヴァのセントラルMFなどを試しながらチームを構築。選手に求めるものや起用法、チームづくりのアプローチも両者の違いが浮き彫りになっています。

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1年めから優勝するのが目標と明言するモウリーニョ監督(PHOTO by Aleksandr Osipov)

「2年間マンツーマンだったチームが、すぐに変わるのは難しい。今までは、CBが15〜20メートル下がるような状況でも相手を追わなければいけなかった。それを間違っているとはいわないが、私の方法論とは違う。選手には、ゾーンで守れといっている。相手を深追いせず、コンパクトな状態をキープする。しかし、2年続けてきたものを変えるには時間が必要だ」(ジョゼ・モウリーニョ)


「想像していたよりよかった。私は楽観的だ。いいところが数多くあった。こんなに早くそういうプレイを見られるとは思っていなかった」(ペップ・グアルディオラ)

めざすチームにより近づいているのは、マンチェスター・シティの指揮官のようです。

どちらが勝つか?ダービーをシミュレーション

今回のマンチェスター・ダービーは、どんな試合になるでしょうか。
マンチェスター・シティは、エースのアグエロがウェストハム戦のひじ打ちを咎められ、出場停止になる可能性が高く、最前線にはイヘアナチョかスターリングが起用されそうです。前半は高い位置からプレッシングを始め、相手に自由にパスをまわされないようにしながら、リードを奪うと自陣に引いて呼び込み、相手の最終ラインの背後を突くカウンターを繰り出すのがここまでの戦術。フェルナンジーニョが中盤の底を守り、ダヴィド・シルヴァとデブライネがサイドのノリートとスターリング(あるいはヘスス・ナバス)を走らせる攻撃は迫力があります。
ホームのマンチェスター・ユナイテッドは、腰を痛めたフェライニが間に合えば、イブラヒモヴィッチ、マルシアル、ルーニー、マタ、ポグバを揃えた今までと同じ顔ぶれでくるはずです。

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新加入のイブラヒモヴィッチは、開幕3戦3ゴールと絶好調(PHOTO by Doha Stadium Plus Qatar)

マンチェスター・ユナイテッドが勝つなら、早い時間に先制してセーフティリードを築くか、堅い守備で相手の攻撃を封じて終盤まで0-0に持ち込みたいところです。ペップのチームにリードを許すと、カウンターに対する守備が機能していないホームチームは逆襲を喰らいそうです。守備がうまいわけではないマタと、本職ではないSBバレンシアが縦に並ぶ右サイドを、ダヴィド・シルヴァとノリートに執拗に突かれたら無傷では済まないのではないでしょうか。

チームの完成度ではマンチェスター・シティに分がありそうですが、マンチェスター・ユナイテッドには、オールド・トラフォードの歓声とイブラヒモヴィッチやポグバという飛び道具があります。昨シーズンのダービーは、オールド・トラフォードではスコアレスドロー、エティハドでは0-1でマンチェスター・ユナイテッド勝利。2試合で唯一のゴールを決めたのは、18歳のマーカス・ラシュフォードでした。

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ラシュフォードは、今季初出場のハル・シティ戦でいきなり決勝ゴールをゲット

「まだマンチェスター・ユナイテッドをチェックしていないんだ。試合まで10日あるからね。オールド・トラフォードで勝つには最高のプレイが必要だ」(ペップ・グアルディオラ)


「ラシュフォードが先発かベンチかはわからない。試合までの2週間で分析をしなければならない」(ジョゼ・モウリーニョ)

注目の試合は、日本時間の9月10日20時30分キックオフです。

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