【矢原里夏インタビュー】世界一過酷と言われるサハラマラソンへの挑戦
DO【矢原里夏インタビュー】世界一過酷と言われるサハラマラソンへの挑戦
世界一過酷と言われるサハラマラソンに今年、モデルの矢原里夏さんが挑戦します。
学生時代からハンドボールに打ち込んだ矢原さんは、雑誌の企画がきっかけで、現在東京マラソンや名古屋ウィメンズマラソンなど、フルマラソンを6回達成しています。なぜ今回大会への参加を決めたのか、大会に向けての意気込みなどを伺ってきました。
トップ画像 Photo by 須田卓馬
7日間のサバイバルレース、サハラマラソン
サハラマラソンとは、約250kmの距離を、7日間かけて走る(歩く)というもの。衣・食・住の全てをランナー自ら調達しなければならないため、荷物には寝袋、食料は必須です。リュックの重さは6.5~15㎏までと決められており、軽めの食料を選ぶのはもちろんですが、健康状態、気候状態、体重など様々な条件を考えて装備を選ぶ必要があります。
今年は世界各国から約1300人ものランナーが参加し、日本人は50人ほど。今年は例年に比べ多くの日本人ランナーが参加するようです。
コースは6ステージあり、砂丘、岩場、干上がった川など様々で、各ステージごとに決められた制限時間をクリアしなれば脱落となってしまいます。
そして何より砂漠といえば、気温の変化が激しいことが最大の問題点です。昼間は場合によっては50℃まで気温が上がるにも関わらず、夜は6~10℃まで下がることも。体温調節をうまく行えるかも重要になってきます。
友人からの「久しぶり、元気?」の連絡から始まった。
世界一過酷と言われているマラソンに出ようと思ったきっかけはなんですか
最初のきっかけは、「サハラマラソンに出ない?」という、突然きた友人からの連絡でした。もともとサハラマラソンについては知っていたのですが、まさか自分が出るなんて想像もしていませんでした。でも連絡をもらった時、面白そうだなと気持ちが揺らいじゃったんですよ。
ただ、この大会は死者も出ているしさすがに怖いなと思って、一度は出場を考え直しました。
そんな恐怖心から参加を決意した思いはなんだったのですか
今まで、4月に何をしていたか思い返してみたんです。そうしたら特にパッと思い浮かぶものがなく、私はパッと思い浮かばない4月を32年間も過ごしてきたんだなと。それなら、今年はインパクトのある4月にしてもいいんじゃないかと思って。私は人生ネタ作りがモットーなので(笑)
毎日重りを付けてのトレーニング
サハラマラソンに向けてのトレーニングはしていますか
昨年の10月から、まず走ることから始めました。20㎞走れるようになってから7kgの重りをリュックに入れて走ったんですけど、めちゃくちゃ重くてすぐに膝が痛くなりました。これじゃダメだ、筋トレをしなきゃダメだと思いました。足を怪我して走れなくなった時があったので、その時はひたすらスクワットをしてました。最近やっと重りを背負って走れるようになりました。今日も15kgの重りを入れたリュックを背負ってきたんですよ。
この間は、サハラレースの練習会に呼んでもらって、鎌倉から江ノ島まで22kmの砂浜を往復してきました。その時は17kgの重りを背負っていたんですけど、足が取られて前に進まなかったです。体は元気なのに前に進めないんですよ。その元気な力を前に進む力に変えたいのに…。その時は4時間近くかかってしまって、本番に向けては砂の練習をしていかないといけないですね。
やるならとことんバカなことをしたい
食料は何を持って行こうと考えていますか
軽くてカロリーがとれるものが必要になるので色々健康食品とかも見ていたんですけど、テフと言うスーパーフードがあって、栄養価も高くてスープなどの液体に入れると膨らんでリゾットにもなるらしいんですよ。なのでカップラーメンを食べた後のスープに入れて食べようかなと思っています。一度で二度おいしい、みたいな。
装備品の準備は進んでいますか
まだ色々調べているところですが、なにしろ特殊なので迷っています。
テントなどは無く、地面に直接寝ることになるので、寝袋の下に敷くエアマットが必須だったりします。あとは寝袋ですね。砂嵐がすごいので、顔までかぶるタイプの寝袋が必要です。でも、砂嵐見てみたいですよね。楽しみです(笑)
完走よりも生環
大会に向けての目標はなんですか
生還ですね。とにかく生きて帰ることです。タイムは特に気にしないで、いろいろな記録、写真とか、映像とかを残したいです。ただの砂漠写真じゃないですからね、サハラマラソンに出ている人の写真なので貴重ですよ(笑)
世界一過酷なマラソンを、世界一楽しみます!
Photo by 須田卓馬