個人で行けるパナスタVIPルームへ スポーツもエンターテインメントの時代に
WATCH個人で行けるパナスタVIPルームへ スポーツもエンターテインメントの時代に
近年、スポーツイベントのエンターテインメント化が進んでいます。音響や映像を使った演出が、これまで存在感を放ってきましたが、いまやVIPルームを使ったおもてなしの試みも行われています。その先端を走るのが、サッカーJ1・ガンバ大阪の本拠地であるパナソニックスタジアム(大阪府吹田市)です。
サッカースタジアムが、社交の場として利用されている欧州の事例を参考に、いくつかの種類のVIPルームを備え、グレードに合わせた価格帯の部屋を用意しています。前回は、法人専用VIPルームを紹介しました。
今回は、個人で使えるVIPルームへ行ってみましょう。
あの磯貝さんもスタッフで?
個人で観戦できるVIPルームは、18年シーズンは5種類が用意されています。このうち、最も値段の高いのが「パートナーシート(1万800円)」です。部屋とバルコニー席での観戦のほか、アルコールを含めた飲み放題付きの特典があります。
部屋は、メインスタンド(選手が入退場する側のスタンド)とホームゴール裏席(ガンバの応援団席)の間のコーナー部にあたる場所です。ガンバ大阪応援団の迫力ある声援を間近に聞きながら試合を観戦でき、もし夜の試合で勝利したら、青いブレスレッドを掲げたガンバクラップと呼ばれる勝利の儀式も、絶好の位置で見ることができます。
この部屋は、チケットを購入した10~30人程度で使います。立食用のテーブルが置かれてありますが椅子はありません。立ち飲みしてから、バルコニー席へ移動して観戦する人が多くいました。そして、VIPフロア専用トイレも使えます。サッカーの試合は、ハーフタイムと試合終了後にトイレが渋滞しますので、専用トイレを使えると大変助かります。
法人用VIPラウンジがあるVIPフロアと廊下で続いていますが、通行はできません。入口もVIPルーム専用入口ではなく、一般客と同じ入口(ゲート1)から入り、上段席へ上がる階段の途中の扉から係員の許可を得て中に入っていくことになります。パートナーシートにはガンバのOBも接待にやってくることがあるようです。ある試合の日には、往年の名選手である磯貝洋光さんがスタッフの札を付けて訪れていました。
見下ろす感じがいい
VIPルームを初めて使った人にはどう映ったのでしょうか。大阪市から友人と来ていた男性Tさん(45)にお話しを伺いました。ガンバの試合には何度も来ていますが、VIPルームは初めてということです。
試合が始まる40分くらい前に来て、ビール3杯と熱いコーヒーを飲みました。たぶん2,000円以上は飲んだと思います。チケット代は、実質8,000円くらいでちょっと高いけど、たまにだったら来たいかな。部屋が広いから、子どもがいる場合はいいと思います。寒くても一服できるし。このベランダ席から見下ろす感じがいいですね。下の席のゴチャゴチャした感じとは違ってゆっくりできました。向こう(遠い方)のゴールは見えにくいけど、こっち(手前)のゴール前は迫力満点です。
また来たいですかと聞くと、「ちょっと高いので使うとしても1年に一回くらい、何かの記念日とか、気合いの入ったデートとか、ビジネスとかで利用したいです。通常チケットの安い席は2,500円なので、4試合分ですから。」と答えていました。
食べ物は持ち込み可
パートナーシートは、飲み放題付きですが、食事の提供はありませんので、食べ物は事前に購入しておくか、スタジアム内のフードコートで購入できます。スタジアム内にいくつかの飲食店が軒を連ねており、大阪を代表するお店が出店しています。
ビールとワイン、オレンジジュース、コーヒー、お茶などが飲み放題。試合終了後30分まで使えます。
スナックは簡単なもの。食べ物は持って入れる
スタジアムで食べるグルメは「スタグル」と呼ばれ、観戦者の楽しみの一つになっています。ただ来場者が多い時は長い行列ができる場合があります。行列が面倒という方は、事前に買ってから入場するとストレスが少なくて済みます。スタジアムに隣接するエキスポシティ内にスーパーのイズミヤが入っており、総菜が手頃な価格で購入できます。
ガンバのスポンサーでもあるたこ焼きの「くくる」もスタジアム内に出店している。ガンバ大阪のHPより
他のサッカースタジアムにVIPルームはあるのか?
日本にVIPルームの付いたサッカースタジアムは、ほとんどありません。ざっと調べたところ、浦和レッズの本拠である埼玉スタジアム(さいたま市)では「ホスピタルシート」が用意されてあり、部屋での食事とバルコニー席の観戦で、団体利用のみを受けています。
名古屋グランパスが使用する豊田スタジアム(愛知県豊田市)もVIPルームが備えられていますが、一般販売はされていません。17年に完成し、現在、J3リーグ(3部相当)を戦うギラバンツ北九州の本拠・ミクニワールドスタジアム(北九州市)にもVIPルームがあり、ビジネスシートとして一般発売されています。
今後、より快適な観戦環境を求めて、VIPルーム付きのスタジアムが増えてくるものと思われます。その先鞭をつけたのがパナソニックスタジアムです。
誰よりも早く、優雅なVIPルーム観戦を経験してみませんか。
INFORMATION
パナソニックスタジアム吹田
http://www2.gamba-osaka.net/stadium/
【個人で行けるパナソニックスタジアムのVIPルーム】
・「ルーム付きシート」:バックスタンド中央部にある。ピッチを真ん中から俯瞰できるので見やすい。9,000円。
・「Vシート60」:バックスタンドの端にある。椅子の幅が60㎝、VIPルームを使用できる。7,000円。
・「Vシート45」:バックスタンドとホームゴール裏の間のコーナー部にある席。椅子の幅が45cm、VIPルームを使用できる。6,000円。
・「Vシートサイド」:アウェイゴールのVIP層にある部屋。VIPルームは利用出来ない。椅子の幅は60cm。
【ガンバ大阪の企画チケット】
試合前の練習をピッチサイドで見学できるものや、入場者予想付きチケット、一人で観戦する時用の「お一人様チケット」などがある。パートナーシートも企画チケットのひとつ。