ラグビーW杯日本開催前に疑問解消! なぜ日本代表は外国人だらけなの?

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ラグビーW杯日本開催前に疑問解消! なぜ日本代表は外国人だらけなの?

スポーティ

今年、世界三大スポーツイベントの1つ、ラグビーのワールドカップが日本で開かれることを、まだご存じない方も多いかも知れません。9月20日の日本対ロシア戦を皮切りに、北は札幌から南は熊本まで、全国12会場で全48試合が行われます。

身長2m、体重120㎏という世界の巨漢たちが楕円球を奪い合う激しい肉弾戦は迫力満点です。決勝戦が行われる11月2日までの1か月半、日本中が熱く盛り上がります。

1会場あたり平均4試合開催されるので、近隣在住の方には是非、会場へ足を運んでもらい、骨と骨がぶつかり合う音がする臨場感を耳と目で味わってもらいたいと思います。

日本代表候補はこんな人たち

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気になる日本代表はどんな顔ぶれなのでしょうか。現時点で日本代表候補38名が発表されています。キャプテンのリーチマイケル選手を筆頭に、身長166㎝の田中史朗選手、タレントのローラさんを妻に持つ山田章仁選手など二大会、三大会連続で選ばれているベテラン選手に加え、24歳の姫野和樹選手や松田力也選手など若手もバランスよく選ばれています。

最近は、バラエティ番組などに出演する機会も増えているので、選手の顔ぐらいは知っている人たちも多いのではないでしょうか。この中から、さらにメンバーが絞り込まれ、W杯直前に33名の代表が決定します。

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素朴な疑問!外国人多すぎない?

メンバー構成を見て、ラグビーをあまり見たことがない人たちが抱く共通の疑問がこの疑問ではないでしょうか。

「日本代表なのに外国人多くない?」

確かにその通り。実は代表候補38名中17名、およそ半分が外国出身選手で占められています。しかもキャプテンも外国出身者。では、順に見てみましょう。

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2大会連続で日本代表キャプテンに選ばれることが濃厚なリーチ マイケル選手(身長190㎝体重110㎏ 札幌山の手高校・東海大学・東芝)。ニュージーランド出身の彼は15歳で来日。日本の高校・大学・社会人でプレーして代表の座を射止めました。

80分間動き回る献身的プレーとトライをとる嗅覚に定評がある。そんな彼の奥様は日本人。ラグビーファンの多くは、彼がマイケル・リーチと名乗っていた頃から応援し続けています。そして、彼は日本国籍を取得後、リーチ マイケルとなりました。

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リーチ選手と同様に日本国籍を取得しているのが、日本代表のイケメン担当ラファエレ ティモシー選手(身長186㎝98㎏ 山梨学院大学・コカ・コーラ)。大学時代にニュージーランドから来日した彼も、2017年に日本国籍を取得後、苗字と名前の順番が入れ替わった1人です。

所属先のコカ・コーラでもキャプテンを務め日本語も堪能。バックスのセンターというポジション柄、タックルで体を張るバックスのキーマンとして、チームメイトからの信頼も厚い選手です。

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抜群のスピードと身体能力を武器に5人抜き、6人抜きも当たり前、日本のトライゲッターが、レメキ ロマノ ラヴァ選手(177㎝92㎏ ホンダ)。ニュージーランド出身の彼はオーストラリアの高校を卒業後、日本のホンダに所属。彼も日本人の奥様と子供に囲まれ、日本国籍取得後は名字のレメキを前にして呼ばれるようになりました。

このように日本代表候補に名を連ねる外国出身選手17名のうち、7名は日本国籍取得者です。

違和感!? 外国籍なのに日本代表?

では、日本国籍を持たない日本代表候補者10人に対して、当然、疑問が湧くのではないでしょうか。

「外国籍でも日本代表になれるの?」

答えは簡単、ラグビーではなれます。オリンピックやサッカーワールドカップの代表は国籍主義ですが、グローバリズムを標榜するラグビーの代表に国籍は無関係です。しかし、そうは言っても誰でもなれる訳ではありません。いくつかの資格が必要ですが、最もシンプルなものが、その国に3年以上居住していることです。そのうえでトップレベルのラグビー選手であれば、日本代表になれます。

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サッカーで言えば、日本居住後3年を経過したイニエスタ選手が、日本代表にいることを想像してみてください。野球に例えるなら、侍ジャパンの4番にバレンティン(ヤクルト)が座り、マウンドでサファテ(ソフトバンク)が投げる。そんなドリームチームなら外国籍選手でも応援しようという気になるのではないでしょうか。

ただし厳密にいえば、他国での代表歴がある人は別の国の代表にはなれないので、イニエスタ級の外国人ラグビー選手が日本代表になることはありません。

別の表現をすれば、トヨタ自動車というグローバル企業には外国籍の役員が数多く在籍していますが、あくまでトヨタは日本を代表する企業だと多くの日本人が考え、それを誇らしく感じています。ラグビーも同様です。

普段日本で活躍している選手たちなので、外国籍であっても自分たちの代表として応援できます。ある意味、ラグビーは高度にグローバル化が進んだスポーツと言えるのかも知れません。

実は他国にも外国籍選手が多数在籍

何も日本だけが外国人の力を借りているのではありません。元々が多人種国家なのであまり目立ちませんが、黒衣の軍団・世界最強ニュージーランドはもちろん、イングランド、アイルランド、フランスといったヨーロッパの強豪チームにも、トンガ、フィジー、サモアなど南太平洋出身の選手を筆頭に、外国籍選手が数多く在籍しています。

つまりラグビーワールドカップは、どこの国のラグビーが一番レベルが高いのかを競い合う場でもあるということです。

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注目の外国籍選手はこのプレイヤーだ!

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是非注目して欲しい外国籍選手を1名挙げるなら、具智元選手です。韓国出身の彼は、中学2年の時から日本に住み、大分県の日本文理大付属高校を卒業。その後、拓殖大学に進み、現在はホンダでプレーしています。彼の武器は184㎝、122㎏という相撲取りのような体格です。

ポジションは、スクラムの最前線で敵とぶつかり合うプロップ、背番号3番。巨体を揺らしながら80分間フィールドを走り回る圧巻のスタミナも持ち合わせています。

優しい性格で先輩選手からもよくイジられる愛嬌たっぷりのキャラクターです。実は彼の父親もホンダでプレーをし、アジア最強のプロップとも呼ばれていました。韓国代表として、ワールドカップ出場は果たせませんでしたが、その夢を日本で息子に託しています。

ラグビー日本代表の外国籍選手には、急に助っ人としてやってきたのではない日本国内での活躍のドラマがあるのです。だから応援したくなるのかもしれません。


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