補強費がないのはなぜ⁉アーセナルの懐事情を徹底分析!

補強費がないのはなぜ⁉アーセナルの懐事情を徹底分析! WATCH

補強費がないのはなぜ⁉アーセナルの懐事情を徹底分析!

スポーティ

激痛だった2年連続のCL出場権逃し

2月上旬、イギリスメディア「デイリー・ミラー」が、アーセナルの来夏の補強予算が決まったと報じました。記事によると、冬のマーケットでバルセロナのMFデニス・スアレスをレンタルで獲得するに留まったクラブは、4000万ポンド(約59億円)しか使えないとのこと。

エメリ監督がやってきた2018年夏のマーケットで使った移籍金は、GKベルント・レノに2250万ポンド、ルーカス・トレイラが2700万ポンド、ソクラティス・パパスタソプーロスは1700万ポンド、グエンドゥジに700万ポンドでした。

すべて足し込むと7350万ポンド(約108億円)。予算がないと話題になった夏の半額程度しか使えなければ、マンチェスター勢やリヴァプール、チェルシーに大きく引き離されてしまうかもしれません。

クラブOBのナイジェル・ウィンターバーン氏は、「さらにお金を使うであろうマンチェスター・シティ、リヴァプール、マンチェスター・ユナイテッドや、おそらく再度予算を増やすチェルシーに挑戦できるレベルに戻ろうと思えば、どこかでお金を探してこないといけないね」とコメント。

現地メディアの多くが「Why Arsenal no money」と見出しに掲げ、世界で9番めに売上が多いクラブの投資の少なさに疑問を投げかけています。


19歳のグエンドゥジは、700万ポンドながら既に主力として活躍しているお買い得補強

なぜ、アーセナルは補強に費用を投じられないのでしょうか。最大の理由は、「売上が伸びていないから」です。デロイトトーマツが毎年1月にリリースしている「フットボール マネーリーグ」によると、2016-17シーズンには4億8760万ユーロだった年間売上は、2017-18シーズンには4億3900万ユーロに減少。

5億ユーロを超えたリヴァプールとチェルシーに抜かれ、世界6位から9位にランクダウンしています。2シーズン連続でチャンピオンズリーグ出場を逃したうえに、スポンサー収入を伸ばせておらず、経営的にうまくいっているとはいえないのが現在のガナーズです。

これ以上高給取りを獲得できない!?

売上が下がったと聞いても、「それでもキャッシュはあるだろう」という反論があるかもしれません。実は、彼らが抱えている問題は「移籍金をどれだけ払えるか」ではなく、「選手のサラリーを制限するルールのなかで、いかに収めるか」なのです。プレミアリーグには、「ショートタームコストコントロール」といわれる選手の給与総額の制限ルールがあります。簡単に説明すると、「選手給与総額の増加は、以前のシーズンを基準として700万ポンドしか増やすことができない。ただし、テレビ放映権料以外の収益が増加すれば、その分を乗せることができる」というものです。売上が伸びていないアーセナルが、選手を自由に獲得できない理由が窺えるルールです。


プレミアリーグ最高レベルのストライカーを揃えたものの、サラリーも高額!?

高額サラリーのアレクシス・サンチェスは去ったものの、高給ランキング2位のメスト・エジルがおり、ヴェンゲル監督の最後の年にラカゼット、ムヒタリアン、オーバメヤンといった大物を獲得しています。アーロン・ラムジーと契約延長をしなかったのは、サラリーキャップを気にしたという面もあるのではないでしょうか。引退するペトル・チェフをはじめ、何人かのベテランを放出しなければ、夏のマーケットでワールドクラスを獲るのは難しいでしょう。

早急に改善したい「売却ベタ」

アーセナルの売上が停滞しているもうひとつの理由として、「選手の売却がうまくいっていない」ということがあります。

2017年の夏に売っておけば7000万ポンドはもらえたアレクシス・サンチェスは、その半額程度のムヒタリアンとのスワップで終わらせてしまい、ウィルシャーとラムジーはゼロ円で放出。それぞれ経営的には最悪の結果で終わっています。

マティッチを4000万ポンドで売ったチェルシー、コウチーニョの売却益でファン・ダイクとファビーニョを手に入れたリヴァプール、カイル・ウォーカーに5000万ポンドという高値を付けたトッテナムに対して、最も高く売れたのが3500万ポンドのチェンバレンでは、いずれ互角に戦えなくなるでしょう。


現在の主力が結果を出しているうちに、次なる成長のベースを作りたいもの

イオビ、メートランド=ナイルズ、ルーカス・トレイラ、グエンドゥジといった若い選手を成長させながら、4位争いを続けているウナイ・エメリ監督はよくやっているのではないでしょうか。

何とかTOP4フィニッシュを達成し、30代の選手を整理して新戦力を迎え入れる枠を増やせれば、ホールディングとベジェリンが戻ってくる来季が俄然楽しみになります。

現場が必死で耐えている間に、ボードメンバーは経営の立て直しを進めなければなりません。スポンサー開拓、コストパフォーマンスが悪い選手の早期売却、若手の育成など、ライバルたちが1歩先んじている打ち手はたくさんあります。

エジル、ムヒタリアン、オーバメヤン、ラカゼットら現在の主力がピークを過ぎるこの先3年が、アーセナルがトップレベルでいられるかどうかの正念場となりそうです。


アーセナル サッカー プレミアリーグ