奇跡の優勝から3年…若手の宝庫に生まれ変わった新生レスターに注目!
WATCH奇跡の優勝から3年…若手の宝庫に生まれ変わった新生レスターに注目!
シュマイケル、ダニー・シンプソン、ウェズ・モーガン、ロベルト・フート、クリスティアン・フクス、リヤド・マフレズ、エンゴロ・カンテ、ダニー・ドリンクウォーター、マーク・オルブライトン、岡崎慎司、ジェイミー・ヴァーディー。3年前、クラウディオ・ラニエリ監督の下で奇跡的な優勝を遂げた11人です。
現在もレギュラーとして活躍しているのは、守護神シュマイケル、主将モーガン、エースのヴァーディーだけになります。
チャンピオンズリーグに出場した2016-17シーズンに、フットボールクラブ史上最高額となる9250万ポンド(約134億円)の利益を残したクラブは、直近2年の補強によって別なチームに生まれ変わりました。
前述のベテラン3名が要所を締め、右SBのリカルド・ペレイラとCBハリー・マグワイアといったインターナショナルクラスが最終ラインに君臨していますが、残るポジションはすべてヤングプレーヤーの活躍の場です。5試合以上に出場している若手が9人もおり、22歳以下の出場時間はプレミアリーグNo.1。
中でも素晴らしいのは、カンテの穴を埋めたMFウィルフリード・エンディディ、イングランド代表にも選出された左SBベン・チルウェル、快足を飛ばしてサイドを攻略するデマライ・グレイ、岡崎慎司からポジションを奪ったトップ下のジェームズ・マディソンです。
まずは、2月に就任したブレンダン・ロジャース監督が頼りにする22歳カルテットの魅力を紹介しましょう。
TOP写真 photo by Peter Woodentop
守備力が高いエンディディ(右)は、プレミアリーグ屈指のアンカーとしてビッグクラブが注目(PHOTO by @cfcunofficial (Chelsea Debs) London)
イングランド代表に選ばれたマディソン&チルウェル
インターセプト66回はリーグ6位、タックル成功121回はエヴァートンのイドリサ・グイェに次ぐ2位。豊富な運藤量と前線へのフィードが売りのエンディディは、ボックス・トゥ・ボックスという言葉がぴったりの選手です。
13節のブライトン戦を除くすべてのゲームで先発出場しており、最終ラインの前のスペースをカバー。マグワイアやモーガン、ジョニー・エヴァンスらの負担を軽減しています。
彼の前でチャンスメイクするジェームズ・マディソンは、PFAの年間最優秀若手選手にノミネートされた成長株。カウンタ―一辺倒だったチームに攻撃のバリエーションを与え、34試合7ゴール7アシストという素晴らしい数字を叩き出しました。
レギュラーに定着しつつあるデマライ・グレイ(左)は、シュート力が課題(PHOTO by Вячеслав Евдокимов)
新戦力が続々登場!来季の躍進に注目
1月に加わった2人のニューフェイスは、いずれも21歳の即戦力。モナコからレンタルで獲得したユーリ・ティーレマンスはベルギー代表で次世代を担う逸材といわれており、状況判断の的確さとミドルシュートの精度に定評があります。
2月上旬のトッテナム戦でプレミアリーグデビューを果たすと、4月末までの11試合で3ゴール4アシスト。エンディディの脇で守備の仕事をこなしつつ、チャンスと見ればヴァーディーやジェームズ・マディソンを追い抜いてゴールを狙うなど、プレーエリアの広さが評価されています。
WBAに貸し出されていたハーヴィー・バーンズは、チャンピオンシップでの活躍が認められてチームに復帰。サイドを主戦場とするアタッカーは、ドリブルを武器に14試合2ゴール2アシストと結果を出しており、来季のステップアップが期待されています。
年明けからのプレミアリーグ8試合で1勝1分6敗と苦しんでいたチームを、完全に立て直したブレンダン・ロジャース(PHOTO by Ardfern)
守備的なサッカーが嫌われたピュエル監督の後を受けて、チームに攻めの意識を植え付けたロジャース監督は、6勝1分2敗という素晴らしい戦績を残しています。
プレミアリーグにフィットするのに時間がかかった22歳CBチャグラル・ソユンチュはようやく機能し始め、泥くさい守備でチェルシー戦やマンチェスター・シティ戦の勝利に貢献した21歳のハムザ・チョードリーも、中盤のレギュラー争いに加わってくるはずです。
入団2年目のケレチ・イヘアナチョは、依然としてくすぶっていますが、マン・シティ時代にスタンドを沸かせたドリブルとフィニッシュを思い出せれば、ヴァーディーの後継者に指名される可能性は充分です。チルウェルやマグワイアをビッグクラブに獲られなければ、レスターは上位を脅かす存在になるのではないでしょうか。
2019-20シーズンは、若きクラブの躍進に注目しましょう。