ルートインBCリーグ 2020年展望

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ルートインBCリーグ 2020年展望

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国内で2番目の独立リーグとして2007年からスタートしたルートインBCリーグ(発足当初の名称は「北信越BCリーグ」)は、今年で14年目のシーズンを迎えます。

発足以降、着実に新規参入球団を増やし、今季は12球団での運営体制になり、NPBに選手を多く輩出できるようになってきました。今季のルートインBCリーグの見どころなどを紹介します。

今季の地区割と運営体制

今季も東西2地区に分かれてリーグ戦が行われます。

「FUTURE-East」(東地区)は、福島レッドホープス、茨城アストロプラネッツ、栃木ゴールデンブレーブス、埼玉武蔵ヒートベアーズ、神奈川フューチャードリームス、群馬ダイヤモンドペガサスの6球団です。

「ADVANCE-West」(西地区)は、新潟アルビレックスBC、信濃グランセローズ、富山GRNサンダーバーズ、石川ミリオンスターズ、福井ワイルドラプターズ、オセアン滋賀ブラックスBC(※今季より名称変更)の6球団です。

本リーグでは、若手選手がプレーできる環境を設けるという意味で年齢制限を設定しており、26歳までとなっています。それ以上の年齢の選手を保有する場合の「オーバーエイジ枠」は5人までとなっていましたが、今季からは6人までに改定されました。これによりNPB出身選手や外国人選手もより在籍しやすくなります。
*年齢制限におけるオーバーエイジ枠について>> https://www.bc-l.jp/news.php?keyno=227

新球団は神奈川フューチャードリームス

今季から新規参入するのは、神奈川県を本拠地とする神奈川フューチャードリームスです。これで埼玉、群馬、栃木、茨城など関東エリアに5つ目の球団になります。

神奈川フューチャードリームスは、横浜大洋ホエールズ‐横浜ベイスターズでプレーした鈴木尚典氏を初代監督に迎え、横浜DeNAベイスターズでプレーした荒波翔氏がアドバイザーに就任することが決まっています。

入団選手は既に決まっていますが、ユニフォームや球団マスコットキャラクター、球団歌など詳細は3月15日に発表される予定です。
*2020神奈川フューチャードリームス 新チーム体制発表会>>http://www.bc-l.jp/news_team.php?keyno=842

福井球団は運営体制を刷新、再スタート!

昨季限りで球団運営会社が撤退した福井ミラクルエレファンツですが、福井県からプロ球団の灯を消さないため、リーグ主導の元、野球YouTubeチャンネル「トクサンTV」をメインスポンサーとした新運営会社が設立され、チーム名も「福井ワイルドラプターズ」に決まりました。

新しいロゴも発表され、福井県内には恐竜博物館や恐竜広場(JR福井駅前)がある恐竜王国・福井に相応しいものとなりました。
*球団ロゴ決定のお知らせ >>https://www.bc-l.jp/news_team.php?nowpg=2&keyno=838
*球団ロゴマークは「恐竜の化石」>>https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1021200

今季、監督に就任するのが中日ドラゴンズOBで昨季は福井ミラクルエレファンツ投手コーチの福沢卓宏氏です。また、コーチは荒道好貴選手が兼任で務めることになります。

福井の球団存続には多くのファンの署名がリーグに届けられました。その甲斐あってか新しい運営会社設立という形で今シーズンの開幕を迎えることができました。ただ、チームが勝っても観客動員が比例して伸びるわけではなく苦戦している点は各球団共通といってもいいかもしれません。

しかし、福井は球団の体制が新しくなったからこそ、これからの取り組みも期待できそうです。開幕後の動きにも注目です。

即戦力の新入団選手

ルートインBCリーグでは、昨年11月に続いて今年2月8日にも合同トライアウトが実施され、指名選手が発表されました。

ここでは、期待の新人選手たちを紹介します。まずは、即戦力型の選手です。

■栃木ゴールデンブレーブス
内野手/ 安井勇輝選手

■埼玉武蔵ヒートベアーズ
投手/ 梶栄斗選手

■神奈川フューチャードリームス
投手/ 伊藤克選手
内野手/ 森田球斗選手
外野手/崎ブライアン選手

■群馬ダイヤモンドペガサス
内野手/ 瀬口拓也選手

■富山GRNサンダーバーズ
捕手/長谷川快選手

■オセアン滋賀ブラックス
内野手/嶋村悠斗選手

ここで8人の選手の名前を挙げました。この8人の選手たちの共通点は、昨年まで四国アイランドリーグplusでプレーしていたことです。

栃木の安井選手、神奈川の伊藤、森田、崎の3選手、群馬の瀬口選手は徳島インディゴソックスで、滋賀の嶋村選手は香川オリーブガイナーズで、埼玉武蔵の梶選手は愛媛マンダリンパイレーツ、富山の長谷川選手は高知ファイティングドッグスにそれぞれ所属していました。

徳島インディゴソックスは昨季、独立リーグ日本一になったチームです。その時のメンバーのうち3人が新球団の神奈川フューチャードリームスに入団、即戦力といっていい存在でしょう。特に、伊藤選手と森田選手はそれぞれ投手と野手の主力としての活躍が期待されます。

また、埼玉武蔵の梶選手も投手としての実績もありますし、栃木の安井選手、群馬の瀬口選手も野手として投打のバランスの取れた存在、チームを支えてくれるでしょう。滋賀の嶋村選手も可能性を秘めた選手です。

成長が期待される選手

次に、アマチュア出身の選手を紹介します。

■福島レッドホープス
投手/ 本城円選手

■新潟アルビレックスBC
内野手/ 松島恒陽選手

■富山GRNサンダーバーズ
内野手/ 石田宝輝選手

このうちの本城、松島両選手は関西大出身の新人選手です。松島選手は主将を務め、野手としても実力のある選手です。本城選手は投手として福島レッドホープス入りが決まりましたが、元々昨季までは外野手としてプレーしていました。本城選手は、履正社時代に甲子園出場経験もあります。

富山GRNサンダーバーズの石田選手は京都科学先端大出身です。出場機会を得ることで伸びていくタイプの選手です。

独立リーグは、自分で出場機会や登板機会を掴み取り、貪欲に成長していく場でもあります。今季はどんなドラマが見られるのか注目です。