池江璃花子選手が練習に復帰!競泳選手ってどんな練習をするの?

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池江璃花子選手が練習に復帰!競泳選手ってどんな練習をするの?

スポーティ

2019年2月に、競泳の池江璃花子選手が白血病であったことが発覚しました。しばらく泳げない日が続いていましたが、あれから1年と5月後、ようやくプールにその姿を見せました。

テレビでも、池江選手が白血病から復帰するまでのドキュメンタリー番組が流れたり、池江選手が練習をしている様子が放映されたりと、大きなニュースになりました。また大会に出場予定であることも発表されました。

テレビでは、プールを行ったり来たりする様子が流れ、競泳選手は、ただひたすら泳いでいるように見えるかもしれませんが、実は様々な練習方法やトレーニングがあります。

この記事では、日本のトップ選手や競泳で、少しでもタイムを縮めようとしている選手がいったいどのような練習やトレーニングに取り組んでいるのかを紹介します。

ブロークン

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自由形は、50mから1500mと幅広く距離が設定されていますが、それ以外の種目については100m、200mがメインの距離になります。

100m、200mと聞くと、短く感じるかもしれませんが、100mの場合は、泳ぎ切るのに約1分、200mだと約2分はかかります。

数秒ほどなら全力を出し続けることができますが、1〜2分となると、常に全力を出し切るというのはかなり難しくなります。そこで、ペース配分が大切になってきます。

ブロークンは、100mや200mを4分割して、間に10秒ほどの休憩を挟んでレースペースを作る練習です。

競泳ではずっと一定のペースを保つのが得意な選手もいれば、後半に追い上げる選手、前半に逃げ切る選手もいます。ブロークンは、自分のレーススタイルに合わせて目標のラップタイムを設定し、その通りに泳げるかをシミュレーションするための練習で、試合前の調整のために行われます。

この練習はインターハイ出場を狙う高校生からトップレベルの選手まで幅広く行われる練習方法です。

フィンスイム

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競泳の選手は、足ひれをつけて泳ぐ練習もよく行われます。この練習は、フォームをさらに安定させたい時や、足首をよりしなやかに使い、キックで大きな推進力を得たい時に行われます。

足ひれをつけると、軽くキックをするだけでかなり大きな推進力を得ることができます。足ひれで大きな推進力を得るためには足首をムチのように柔らかく使う必要があり、自然と綺麗なキックを習得できます。

なかなかキックで前に進まない、キックを強く打っているつもりなのに足が沈んでしまってうまく泳げない、という初心者の方にも非常にオススメな練習法です。

パドルスイム

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パドルとは、プラスチックで作られた、手に装着する円形の板のようなものです。

手を広げると、指と指の間に隙間ができてしまい、そこから水が逃げてしまいますが、パドルを装着すると、指と指の隙間がなくなるので、水をより多く捉えることができます。

パドルをつけると、水を掴む感覚を身につけることができるだけでなく、いつもより多くの水を捉えてかくため、広背筋のパワーを鍛えることもできます。

キックを打たないようにするプルと呼ばれる道具を足に挟むことで、より効果的に水を捉える感覚を磨き、上半身のパワーを鍛えることができます。

陸上トレーニング

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競泳選手は、常に水の中で練習をしているというイメージがあるかもしれませんが、実は陸上トレーニングも欠かしません。トップアスリートはもちろん、インターハイを狙っている高校生も陸上でのトレーニングを行います。

競泳では、水をかく際に広背筋が主に使われます。そのため、広背筋を鍛えるトレーニングを取り入れることが多いです。

具体的には、ラットプルダウンや懸垂、シーティッドローイングといったトレーニングが広背筋を鍛えるのに有効です。

他にはトレーニングチューブもよく使われます。トレーニングチューブはゴムの硬さが数種類あり、手の軌道が固定されておらず自由に動かせるので、泳動作を行いながらチューブを引っ張り、広背筋を鍛えることができます。

チューブでのトレーニングは、まだウェイトを扱うのが早い小学生や中学生の選手にとてもオススメです。

体幹トレーニング

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速く泳ぐためには、綺麗で安定したフォームがとても大切です。フォームを安定させるためには、体幹がとても大切です。

体幹が鍛えられていないと、泳いでいる時に体の軸が曲がってしまい、抵抗が大きい泳ぎ方になってしまいます。

体幹トレーニングは、基礎的なトレーニングですが、基礎だからこそ、トップアスリートも行っており、速く泳ぎたいなら避けては通れない練習です。

よく行われるのは、肘と爪先で体を一直線に保つプランクやサイドプランク、仰向けになり肩甲骨と足の裏で体を一直線に保つバックブリッジなどです。

これらの動作をバランスボールやバランスボードの上で行うとより強度を高めることができます。

競泳選手は、腹筋が割れている方が多く、体幹トレーニングの重要性を物語っています。

このように、競泳選手はただ単にプールを行ったりきたりして泳いでいるだけでなく、時にはレースペースを把握したり、時には陸上で水をかくために必要な筋肉を鍛えたりしているのです。

トレーニング 水泳 運動生理学