科学的に痩せやすいダイエット方法とは?食欲ホルモンに着目!

科学的に痩せやすいダイエット方法とは?食欲ホルモンに着目! DO

科学的に痩せやすいダイエット方法とは?食欲ホルモンに着目!

スポーティ

ダイエットのために厳しい食事制限をしていたり、長時間の運動に取り組んでいたけれど、長続きしなくて結局ダイエットに成功しなかった、という経験がある方は多いかもしれません。

確かに厳しい食事制限や長時間の運動を行うと、短期間で痩せることができますが、長続きしないというのがデメリットです。

短い期間だけ継続できてダイエットに成功したとしても、その後リバウンドの可能性もあり、リバウンドした時にまた痩せられるとは限りません。

それではどのようにして痩せればいいのでしょうか。そのヒントは、”食欲ホルモン”に隠されていました。今回は、食欲ホルモンとは何か、食欲ホルモンをコントロールして痩せるにはどうすればいいのかを紹介していきます。

食欲を増進させるホルモン、抑制させるホルモン

Embed from Getty Images

食欲ホルモンという言葉を聞いたことがあるという方は多いかもしれませんが、具体的にどのようなものかを知っているという方は少ないのではないでしょうか。

実は食欲ホルモンには、満腹感を感じるホルモンと、空腹感を感じるホルモンの2種類があります。同じ食欲ホルモンでも、全く逆の働きをするのですね。

食欲を増進させるホルモンとしては、「グレリン」というホルモンが挙げられます。一方食欲を抑制するホルモンとしては「GLP-1」や「PYY」、「コレシストキニン」、「レプチン」などのホルモンが挙げられます。

食欲を増進させるグレリンの分泌を抑えて、食欲を抑制するGLP-1やPYYなどのホルモンの分泌を促進させると、食べ過ぎを抑えられるので、ダイエットが成功しやすいと言えます。

食欲を増進させるホルモン、抑制させるホルモンはそれぞれある条件を満たすと分泌されやすかったり、逆に分泌されにくくなります。

それでは食欲を増進させるホルモンを分泌させず、食欲を抑制させるホルモンを分泌させるにはどういったことが効果的なのでしょうか。

タンパク質の多い食事を意識する

Embed from Getty Images

ダイエットでは食事の量も重要ですが、その内訳も大切です。私たちが食べているものは、大きく分けると糖質、脂質、タンパク質の3つに分けられます。この内、タンパク質の割合が高いとダイエットが成功しやすいのです。

タンパク質を摂取すると、食欲を抑制するGLP-1というホルモンの分泌が促進されることが知られています。

こうしたことから、タンパク質を豊富に含んだ食品を摂取すると、満腹感が得られやすくダイエットも成功しやすいと言えます。

その他にも、食事を摂取した後には栄養素を体内に吸収する必要があり、そのためにエネルギーが使われます。タンパク質は糖質、脂質と比べると体内に吸収するために多くのエネルギーが必要なので痩せにくい栄養素と言われているのです。

長時間よりも短くて激しい運動を

Embed from Getty Images

ダイエットのための運動というと、ジョギングのようにゆっくりなスピードで長い時間走る、いわゆる有酸素運動を行う方が多いかもしれません。

確かに長時間走ることでエネルギーの消費量は大きくなるのでダイエットに繋がりやすいです。しかし、短時間の運動でもダイエットを成功させることはできるのです。

短い時間で激しい運動を行うと、運動後に食欲を増進させるグレリンというホルモンの分泌が抑制され、食欲が増加しにくくなります。

そのため夕食の30分前などに激しい運動を行うと、少ない量でも満腹感を得られるのでダイエットが成功しやすいのです。

運動の内容としては、10秒間の休憩を挟みながらバーピー運動を全力で10回6セット行うといったものがオススメです。数分で終了するにも関わらずかなり体が疲れて、食欲を抑えることもできます。

当たり前のことも大切

Embed from Getty Images

「早寝早起きをしましょう」「朝食は食べましょう」ということは、ダイエットだけでなく健康な生活を送るために必要なこととして、何度も耳にしているかもしれません。しかし、これらにもしっかり科学的な裏づけがあり、理にかなっていることなのです。

早寝早起きについては、睡眠不足の状態だと食欲に関わる報酬系という部分が活性化され食欲が増進しやすいことが分かっています。

朝食は、生活のリズムを作るために非常に大切な食事で、朝食を食べないと体内にある時計遺伝子というものが狂い出してしまい、食欲をコントロールできなくなって太りやすい体質になってしまいます。

また朝食、昼食、夕食で、食後に何もしなくてもどれだけエネルギーを消費しているかを表す食事誘発生熱賛成を測定したところ、朝食後が最も高かったというデータも出ており、朝の時間帯は食べたものをエネルギーとして使いやすい時間帯ということも分かっています。

特に、大学生や一人暮らしの方は、生活リズムが乱れやすいので、自分の生活習慣が乱れていると感じている方は、まずは規則正しい生活を心がけてみるだけでも、食欲をコントロールできて痩せやすくなります。

ダイエットは、継続できることがとても大切です。無理して好きなものを我慢したり、強制的に体を動かしたりしていると、続かなくなってしまいリバウンドの危険性も高まります。自分に合ったダイエット法を見つけて実践してみてください。

参考文献
■van der Klaauw AA, Keogh JM, Henning E, Trowse VM, Dhillo WS, Ghatei MA, and Farooqi IS (2013) Hgh protein intake stimulates postprandial GLP1 and PYY release. Obesity, 21, 1602-1607.
■Westerterp-Plantenga MS, Rolland V, Wilson SA, and Westerterp KR (1999) Satiety related to 24 h diet-induced thermogenesis during high protein/carbohydrate vs high fat diets measured in a
respiration chamber. Eur J Clin Nutr, 53, 6, 495-502.
■Sim AY, Wallman KE, Fairchild TJ, and Guelfi KJ (2014) High-intensity intermittent exercise attenuates ad-libitum energy intake. Obesity, 38, 417-422.

スポーツ栄養学 ダイエット 運動生理学