【スペインラクビー・レポート】女子ラクビーの平野恵里子選手がセビーリャのチームに加入。スペイン初戦の様子をレポート。

【スペインラクビー・レポート】女子ラクビーの平野恵里子選手がセビーリャのチームに加入。スペイン初戦の様子をレポート。
日本代表経験もある女子ラクビーの平野恵里子選手が、スペインにある強豪チームのココドリラスに加入し、12月からスペインリーグでプレーをしています。今回の記事ではアンダルシア地方のセビーリャに本拠地を置くココドリラスの情報と、平野選手が出場したスペイン初戦の様子をレポートします。
TOP写真:スペイン初戦を白星で飾った直後の平野恵里子選手(写真右)。Photo by Yukari TSUSHIMA.
スペインのラクビーチームに加入した平野恵里子選手とは
今季はスペイン・セビーリャのココドリラスに所属する平野恵里子選手。Photo by Yukari TSUSHIMA.
平野恵里子選手は、岩手県大槌町出身。大槌町は、ラクビーファンにはお馴染みの釜石市とも非常に近く、日本の中でも特にラクビーと縁の深い地域です。この街で、先にラクビーをしていた兄弟の影響もあり、平野選手も自然にラクビーをプレーすることになりました。
平野選手のポジションはウイング。ボールを持ち、トライを奪うために前に走ることが主な役割となるポジションです。そのため、足の速さと動きの俊敏さがこのポシションの鍵となります。
他のポジションの選手と比較すると、ウイングは割と小柄な選手が多く、スペインのチームもその例外ではありません。
ココドリラスとはどんなチーム?
試合を終えた平野選手に、ココドリラスの首脳陣が盛大な拍手を送ります。Photo by Yukari TSUSHIMA.
「ココドリラス」の正式チーム名は「ウニベルシタリオ・ラクビー・セビーリヤ・コルテバ・ココドリラス(Universitario Rugby Sevilla-Corteva Cocodrilas)」。2部リーグ制のスペインの女子ラクビーで、ココドリラスは5年前から1部リーグに所属。昨年は1部リーグでスペインチャンピオンに輝きました。もちろん、スペイン代表の選手も所属する強豪チームです。
ココドリラスの前身となる女子のチームがセビーリャで活動を始めたのは、1990年代初頭のこと。すでに30年近くの歴史がある女子ラクビーチームです。
ココドリラスが活動しはじめたころは、アンダルシア出身の選手だけでチームが結成されていました。今でもアンダルシア出身の選手は多いのですが、今年は平野選手を含めて3人の外国人選手がいますし、スペイン北部のアストリアスからも有力選手が加入しています。今年はディフェンディングチャンピオンとしての立場になるので、昨年以上によいプレーをしたいですね。
と、このチームの会長であるマリオラ・ルス・ルフィノ(Mariola Rus Rufino)氏は語ります。彼女は選手として、ココドリラスの前身となったチームでプレーをしていた経歴があります。
そして平野選手の印象について、ルフィノ氏は、
平野選手は礼儀正しくて、いつでも相手を尊重することのできる選手ですね。今は言葉のハンデがあって大変だとは思いますが、そのような環境でも彼女がいつも笑顔を見せているのは、とても素晴らしいことだと思います。ココドリラスの選手やスタッフは、彼女のことが大好きなんですよ。
ルフィノ氏を始めとするココドリラスのスタッフは、全員スペイン人で、ヘッドコーチもスペイン語を話します。そのため今回の試合中は、スペイン語を理解するニュージーランドやオーストラリアの選手が、平野選手に英語でヘッドコーチの指示を通訳する姿が見られました。
平野選手のスペイン初戦、ココドリラスVSオリンピオ・ポスエロの結果は?
後半、タックルをかけた直後に地面に倒れる平野選手。Photo by Yukari TSUSHIMA.
晴天で気温が20度近くまで上がった12月12日、ココドリラスは今季最初の公式戦を迎えます。この日地元セビーリャでオリンピオ・ポスエロ(マドリード)と戦うココドリラスは、平野選手を先発メンバーとして起用。十分なウォーミングアップの後チームメイトの声援を受けた平野選手が、グラウンドに立つことになりました。
そしてゲームが始まると、先にトライを奪ったのはココドリラスでした。試合開始直後から積極的に攻撃を仕掛け、試合開始20分で最初のトライを決めます。しかし、このトライを決めた後は逆にオリンピオに攻め込まれたまま、前半戦を終了します。
ハーフタイム中にヘッドコーチから指示を受けた平野選手は、後半戦になると攻撃はもちろん守備でも積極的に動き始めます。特に守備面では、相手チームの選手に対して積極的にタックルを仕掛け、ボールの動きを止めようとするプレーが何度も見られました。
この日の平野選手は後半16分に選手交代し、スペイン初戦を終えました。そしてココドリラスはこの試合を22対7で快勝し、シーズン初戦を白星で飾りました。
ゲーム後に、スペイン初戦と初勝利の感想について、平野選手にインタビューしました。
ーースペインで最初の試合となりました。どんな感じでしたか?
ひさしぶりのゲームだったので、実は試合前に緊張していたんです。でも、今日は楽しんで試合をすることができました。
ーー前半と比べると、後半のほうが積極的にプレーに参加しているように見受けられました。その分、相手チームからタックルも受けていたようですが。
ハーフタイムのときに、『チームメートの持つボールの動きが止まっていたら、積極的にフォローに行って』という監督の指示があったんです。そのため後半の方がボールを持つ機会が多くなり、結果的にタックルを受けることも多くなりました。
ーー後半では平野選手から積極的にタックルに行くシーンも何度か見受けられました。
コンタクトの練習がまだ十分にできていないためだと思うのですが、タックルで相手を捕まえることができても、なかなか倒すことができないんです。その点はもっと練習が必要ですね。
一方、会長のルフィノ氏はこの日の平野選手のプレーについて、以下のように話をしてくれました。
まず、まだスペインに来て間もないにもかかわらず、今日のスターティング・メンバーに入ったことに驚きました。すでに平野選手もチームになじんでいるようですし、彼女の足の速さはココドリラスの戦術の幅を広げてくれると思います。これからの活躍が楽しみですね。
ココドリラスの公式戦は、2020年12月19日。ポルトガルに遠征し、スポーティング・デ・リスボア(Sporting de Lisboa)とイベリア半島No1をかけて戦うことになります。