パデル発祥の地、スペインで開催。ワールド・パデル・ツアー・バリャドリッド・マスター大会レポート

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パデル発祥の地、スペインで開催。ワールド・パデル・ツアー・バリャドリッド・マスター大会レポート

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スペイン発祥のスポーツであるパデル。そのワールド・ツアーがスペインの都市・バリャドリッドで開催され、バリャドリッド市内の中心部の広場に作られたスタジアムの様子を中心に、スペインでパデルの競技会場の様子をレポートします。

TOP写真:準決勝を前に、ファンと記念撮影をするファン・レブロン(Juan Lebrón)選手。今回ののバリャドリッド大会の優勝者で、現在ワールド・パデル・ツアーのランキング1位の選手
Photo by Yukari TSUSHIMA.

パデルとは、どのようなスポーツか

https://twitter.com/i/status/1540640943849742337

パデルとは、テニスボールを使い、四方が壁に囲まれたコートの中で2手に分かれてボールを打ち合う競技です。透明な板で囲まれたテニスコートの中で、テニスのダブルスの試合が行われている様子を想像していただくと、パデルの試合の一番近いイメージになります。

しかし、テニスと異なる点として、まずプレーヤーは四方を囲んでいる壁にボールを打ち返すことで相手のミスを引き出し、ポイントをとることができます。また、パデルのラケットは、テニスラケットよりも非常に小さいことも特徴として挙げられます。

パデルは1970年代、スペイン人が考案したものと言われています。しかし、このスポーツがスペイン国内で人気になり始めたのは1990年代からで、多くのスペイン人実業家や政治家などがこのスポーツに取り組み始めたことが、人気沸騰の原因となりました。そして1991年スペインに国際パデル連盟が設立され、このときにパデルの国際ルールが正式に決定されます¹。

現在、スペイン国内には1300以上のパデルのクラブがあり、プレーヤーの数は9万人を超えています。また、パデルを教えるライセンスを持つ「コーチ」もスペイン国内に1000人以上います²。


¹:https://www.zonadepadel.es/blog/2020/05/el-padel-en-espana-historia-y-evolucion/
²:https://www.padelfederacion.es/Datos_Federacion.asp?Id=0.

ワールド・パデル・ツアーとは

バリャドリッドで開催されたワールド・パデル・ツアーに集まった観客たち。 Photo by Yukari TSUSHIMA

ワールド・パデル・ツアーは2013年からはじまりました。毎年13から15のゲームをプロのパデル選手たちがトーナメント式で争い、順位によって与えられたポイントを獲得。そのポイントの合計で毎年の総合優勝者が決まるシステムです³。

ちなみに、スペインでワールド・パデル・ツアーが開催されると、5日間から10日間の開催期間中に約2万人の観客が集まります 。 そのワールド・パデルツアーが、6月下旬にスペインの都市であるバリャドリッド(Valladolid)で開催され、男子は100チーム(200人)が、女子は64チーム(128人)が出場しました。

³:https://www.worldpadeltour.com/sobre-world-padel-tour/

街の中心の広場のプラザ・マイヨールがパデルのスタジアムに

バリャドリッドで開催されたワールド・パデル・ツアーでは、センター・コートがバリャドリッド市の街の中心部にあるプラザ・マイヨール(Plaza Mayor)に設置されました。プラザ・マイヨールに設置されたパデルのコートには、約4000人が観客が収容可能なスタンドが設置されました。この広場のすぐ隣は、バリャドリッド市の市役所があり、その市役所の時計台の鐘の音が試合時刻を知らせます。

スタンドのすぐ横にある市役所の建物(写真左)。Photo by Yukari TSUSHIMA.

ゲームが始まる頃になると、観客が長い列を作って入場を待ちます。

ゲーム前の観客の長い列。Photo by Yukari TSUSHIMA.

ゲームが始まると、観客は非常に静かに選手たちのプレーを見守ります。得点が入るたびに観客は拍手をしますし、選手が良いプレーをすると、観客の間から小さなため息や歓声が聞こえることもあります、しかし、選手がボールを追っている間は、観客は非常に静かにプレーを見守ります。

コートの外に出ると、会場を取り囲むようにパデルの道具やウエアを販売する店舗があります。

パデルのウエアなどを販売する店舗。Photo by Yukari TSUSHIMA.

今回のバリャドリッド大会の試合の様子は、スペインの有料TVチャンネルで生放送されていました。また、大会のオフィシャルサイトを始め、ツイッター等で細かく試合の状況が発信されており、ゲームの状況を細かくチェックすることができるようになっていました。

また、コートに設置された観客席に向かう入り口では、係員が観客一人ひとりに対し、しっかりとセキュリティ・チェックをしている様子が見られました。ちなみに、観客はカメラを持っていくことは禁止されていますし、セルフィ―棒の持ち込みもやはり禁止されています。

観客に注意事項を呼びかける看板。Photo by Yukari TSUSHIMA.

また、試合の観戦チケットはワールド・パデル・ツアーの公式サイトから購入できるようになっており、会場で当日券は販売されていません。そして、決勝戦のチケット代は、だいたい50~60ユーロとなっています。

実はワールド・パデル・ツアーはスポーツの収益化という点でも非常に注目を集めています。その要素の1つとして、この比較的お手頃なチケット代にあるのではないでしょうか。今年後半のワールド・パデル・ツアーは、フインランドのタンペレやマドリード・マラガといったスペイン国内の都市がゲームの舞台となります。ご興味のある方は、公式サイトをチェックしてみることをお勧めします。

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