初心者向け ラグビー“レトルト”観戦ガイド ルールはこの「3つ」だけでOK
WATCH初心者向け ラグビー“レトルト”観戦ガイド ルールはこの「3つ」だけでOK
来たヨ、来たヨ、来ましたヨ~~~!
開幕戦となる9月20日の日本代表ーロシア代表戦(調布・東京スタジアム)から、11月2日の決勝戦(横浜・日産スタジアム)まで全48試合、札幌から熊本まで全国12か所のグランドで開催されるラグビーW杯。オリンピックみたいに東京だけじゃないので、全国どこにいても楽しめるビッグイベントが、ついに始まります!
首をキリンのように長くして待っていたラグビーファンから、TBSドラマ「ノーサイドゲーム」でラグビーにちょっと興味が湧いた初心者まで、色んな方がラグビーを目にされると思います。
今回は、ラグビーとアメフトの違いもイマイチ分からない“スーパー初心者の方”向けに、これ以上ない超カンタン観戦ガイドをお届けします。題して「ルールはこの3つだけでOK」。
「そんなの嘘だー!」「ラグビーはルールが難しいって聞いてるけど…」と、胸中でモヤモヤが消えないそこのあなた。あなたのような方に是非、読んで頂きたいのです。最後にクイズも用意していますので楽しみながら覚えて下さい。
たった3つのポイントを押さえるだけで、すぐに応援できる、即席“レトルト”観戦ガイド、始まります!
メイン写真 photo by Charlie
その1「点数」
トライは5点 ペナルティキックは3点
突然ですが、テニスは得点が非常に複雑です。最初の得点が1点かと思いきやいきなり15点。次の得点でも15点入って30点。ならばその次は45点になるかと思いきや40点。見ている人は困惑します。
「えっ!? どういうルール???」。一説によると、テニスは紳士・貴族のスポーツであり、昔のイギリス上流階級の人たちは、一般市民に自分たちの遊びがバレないように得点を複雑にしたと言われています。錦織圭選手や大坂ナオミ選手も最初は戸惑ったかも知れません。
同じくイギリス生まれの紳士のスポーツ・ラグビーも得点が非常に複雑です。得点方法は4つありますが、スーパー初心者の方は、そのうちの2つだけ覚えていれば充分です。
まず1つ目が、トライの5点。ボールを相手ゴールラインの向こうに持ち込んで地面に着けると得点となります。
2つ目が、ペナルティキックです。これは相手の反則によって与えられるキックで、これが入ると3点。五郎丸選手が蹴っていたのが、これに当たります。
残り2つは覚える必要がありません。そのうちの1つドロップゴールを日本はほとんど蹴らないからです。前回W杯では1度も蹴っていないと思います。
今回W杯までの4年間でも、おそらく1度も蹴っていない、蹴っていても1~2回です。なので覚える必要はまったくありません。ちなみに点数は3点です。
もう1つは、トライの後に与えられるコンバージョンキック、これは2点です。「も~う、紳士のくせにイジワルなんだから~」と言いたくなります。
キックは3点に統一すればいいのですが、トライ後のキックのみ2点です。あくまでトライしたチームへのボーナスチャンスなので2点と覚えておけばいいでしょう。
その2「反則」
初心者でも分かる反則は「ノッコン」だけ
「ノッコン」英語で“knock on”(ノックオン)は、ボールを前に落とす反則です。上の写真で黒いジャージ(ラグビーではユニフォームのことをこう呼びます)を着た選手の表情を見て下さい。「わぁ!ヤベえ」という声が聴こえて来そうです。
ラグビーは、「必ず後ろにパス」しなければなりません。なので「ボールを前に落とす=ボールを前にパスした」とみなされ反則となります。
初心者の方が見て、ハッキリと分かる反則は、これ1つです。それ以外は見ても分かりません。
例えば、もう1つ有名な反則に、ガチでボールを前にパスする「スローフォワード」があります。しかし、初心者の方は見ても分かりません。なぜならアメフト並みに思いっきり前に投げたりしないからです。
1試合で1回あるかないか、しかもW杯ともなれば、反則したとしても、ちょっとだけ斜め前、言われてみれば前かな、という程度の前パスです。周りの観客の声やリプレイ映像で、「これが噂のスローフォワードか。確かに前と言われれば前ぐらいビミョ~な前だな」と感じれば十分です。
「でも、そんな程度の理解で本当に楽しめるの?」とお嘆きの皆さん、ご安心下さい。観戦歴10年を超えるベテランファンでも、見ただけで分かる反則は、ノッコンにプラス2~3個しかありません。さらに言えば、フィールド上にいる日本代表選手でさえその程度です。
「また嘘だー!」「代表選手が分からない訳がない」とお思いでしょう。信じられないでしょう。でも本当なのです。
では選手やファンは、どうやって反則を見極めているのでしょうか?その秘密を次章でご紹介いたします。
その3 「マイボー or ヤンボー」
笛が鳴ったら、レフリーの腕を見ろ!
ラグビーは、「ボールの奪い合い」です。自軍のボールを「マイボー」、敵チームのボールを「ヤンボー」といいます(英語の“your ball”が日本語訛りとなった表現)。
反則が起これば“ピーッ”と、レフリーの笛が鳴り響きます。その瞬間、グランド上の選手やベテランファンはどこを見るのか。答えは1つ。レフリーの腕です。
レフリーの腕が自軍側に挙がっていれば、「マイボー」、敵側に挙がっていれば、「ヤンボー」。見ているのは、その1点に尽きます。何の反則があったかより、どっちボールでプレーが再開されるかが重要なのです。
野球は、3アウトで攻撃権が必ず回って来ますが、ラグビーはそうは行きません。敵からボールを奪い取らなければ攻撃権が回って来ず、得点もできないので、「マイボー」か「ヤンボー」かは天と地ほどの差です。M-1に出たお笑い芸人が「爆笑」か「ダダスベリ」かぐらいの死活問題と言ってもいいでしょう。
なので「マイボー」なら、周りの観客から「よしっ!」と歓声や拍手が起こります。逆に「ヤンボー」なら、「あ~」と溜息や舌打ちが聴こえます。
そしてどちらの場合でも、スタンドからは「今の何?」という疑問の声と、「ノットリリースかな?」と素人レフリーがテキトーな審判を下す声が聴こえて来ます。
グランドでも同じです。半分ぐらいの選手はボール争奪の密集に頭を突っ込んでいるため反則の瞬間を見ていません。周りの選手に「今の何?」と聞いたりしますが、聞かれた方も「さぁ」という感じで見ていなかったりします。
なのでレフリーの腕を見て、仲間の声を聴いて、次のアクションをするのです。特に「ヤンボー」の場合は、今の反則が何だったかよりも、敵の攻撃に備えて素早く下がる方が大事です。
難しいルールよりも「マイボー」か「ヤンボー」かが命。レフリーの腕に注目して下さい。
ではここでクイズです。
Q1 レフリーが上の写真のように腕を挙げました。マイボーはどっち?
A 腕を挙げている側(写真向かって左から右へ攻めているチーム)のマイボー。
B 腕を挙げていない側(写真向かって右から左へ攻めているチーム)のマイボー。
カンタンですね。答えはAです。手を挙げている側が、日本なら、「よし!」「行け行け」と叫んで下さい。
最後に応用問題です。ラグビーには、1人のレフリー(主審)と2人のタッチジャッジ(線審)がいます。ボールがタッチラインを越えて外に出ると、その地点からボールを中へ投げ入れてプレーを再開します。
さて、下の写真の場合は、どっちのマイボーでしょうか?
Q2 タッチジャッジが写真のように立っています。マイボーはどっち?
A 旗を挙げている側(写真に映っている緑のジャージのチーム)のマイボー
B 右手を挙げている側(写真には誰も映っていないチーム)のマイボー
正解はBです。旗は、ボールがタッチラインを割ったことを示すもの。もう一方の手で「マイボー」チームの方を差します。
いかがでしたか?レフリーが日本の方に腕を挙げたら、「よし、マイボー!」と、一緒に拍手して盛り上げましょう。
INFORMATION
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