関西地区大学野球春季リーグまとめ

関西地区大学野球春季リーグまとめ
各地で大学野球の春季リーグの熱戦が繰り広げられ優勝が決まりました。優勝校は6月9日から神宮球場と東京ドームで開催される第74回全日本大学野球選手権に出場します。今回は、関西地区の各リーグを紹介します。
関西楽瀬尾野球連盟
優勝 近畿大 4季ぶり50回目
関西学院大、近畿大、立命館大による熾烈な優勝争いが最後の最後までもつれました。終盤で近畿大と立命館大が並んだあと、5月27日の近畿大対関西学院大で1対0と近畿大が勝利して優勝を決めました。
優勝は勝ち点5の近畿大、惜しくも2位は勝ち点4の立命館大、3位は勝ち点3の関西学院大、4位は勝ち点2の同志社大、5位は勝ち点1の関西大、最下位が勝ち点0の京都大になっています。近畿大の勝田成選手(4年 関大北陽)が4割2分9厘の打率3位で最優秀選手に、立命館大の有馬伽久投手(3年 愛工大名電)が3勝し防御率4位で最優秀投手に表彰されるなど各表彰選手は下記の通りです。
今春季リーグは上位3チーム、どこが優勝してもおかしくない争いをしてきました。関西学院大は飯田泰成投手(3年 春日)が奮闘していましたし、首位打者に輝いた中川将心選手(3年 広陵)ら非常に当たっている選手も擁しています。
立命館大は有馬投手が4月5日の関西大戦で開幕早々相手打線をわずか108球で3安打12奪三振と2対0で完封勝利を挙げると、5月11日の関西学院大戦では延長12回を投げぬきました。試合は1対1の引き分けでしたが153球を投げ、関西学院大に勝ち越し点を与えませんでした。また、立命館大は遠藤翔海投手(4年 京都共栄)という信頼できる左腕もおり、秋季リーグは期待できそうです。
近畿大はエースの野口練投手(4年 星陵)が9試合に登板し3勝をマーク、防御率は0.00と失点を許していません。これに加え、有方祥互投手(2年 近大附)は5月25日の関西大戦に登板し、100球で9回を投げ完封。関西打線を3安打に抑えています。
選手権での戦いぶりにも注目したいところです。
また、来春から同連盟はDH制を採用します。投手が打席に立つスタイルは今年の秋季リーグで見納めになります。
関西六大学野球連盟
優勝 大阪商業大 7季連続28回目
今春季リーグも大阪商業大が制し、7季連続優勝を果たしています。しかし、今季は最後まで京都産業大が追い上げ、龍谷大にも優勝の可能性が残るなどしましたが、最後は大阪商業大の勝負強さが連覇に繋がりました。
順位は大阪商業大が9勝2敗、勝ち点4、京都産業大が8勝2敗、勝ち点4、龍谷大が8勝5敗、勝ち点4と僅差で続き、4位が大阪経済大、5位が神戸学院大、そして最下位が大阪学院大の勝ち星なしとなっています。
大阪商業大は、鈴木豪太投手(4年 東海大静岡翔洋)を筆頭に板谷朋生投手(4年 高知中央)、福島孔聖投手(4年 広陵)と安定した投手陣でリーグ戦を乗り切りました。また、野手では綛田小瑛選手(4年 東海大相模)ら当たっている選手も多く、最も選手層が厚く投打が非常に噛み合ったチームです。
ただ、京都産業大は田村剛平投手(4年 報徳学園)、由上慶投手(4年 関西大倉)と主力投手の奮闘で勝ち試合を作ることができましたまた、龍谷大は岩佐直哉投手(4年 近江)の健闘もあり3位と上位に食い込んでいます。
大阪経済大はやや低調で負け越しを余儀なくされています。今後、大阪商業大の連覇をどこが阻止しに行くかが期待されます。
表彰選手は下記の通りです。
ただ、残念なニュースもありました。春季リーグ戦期間中に大阪商業大の富山陽一氏の監督解任や主力選手による不祥事が発覚しました。これらの問題により大阪商業大は全日本大学野球選手権への出場を辞退しました。
>>硬式野球部の第74回全日本大学野球選手権大会の出場辞退について
阪神大学野球連盟
>>阪神大学野球連盟
優勝 大阪産業大 33季ぶり11回目
首位で並んだ大阪産業大と関西外国語大がプレーオフを行い、8対0(7回コールド)で勝利した大阪産業大が優勝を果たしました。関西外国語大が勝てば初優勝となるところでしたが及ばず、大阪産業大が2008年の秋季リーグ以来33季ぶりの優勝を果たしました。また、これにより天理大の8季連続優勝は途切れました。
順位は大阪産業大と関西外国語大が8勝2敗、24ポイントで並び天理大が6勝4敗、17ポイントで3位、大阪体育大、関西国際大、甲南大の順になっています。今春季リーグは圧倒的な強さのチームがなく大阪産業大と関西外国語大で首位争いが続き、これを天理大が追う展開になりました。最後まで首位争いがもつれ、非常に面白いリーグ戦が展開されました。
天理大は優勝の座こそ奪われたものの、大阪産業大と関西外国語大から1勝ずつ勝ち星を得ており、戦力的には拮抗しているといっていい試合展開をしてきました。秋季リーグでは更に激しいリーグ戦が行われ、春とは違った展開が見られるのではないかと思われます。今後の同リーグにも注目です。
表彰選手は下記の通りです。
また、甲南大は入替戦に挑みましたが敗れ、大阪電気通信大が1部昇格を決めました。
近畿学生野球連盟
>>近畿学生野球連盟
優勝 奈良学園大 2季連続46回目
今春季リーグは勝ち点5、10勝2敗の奈良学園大が優勝しました。勝ち点4、8勝3敗の和歌山大は一歩及びませんでした。神戸国際医療大が勝率5割の3位、そして大阪工業大、大阪公立大、阪南大の順になっています、阪南大は入替戦に挑み、1部残留が決まりました。
和歌山大は必死に奈良学園大を追い上げたものの、直接対決で勝ち点を奪うことができず、2位に終わりました。田中輝映投手(4年 向陽)や片山将希投手(3年 日高)らの活躍が光りました。片山投手は緩急を上手に使いこなし打者を打ち取れる投手です。秋季リーグの活躍が期待されます。
奈良学園大は八木唯斗投手(3年 福井工大福)、矢川幸司郎投手(3年 日本航空石川)ら主力投手の存在が安定した強さに繋がっています。近畿学生野球連盟はチーム間の戦力が拮抗してきており、毎年面白いリーグ戦を見ることができます。今後、かつての「王者」だった奈良学園大の時代が再びやってくるのか否かが同リーグの見どころです。また、八木投手ら奈良学園大の選手らの選手権での活躍も期待されます。
京滋大学野球連盟
>>京滋大学野球連盟
優勝 佛教大 4季連続63回目
今春季リーグでも佛教大が花園大、京都先端科学大を振り切って優勝を果たしました。佛教大は10勝1敗、勝ち点5と全てのチームから勝ち点を奪っての優勝です。花園大は7勝4敗で2位、京都先端科学大が6勝4敗の3位、そして明治国際医療大、びわこ成蹊スポーツ大が4位、最下位は滋賀大の順になっています。
佛教大は赤木晴哉投手(4年 天理)がエースとして奮闘し、合木凛太郎投手(高田商 4年)も勝利に大きく貢献し、この2人がチームを優勝に導きました。赤木投手は5月14日の京都先端科学大戦で先発し6イニングを無失点に抑え、優勝が決まった5月20日のびわこ成蹊スポーツ大戦では9回を1失点に抑えています。ともに球場のスピードガンでは140キロ台後半の球速を表示するなど力投しています。
また、花園大の好調の要因として、エースの藤原聡大投手(4年 水口)の存在が欠かせません。5月14日のびわこ成蹊スポーツ大戦で先発し6イニングを2失点に、20日の京都先端科学大戦でも先発6イニングを3失点に抑え好投しています。藤原投手は150キロ余りのストレートと変化球を上手に使いこなし、1年生の頃に比べ成長した投手の一人です。
最後に、京滋大学野球連盟で個性的な投手を2人紹介します。
まずは明治国際医療大の杉本流成投手(3年 京都成章)です。杉本投手は同チームのエースですが、4番打者も務めます(先発登板の際は「大谷ルール」により投手でDH出場)。
2人目は滋賀大の小杉虎太郎選手(4年 京都すばる)です。小杉選手は4番DHで出場していますが、登録は投手。今春季リーグでは数試合、リリーフで登板する機会がありました。プロアマともDHが解除になるケースは稀にありますが、DHがマウンドに上がるケースはなかなか見られるものではありません。
最下位の滋賀大は入替戦に挑みましたが敗れ、大谷大が1部昇格を決めています。
6月20日から3日間、京都市のわかさスタジアム京都で第32回大学野球関西オールスター5リーグ対抗戦が開催されます。
>>第32回 大学野球関西オールスター5リーグ対抗戦