激突!ルーニーとルカク…オールド・トラフォードの古巣対決レポート

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激突!ルーニーとルカク…オールド・トラフォードの古巣対決レポート

スポーティ

2017年9月17日16時、オールド・トラフォード。7500万ポンド(約113億円)という高額の移籍金でマンチェスター・ユナイテッドに移籍したロメル・ルカクと、移籍金ゼロでエヴァートンに復帰したウェイン・ルーニーの直接対決です。

7500万vsゼロ、1位vs16位の対決!

7月にルカク加入の報を聞いて、「マンチェスター・ユナイテッドでは、精神力が試される。チャレンジし続けるメンタルの強さがなければならない。ユナイテッドは常に成功を求めるクラブだからね」とアドバイスを送っていたルーニーは、開幕から2戦連続ゴールと上々の滑り出し。4戦4ゴールで得点王レースのトップを走るルカクは、「いつも通りにやるよ。結果を出すために準備するだけだ」と、38試合のなかのひとつでしかないことを強調していました。
メイン写真クレジット/PHOTO by Andre Zahn

「この独特な空気を味わうことを常に意識していた。それが実現して本当にうれしい」と、オールド・トラフォードについて語ったロメル・ルカク(PHOTO by Дмитрий Голубович)

直前のストーク戦では引き分けに終わっていたものの、開幕から3連勝と最高のスタートを切って首位に立っていたマンチェスター・ユナイテッドに対して、強豪クラブとの試合が続いたエヴァートンは苦しいスタート。マンチェスター・シティ戦をドローに持ち込んだ後、チェルシーとトッテナムに連敗して1勝1分2敗で16位に沈んでいました。

チームプレー志向が強いルーニーは、昨季までのサポーターの前でプレイする感懐に浸る間もなく、ただ勝ちたい一心でキックオフを待っていたはずです。すぐそばにいるルカクも、同じ気持ちでしょう。フェライニ、シュナイデルラン、マイケル・キーンを合わせると、5人が古巣対決となるゲームは、開始早々にマンチェスター・ユナイテッドが先制しました。

チャンスを活かせなかったルーニー

4分に左サイドからのマティッチのパスを受け、ダイレクトで豪快に叩き込んだのは、ルーニーの後を継いでキャプテンに任命されたアントニオ・バレンシア。20分を過ぎると、ルーニーとルカクは交互にチャンスをつかみました。ルカクに縦パスが通ったカウンターは、ゴールに向かわず外に逃げてしまい、追加点はならず。

2分後のエヴァートンのカウンターは、クコ・マルティナのクロスを叩いたルーニーのダイレクトショットが左に切れていきます。26分、マイケル・キーンのミスパスを敵陣で拾ったマタが、前にいたルカクにパス。守護神ピックフォードと1対1になる絶好のチャンスでしたが、左に軽く蹴ったボールが枠を外れてしまい、9番は頭を抱えています。

「今のマンチェスター・ユナイテッドのスタイルにパーフェクトにフィットしている」と、ルーニーはルカクを激賞(PHOTO by joshjdss)

前半を1-0で終えると、後半開始直後にルーニーにクライマックスシーンが訪れます。ひとまわり年下のトム・デイヴィスが右サイドを上がり、ペナルティボックスの手前でボールはルーニーへ。バイリーにカットされた後、スライディングで奪い返したルーニーは、ノーマークでデ・ヘアの前に躍り出ますが、左足のシュートはワールドクラスのGKが足でセーブ。両チームのエースがゴールを決められず、1-0のまま残り時間は10分を切りました。

ルーニーが去った後、ルカクが爆発!

感動的だったのは、82分の光景でした。ミララスとの交代を告げられたルーニーに、オールド・トラフォードに集まった古巣のサポーターたちがスタンディングオベーション。拍手が鳴りやまぬなか、昨季までのキャプテンのファイトを称え、名前を連呼する声が聞こえてきます。10番は、モウリーニョ監督とがっちり握手。

試合後、マンチェスター・ユナイテッドの指揮官は、「クラブに多大な功績を残し、歴史に名を刻んだ選手を歓迎するのはイングランドのサポーターの本質だろう」と彼らの姿勢をリスペクトしました。

「最近は簡単にレジェンドという言葉が使われるが、彼は別格だ。出場試合数、ゴール数、トロフィーの数、まさに真のレジェンドだ」とルーニーを絶賛したモウリーニョ監督(PHOTO by Светлана Бекетова)

ルーニーがいなくなったのが合図だったかのように、ここからルカクが結果を残しました。83分に左から走り込んだムヒタリアンに見事なラストパスを出してアシストを記録すると、89分は自らが蹴ったFKから中に戻ってきたボールをボレーで決めて3-0。最後はマルシアルがPKを決め、マンチェスター・ユナイテッドが4-0で快勝しました。

「CLに出たい」といってマンチェスター・ユナイテッドに移籍したルカクにとっては、自分のことをわかってくれる指揮官のチームはいいチョイスだったのではないでしょうか。イングランド代表引退を表明したルーニーは、エヴァートンでトップフォームを取り戻せばロシアで開催されるワールドカップで顔を見せてくれるかもしれません。

グディソン・パークで行われる古巣対決セカンドステージは、1月1日。最初のゲームではサポーターを歓喜させられなかったルーニーが、意地を見せてくれることを期待しましょう。