史上最強の“ダイヤモンド世代”となるか!原石集まるU-16日本代表選手たち!

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史上最強の“ダイヤモンド世代”となるか!原石集まるU-16日本代表選手たち!

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これまで日本サッカー界では、突出した才能を持つ選手を多く擁した年代が〇〇世代の愛称で呼ばれてきました。代表的なのは、小野伸二、稲本潤一、高原直泰ら1979年生まれを中心とした“黄金世代”と宇佐美貴史、柴崎岳、武藤嘉紀など1992年生まれを中心とした“プラチナ世代”。この2つの世代の共通点はユース世代の国際大会で優勝を遂げていることです。前者は1994年のU-16アジアユース選手権カタール大会で、後者は2005年の第1回世界幼少年サッカー大会でそれぞれ優勝しています。

最近そんな彼らに続く世代として注目を集めているのが、2000年生まれを中心とした世代。世界でも注目されている久保建英を筆頭に多くのタレントを有しています。この世代で構成されるU-16日本代表は、現在AFC U-16選手権インド大会に出場中。グループステージを3戦3勝21得点0失点と圧巻の強さで勝ち抜き、まさに将来の日本サッカーを担う世代と証明している最中です。

そこで今回はそんなダイヤモンドの原石を多く有し、将来黄金世代やプラチナ世代を超える可能性のある世代が活躍するU-16日本代表の選手たちを紹介していきます。

注目はやっぱり久保!でもそれだけじゃないのがこの世代

この世代を語る上で外せないのは、やはり久保建英(くぼ・たけふさ)でしょう。10歳でバルセロナの下部組織に入団すると、持ち前の技術の高さでチームの中心として活躍。30試合で74得点をあげる得点力やドリブル能力、そして10代とは思えない判断力の高さから、現地ではメッシとイニエスタを足したような選手と評されていました。その後、FIFAの規定違反が発覚したバルセロナからの退団を余儀なくされると、FC東京に加入。15歳ながらFC東京U-18で活躍し、U-17日本代表に飛び級で招集されるなど順調に成長を遂げています。AFC U-16選手権のグループステージでも2試合で4得点と存在感抜群です。

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現地メディア(スペイン:マルカ紙)でも’Messi japonés’=”日本のメッシ”と称され評価されている久保選手。記事ではバル・ド・マルヌU-16国際親善トーナメントフランス戦で見せたドリブルを紹介している。(動画あり)

久保選手と同じFC東京U-18でスタメンとして活躍しているのが、MF平川怜16歳。これまで各世代別代表に呼ばれ続けている平川選手は、ポジショニングと判断力に優れているのが特徴の選手。これらに裏打ちされたボール配給能力やボール奪取能力が高く、さらにはAFC U-16選手権の予選でハットトリックを決めるなどシュート精度まで高いというまさに逸材。先日には久保選手とともに2種登録されJリーグへの出場が可能になったことからも、その高い実力が伺えます。途中出場となったグループステージ第2戦では、劣勢だったチームに落ち着きをもたらし、アシストも記録しました。

その平川選手と中盤でコンビを組むのが、京都サンガF.C.U-18所属の福岡慎平です。福岡選手の魅力は、試合中何度も攻守に顔を出す豊富な運動量。判断力や統率力にも優れており、代表チームではキャプテンを務めています。2人と同じポジションの瀬畠義成(せはた・ぎじょう)は身長180cmと大型ですが、足元の技術にも優れていてテンポよくボールをさばく選手です。

福岡選手の所属する京都サンガF.C.U-18からはMF上月壮一郎(こうづき・そういちろう)も招集されていて、こちらは得点力が魅力の選手。今大会でも第3戦で初出場すると早速2得点の活躍を見せています。

久保選手と同じFC東京U-18でプレーする平川選手。AFC U-16選手権グループステージでは最も際立った選手の一人となりました。

セレッソ組は先輩たちを超える活躍を見せれるか

今回の代表に最多となる6人を送り込んでいるのがセレッソ大阪U-18チームです。MFの喜田陽(きだ・ひなた)と鈴木冬一(すずき・といち)はどちらもその才能で早い段階から注目されてきた選手で、喜田選手は危機察知能力や戦術眼を持っており、鈴木選手は小柄ながら状況を変える高いテクニックを持っています。

この他、180cmを超える身長を持ちながらもスピードを武器とするFWの山田寛人やMFの松本凪生(まつもと・なぎ)と谷本駿介も昨年から代表に選ばれ続けている才能ある選手たちです。

そんなタレント溢れるセレッソ組の中でも一番の実力とポテンシャルを持つと言われているのが、代表でディフェンスリーダーを務める瀬古歩夢(せこ・あゆむ)。高校1年生ながら182cm74kgと恵まれた体躯を誇り、ヘディングの巧さも相まってゴール前での存在感・安心感は絶大。足元の技術にも優れ、ロングフィードの制度も高いと、まさに日本の将来を背負う現代型のセンターバックです。

これまで南野拓実や柿谷曜一朗、山口螢らA代表クラスの選手を多く輩出してきたセレッソ大阪アカデミー所属とあって注目されることの多いセレッソ組。これまで全試合先発の瀬古選手を中心に、決勝トーナメントでの活躍を見守っていきましょう。


2006年U-17アジア選手権でMVPに輝くなど、当時圧倒的な存在感を見せていた柿谷曜一朗。彼の背中を追うセレッソ組唯一のFW、山田の爆発に期待がかかります。

まだまだ期待のタレントが揃うU-16日本代表

これまで紹介した選手の他にも有望な選手が多く集まっています。ディフェンダーから見ていくと、前述の瀬古選手とコンビを組むのがヴィッセル神戸U-18の小林友希。瀬古選手と同じく180cm越えの恵まれた体格で、カバーリング能力とロングフィードの精度に秀でた左利きの選手です。

小林選手と先発を争う監物拓歩も左利きの身長186cmと、現U-16日本代表には大型のセンターバックが揃っています。

サイドバックでは守備的なポジションならどこでも使える菅原由勢(すがわら・ゆきなり)を筆頭に、センターバックをこなせる作田龍太郎や両サイドバックをこなせる菊地健太、両サイドハーフや右ウィングでも持ち味のスピードを活かせる桂陸人などサッカーIQが高くポリバレントな選手が多いのが特徴です。

それぞれに強みを持ち、グループステージでは全員が得点を挙げるなど好調なFW陣の注目は、宮代大聖(みやしろ・たいせい)。ターゲットマンとしてボールを収めるのがうまく、所属する川崎フロンターレU-18では15歳ながらレギュラーとして活躍。先発した初戦のベトナム戦では、スローインを受け一瞬で中に運ぶと、そのまま強烈な反転シュートを叩き込んでいます。

この他にもシュート力やそのバリエーションに定評のある中村敬斗とグループステージで4得点を挙げた棚橋尭士(たなはし・あきと)も成長著しく、決勝トーナメントでは誰がスタメンでもおかしくない状況です。

最後にゴールキーパーでは、ガンバ大阪の谷晃生が守護神として君臨。186cmの身体に足元のテクニックも申し分なしの現代型のゴールキーパーです。グループステージでは初戦と第2戦に出場。苦しい時間帯に好セーブを見せるなど、これまで無失点のチームを支える活躍を見せています。

その後ろに控えるのは谷選手と先発を争ってきた青木心(あおき・こころ)とイタリアにルーツを持つ大内一生(おおうち・いっせい)。どちらも180cm越の身長を持ち、前者は足元の技術に、後者はフィードに定評のある選手です。

2000年以降に生まれた選手で構成されるため”00ジャパン”と呼ばれることもある現U-16日本代表。守護神を務める谷選手(上段右)とセレッソ大阪ユースで同代表の鈴木選手(下段左から2番目)は小5から親交のある仲。

こうして改めて見ていくと、本当にタレントの多い世代だとわかります。圧勝したグループステージでの勢いそのままに、過去の世代を超える“ダイヤモンド世代”と呼ばれる日はそう遠くないのかもしれません。そのためにもまずはW杯出場を決めて欲しいところです。勝てばW杯出場権獲得の注目の一戦は、現地時間25日20時からキックオフです!
(Photo by Sonia)

サッカー 久保建英 日本代表