ロマゴン?ゴロフキン?最強のボクサーは誰だ!! “パウンド・フォー・パウンド”に2人の日本人!

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ロマゴン?ゴロフキン?最強のボクサーは誰だ!! “パウンド・フォー・パウンド”に2人の日本人!

スポーティ

最強ボクサーは誰か?その答えを探す上で最も参考になるのが「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」という称号です。体重差を無くした状態で戦ったら一体誰が強いのかを示す仮想のランキングで、アメリカの老舗ボクシング誌『The Ring』通称「リングマガジン」が独自で決めています。

このPFPの評価を受けたのは、過去には、マイク・タイソン、フリオ・セサール・チャベス、ロイ・ジョーンズ・ジュニア、オスカー・デ・ラ・ホーヤ、最近では、マニー・パッキャオやフロイド・メイウェザーらそうそうたる選手たちです。

日本人では、“神の左”山中慎介、“KOダイナマイト”内山高志、“モンスター”井上尚弥の3人がトップ10入りしました。

PFPが重要視されるワケ。団体とチャンピオンの乱立

もともとボクシングの統括団体は、WBAのひとつだけでした。しかし、分裂などにより、現在、主要な統括団体は以下の4つ。それぞれが王者を認定しています。例えば、井上尚弥は“WBO”のスーパーフライ級王者です。同じ階級には、WBA、WBC、IBFと他に3人の王者がいることになります。

①WBA=World Boxing Association「世界ボクシング協会」
②WBC=World Boxing Council「世界ボクシング評議会」
③IBF=International Boxing Federation「国際ボクシング連盟」
④WBO=World Boxing Organization「世界ボクシング機構」

さらに、ボクシングは、体重によって階級が細分化されています。その数は、ミニマム級からヘビー級まで、17階級。各団体の各階級にチャンピオンがいるので、単純計算でも4×17=68人の世界王者がいることになります。(実際には、統一王者や空位になっている王座もあるので、この数通りではありません)

68人の世界王者…それでも十分多いですが、さらに団体によっては“スーパー”王者、“暫定”王者、“休養”王者という具合に、条件付き王者がいる状態です。その背景については、王者という選手の箔付けや世界戦を行いやすくなることによって収益アップが目的と言われています。

しかし、「王者」の量産はボクシング界レベルの低下につながるだけでなく、ボクシングのロマン、“誰が一番強いのか”を分かりにくくします。そこで生まれたのがPFPです。

PFPは、「ボクシング界最強は誰なのか?」のひとつの答えであり指標。そして、PFPのランキング入りしている選手同士の対決は、ドリームマッチとなるなど、現在のボクシング界でPFPは非常に重要視されています。

Sportieではこちらの記事でもボクシングのチャンピオンが多い訳について解説しています。

スピード、パワー、テクニック、スタミナ、すべてを兼ね備えたPFP

ボクシングの階級が、最も軽いミニマム級(47.627kg以下) から最も重いヘビー級(90.719Kg超)まで17もの階級に別れているのは、体重差がそれだけ大きく影響するするスポーツだからです。

当然、体重が重くなれば、パンチ力は上がります。もし、ミニマム級の選手とヘビー級の選手が試合をした場合、ヘビー級の選手が勝つ可能性はかなり高いでしょう。ボクシングのみならず、柔道やレスリングなども含め、格闘技において体重差は大きなアドバンテージになります。もし、階級の垣根を取っ払って、無差別級で戦って最強のボクサーを決めた場合、重量級のボクサーが勝ち抜くことはほぼ間違いありません。

しかし、“最強のボクサー”というからには、体重というアドバンテージだけでなく、スピード、パワー、テクニックすべてを兼ね備え、完成された選手であってこそ!という考え方のもと決められているのがPFPというわけです。

最新のPFPランキング 山中、井上、2人の日本人選手がランクイン

1位 ローマン・ゴンサレス
2位 アンドレ・ウォード
3位 セルゲイ・コバレフ
4位 ゲンナディ・ゴロフキン
5位 テレンス・クロフォード
6位 ワシル・ロマチェンコ
7位 ギジェリモ・リゴンドウ
8位 カネロ・アルバレス
9位 山中慎介
10位 井上尚弥

PFPのTOP3を見てみると、1位は、世界4階級王者で46戦全勝(38KO)、スーパーフライ級王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)“怪物ロマゴン”と称され、あまりの強さに対戦相手が見つからないほど。アマチュア戦績は87戦87勝、プロ・アマ含めると130戦以上負け無しです。

2位は、31戦全勝(15KO)、ライトヘビー級のアンドレ・ウォード(アメリカ)、去年11月、WBA・IBF・WBO世界ライトヘビー級統一戦で王者セルゲイ・コバレフに挑み判定勝利。2階級制覇を達成しました。3位は、そのウォードに敗れたセルゲイ・コバレフ(ロシア)。30勝(26KO)1敗1分。

そして、9位は、WBC世界バンタム級王者、山中慎介。“神の左”と呼ばれる強烈な左ストレートで、3月2日に行われたWBC世界バンダム級タイトルマッチでカルロス・カールソン(メキシコ)に勝利し、現在12度の王座防衛を果たしています。(具志堅用高さんが持つ13連続防衛の日本記録に王手をかけました。)

10位は、WBO世界スーパーフライ級王者で12戦全勝(10KO)の井上尚弥。スピード、パンチの破壊力、テクニック全てを兼ね備え、圧倒的な力で相手を倒してきました。“モンスター”の異名に偽りなしの選手です 。

2017年中に実現が噂されているビッグマッチが、PFP1位の“怪物ロマゴン”と10位の“モンスター井上尚弥”の対決です。もし実現し、井上が勝てば一気にPFP上位に入ることは間違いないでしょう。日本人初のPFP1位、つまり最強のボクサー=井上尚弥になることも十分可能性があります。

今後の動向にご注目ください。

ボクシング 井上尚弥 山中慎介