絶対に見逃せないメガマッチ!WOWOW「エキサイトマッチ」 エグゼクティブプロデューサー・大村和幸氏が語る!(前編)

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絶対に見逃せないメガマッチ!WOWOW「エキサイトマッチ」 エグゼクティブプロデューサー・大村和幸氏が語る!(前編)

スポーティ

1991年のWOWOW開局から続く『エキサイトマッチ~世界プロボクシング』。年間100試合以上を放送し、放送回数1300回を超えるWOWOWでの最長寿番組。その番組に立ち上げから携わり、長年ボクシングを見続けているエグゼクティブプロデューサー・大村和幸氏に、今後注目のメガマッチを語っていただきました。

30年愛され続けるワケ “お茶の間をリングサイドに”

ー『エキサイトマッチ』ならではのこだわりを教えて下さい。

コンセプトは“お茶の間をリングサイドに”いいキーワードでしょ?(笑)
要するに、視聴者が会場にいるような雰囲気で放送するという事で、アンダーカードからカットせずにず〜っと見せる。というのが思想です。特に生中継の場合には、3時間から4時間のプログラムが現地から配信されるわけです。その頭から見せましょうと。
地上波と決定的に違うのはコマーシャルが入らない。…という事はスポンサーに左右される事がない。
ウチの特徴としては、あるがままのものを現場体験として、お茶の間で体験していただこうというのがコンセプトです。

ーボクシング界では、近年ヘビー級がまた盛り上がりつつあります。ここ最近の流れをどう見ていますか?

なんだかんだいってボクシングの趨勢はヘビー級。
しかも、アメリカ人を中心に、アメリカ国内が盛り上がらないと、ボクシング界全体としては底上げされないなというのはありますね。
ボクシングの定説として、50年代から60年代にかけて、モハメド・アリを中心としたヘビー級。60年代後半から70年代は、レナード、ハーンズ、ハグラー、黄金の中量級。80年代から90年代は、ヘビー級、マイク・タイソン。
タイソンが陰りを見せた時に、フリオ・セサール・チャベスとか、それに代わるように、オスカー・デラホーヤ。ちょっと遅れてフロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオが牽引します。
ヘビー級→中量級→ヘビー級→中量級と定説が来ているとしたら次はヘビー級でしょ?ただその定説が今はちょっと崩れている。

ー牽引する階級の流れが崩れた理由はなんでしょう?

ヘビー級がちょっと出遅れている。どうしてかというと、11年間無敗だったウラディミール・クリチコ(ウクライナ)。クリチコが旧共産圏のチャンピオンということで、あまり人気が出なかったんだよなぁ。そのクリチコ兄弟が長期政権を築いたが故に、ちょっとヘビー級が出遅れて、パッキャオやメイウェザーの中量級にアメリカのボクシングはずっと傾倒してきている訳です。

「ジョシュアVSワイルダー」遂に来たヘビー級メガマッチ!

ー出遅れていたヘビー級がいよいよ変わりそうですよね?

4月29日(日本時間30日)に「アンソニー・ジョシュアVSウラディミール・クリチコ」が行われます(取材時情報。試合はKOでジョシュアの勝利)。
アンソニー・ジョシュアはイギリスのホープ。英語圏の選手としてはアメリカとも通ずるところがあるんですね。それがクリチコとの一戦で、どういう風に展開していくか…。

アンソニー・ジョシュア

デオンテイ・ワイルダー

ー9万人を集めて行われるメガマッチですが、ここでジョシュアが勝てば、更なるメガマッチ、ワイルダー戦が実現するのでしょうか?

可能性は十分!ヘビー級の頂上対決ですよね。
元々はモハメド・アリがいて、社会的な制裁を受けながらも、ヘビー級の象徴として存在していましたし、社会的な象徴でもありました。そのあとマイク・タイソンが、ヘビー級のボクシングのスタイルを変えた。
大きい選手のストロングスタイルから、スピードの世界にヘビー級を変えたという意味では、マイク・タイソンっていうのは革新的だったんですよ。そして、今また、元々持っていたヘビー級の魅力に戻りつつある訳ですよね。

ーワイルダーは201㎝、ジョシュアは198cmあります。

豪腕をボンボン打ち込んでいくワイルダーとスマートなジョシュアがどういう風に対抗していくのか。
俺の中では「アリVSタイソン」だと。ワイルダーがアリだとしたら、ジョシュアをタイソンだと置き換えて見ているっていうのはあるよね。

ーどっちが勝つと思いますか?

どっちに勝ってほしい?(笑)それぞれに良さがあるのでね。盛り上がってくれると良いね。実力が拮抗している試合が盛り上がるんですよ。この試合は盛り上がります!それで久々にヘビー級が注目される。今後考えられる最大のメガマッチの一つと言えるでしょう。

「ロマゴン」敗戦で「井上尚弥」の目指すところは…?

ー3月、PFP(世界最強ランキング)1位、4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(通称:ロマゴン)が、シーサケット・ソールンビサイにまさかの敗戦となりました。

井上尚弥

ローマン・ゴンサレス

あれはロマゴンの勝ちですよ。間違いないです。
現地で周りの関係者にも聞きましたが全員ロマゴンの勝ちです。
あのジャッジだけが、ロマゴンの負けです(笑)。
序盤にダウンを取られたのと流血、この見た目の印象が影響したね。ジャッジ批判をするのもいけないけど、アメリカ東海岸の採点です。西海岸では、あの様にはなりません。東海岸ならでは。試合展開よりは、ダメージだけで見るという採点。

ージョー小泉さんも東海岸と西海岸でジャッジが重きを置くポイントが違うとおっしゃっていました。

そう。西海岸はパンチ、有効打で見る。特にラスベガスだったらパンチの数とか、有効打を中心として見る傾向があるので、それで言ったら間違いなくロマゴンの勝ちなんです。全ては1Rに喫したロマゴンのダウン。あれだってバッティングです。バッティングから倒れかけてるときに右のパンチが入っただけで、あのダウンはパンチをもらって無いだろうと。

ーロマゴンの敗戦で日本中が期待してた「井上尚弥VSロマゴン」の行方は?

100パーセント無いかと言われると、そうは言い切れないけど、相当遠のきましたね。井上選手は今年いっぱいでバンダムに上げると言ってますから。ロマゴンはシーサケットとリマッチの話が出ています。また、同じ階級の「カルロス・クアドラスVSファン・フランシスコ・エストラーダ」の試合も噂されています。そして、ロマゴンVSシーサケット、クアドラスVSエストラーダの勝者が、王座を賭けて戦うと。その2試合を待つほど井上選手には時間が無いのではと思います。

後編は…大村氏に究極のメガマッチ「ゲンナディ・ゴロフキンVSサウル・カネロ・アルバレス」、さらに、村田諒太、三浦隆司らについて語っていただきました!