理想的なタンパク質の摂取方法とは?? 国際スポーツ栄養機関のガイドラインを紹介

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理想的なタンパク質の摂取方法とは?? 国際スポーツ栄養機関のガイドラインを紹介

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筋肉をつけるには筋トレをしてタンパク質を摂取する必要がありますが、摂取のタイミングや量が非常に重要になります。そのため様々な実験が行われ、理想的なタンパク質の摂取タイミングや量が確立されつつあります。
また、タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されています。このアミノ酸の種類によってもタンパク質の摂取の効果は異なって来ます。

そこで今回は国際スポーツ栄養機関が様々な実験をもとに作成したガイドラインを紹介し、理想的なタンパク質の摂取について説明していこうと思います。

トレーニング後24時間の総タンパク摂取量が重要

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タンパク質の摂取タイミングでよく議論されるのが、トレーニングの前と後どちらにタンパク質を摂取するのがよいかということです。結論からいいますと、トレーニング後にタンパク質を摂取するのがよいとされています。
その理由として、トレーニング後にはタンパク質の合成感度が高まるからということが挙げられます。
しかし、このタンパク質の合成感度の上昇はトレーニング後24時間持続することも知られています。そのため筋肥大を考える際はトレーニング後24時間のタンパク質摂取量が筋肥大に関るので、トレーニング後24時間のタンパク質摂取量を考えるようにしましょう。

理想的な量は体重1kgあたり1.4〜2.0gのタンパク質

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トレーニング後24時間のタンパク質摂取量が重要だということは分かりましたが、一体どれくらいの量のタンパク質を摂取すればよいのでしょうか。

国際スポーツ栄養学会は、筋肥大を起こしたい場合、最低でも1日あたり体重1kgあたり1.4gのタンパク質を摂取することを推奨しています。体重60kgの人なら84gのタンパク質を摂取する必要があります。

実際に今までの食事でどれくらいのタンパク質を摂取しているか計算してみると分かるのですが、80gのタンパク質を摂取するのはなかなか難しいです。そのためプロテインで足りないタンパク質を補うのがよいでしょう。

3〜4時間おきに摂取するのが理想的

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それではトレーニング直後に80gのプロテインを飲めば効果が高いのかという話になってきます。トレーニング後にタンパク質を摂るのが推奨されていますが、かといって過剰にとりすぎるのもよくありません。消化吸収がおいつかず、摂取したタンパク質が全て筋肉の合成には回されないからです。

トレーニングの効果を最大に引き出すタンパク質の摂取方法はについては、様々な実験が行われてきています。

トレーニング後に様々な量のタンパク質を摂取させ、量の違いによりタンパク質の合成速度がどのように変わるかを見た実験があるのですが、タンパク質の合成速度は40gで頭打ちになることが示されました。また、十分に合成速度を上げるには20gは必要だというこも示されました。

この他に同じ量のタンパク質を、トレーニング後にまとめて飲むよりも間隔を空けて飲んだ方がよりタンパク質の合成速度が上昇したということも報告されています。

こうした実験結果から理想的なタンパク質の摂取方法は、20〜40gを、4時間おきくらいで摂る方法だといえます。

必須アミノ酸は10g、ロイシンは3g!

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タンパク質はアミノ酸という小さな分子がたくさん集まり、大きなかたまりとなった物質です。体内では小腸でアミノ酸にまで分解され、体内に吸収されて筋肉の合成などに使われます。そのためタンパク質のアミノ酸の組成は非常に重要となります。

結論から言うと、国際スポーツ栄養学会は必須アミノ酸を10g、ロイシンを3g摂取することを推奨しています。

必須アミノ酸はと体内で合成できないアミノ酸のことで、食事から摂取しないと補うことができないアミノ酸のことです。

必須アミノ酸にはバリン、ロイシン、イソロイシン、リシン、メチオニン、スレオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、ヒスチジンの9種類があるのですが、この内のどれか一つでも少ないと効果を最大限に発揮することができません。

食品に必須アミノ酸がバランス良く入っているかを表す指標に、アミノ酸スコアというものがあります。このスコアが100だとそれぞれの必須アミノ酸がバランスよく含まれているということを示しています。
そのため、食品からタンパク質を摂取する際はアミノ酸スコアも考慮に入れることをおすすめします。

ロイシンも必須アミノ酸に含まれるのですが、ロイシンについては筋肉の合成を促進する物質なので、筋肥大を起こす場合には重要となるアミノ酸になります。そのため推奨されている量は摂取するよう心がけましょう。

就寝前にはカゼイン40g

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4時間おきにタンパク質を摂取することを推奨しましたが、それだと寝ている間に何度か起きてタンパク質を補わなくてはいけないことになってしまいます。そうならないように、寝る前のタンパク質摂取を変える方法があります。

寝る前にタンパク質を20g摂取させた群とタンパク質を摂取させない群とで翌日の筋肉の合成率を比較した実験では、両方の群に差は見られませんでした。
しかし、寝ている間はタンパク質の消化吸収能力が低下するので、20gのタンパク質だと十分に筋肉の合成を上昇させることができず、筋肉の合成を上昇させるにはより多くのタンパク質を摂取する必要があったのです。
この結果の解釈として、寝ている間は内臓の活動は低下するので、タンパク質の消化吸収能力が落ち、20gのタンパク質だと筋肉の合成を上げるには少ない量だったということが考えられます。
そのため就寝前はいつもよりも少し量の多い40gのタンパク質を摂取することが推奨されています。

また、タンパク質の種類として、カゼインが推奨されています。市販のプロテインは大きく分けてホエイとカゼインという2つに分けることができます。この2つの違いとして、吸収速度が異なるということが挙げられます。
ホエイは胃からの排出速度が速く、小腸で吸収されやすいという特徴を持っているのでトレーニング後のタンパク質摂取に用いられています。

一方カゼインは胃からの排出速度が遅く、小腸での吸収速度も緩やかです。そのため長時間血中のアミノ酸濃度を高い値で保つことができ、タンパク質の補給ができない就寝時に向いているのです。

ここまでをまとめると、

・トレーニング後24時間のタンパク質量を体重1kgあたり1.4〜2.0gになるように摂取する
・4時間毎に分割して、合計で目標のタンパク質量となるように摂取する
・必須アミノ酸を10g、ロイシンを3g含むようにする
・就寝前はカゼインを40g摂取する

というタンパク質の摂取方法が理想の摂取方法となります。筋トレで筋肉を増やしたい方は是非実践してみてください。