ヒートショックプロテイン(HSP)を活性化させてパフォーマンスを高めよう!

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ヒートショックプロテイン(HSP)を活性化させてパフォーマンスを高めよう!

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スポーツをしていると、より長い時間強度の高い運動を継続する能力ということは重要となってきます。マラソンでは、長時間一定の速度で走り続ける。サッカーやラグビーのような球技では、試合の間走り続け、時にはダッシュもする。その際、細胞内では、エネルギーを作り出すミトコンドリアという器官が重要となります。

ミトコンドリアは、持久的なトレーニングにより増え、持久力の向上に繋がることが知られています。しかしその他にもミトコンドリアを増やす方法は様々存在ます。その方法の一つとして、ヒートショックプロテイン(HPS)を活性化させる、ということが挙げられます。

HSPには壊れたタンパク質を修復する役割がある

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HSPは、名前の通り、熱による刺激が加わると活性化されるタンパク質で、細胞内でタンパク質の立体構造を作り出す役割を果たしています。

タンパク質は、アミノ酸という最小単位がいくつも結合した物質です。ただし、アミノ酸が一直線に結合した2次元的な構造ではなく、フォールディングという、タンパク質を折りたたみ、複雑な構造を形成する過程を経て立体的な構造をとっています。HSPはこのフォールディングの過程に関与しています。

タンパク質は、構造が崩れてしまうと正しく機能しなくなります。紫外線や活性酸素などの刺激によりタンパク質の立体構造が崩れてしまうことがあります。そんな時に、HSPはタンパク質の構造を元に戻し、正しく機能させる役割もあります。

壊れすぎて修復が不可能になってしまうタンパク質も存在します。このようなタンパク質は細胞内で分解されるのですが、HSPは他のタンパク質の邪魔をしないように壊れたタンパク質を分解することを助けることにも関与しています。

HSPはこのように、タンパク質の構造を維持するのに重要な役割を果たしているのです。

HSPは運動パフォーマンスに影響する

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タンパク質の折りたたみに関連するHSPですが、近年はミトコンドリアの機能にも影響を与えることが分かってきました。一番簡単な調べ方として、遺伝子を組み替えてHSPを過剰に作るマウスがどのような形質かを見るという方法があります。

この方法で調べると、HSPを過剰に作るマウスではミトコンドリアの量が多く、最大酸素摂取量も上昇することが分かりました。実際に運動パフォーマンスを調べると、長時間運動を行うことができることも分かりました。

この結果から、HSPはミトコンドリア生合成を促進させ、運動パフォーマンスを向上させることが分かりました。

また、この他に内臓脂肪が少ないことや脂質代謝が亢進していること、エネルギー消費量が多いことも分かりました。

サウナで運動パフォーマンスが向上!

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HSPは熱の刺激が加わることで活性化されます。なのでHSPを活性化させるために、体に熱を与えましょう。

マウスを使った実験では、40〜43℃の熱刺激を加えることで、HSPが活性化されることが分かっています。また、熱刺激を与えることで、TFAMやMAPKといった様々なタンパク質が活性化され、これによりミトコンドリア生合成が促進されることも分かっています。

そのためトレーニング後には40〜43℃のお湯にゆっくり浸かると、トレーニング効果を最大に引き出すことができます。30分〜1時間を目安にお湯に浸かるようにしましょう。

また、人を対象にした実験では、トレーニング後にサウナに入る実験が行われています。トレーニング後に、サウナに入ると、入らなかった群に比べて、持久的運動能力が向上したことが報告されています。この実験では、サウナに入ることで、赤血球が増加したことも報告されており、そのために持久的運動能力が向上したのではないかと結論づけられています。

なので、効率的にトレーニング効果を得たい場合は、トレーニング後にサウナに入り体に熱刺激を与えることも効果的です。時間としては30分程度を目安にしましょう。ジムにはサウナやジャグジーが設置されているところが多いので、ジムでトレーニングしている場合は比較的取り入れやすいのではないでしょうか。

また、HSPは脂質代謝を亢進させる効果もあるので、ダイエットにも効果的です。ダイエットに有効な入浴法として、HSP入浴法というものがあります。これはその名の通りHSPを活性化させる入浴法です。

どのような方法かというと、40〜43℃のお風呂に30分程度入るという、非常にシンプルな方法です。ポイントは温度です。HSPが活性化される40℃程度の温度を狙って設定しましょう。高すぎたら熱くて入れませんし、タンパク質を壊してしまう原因にもなってしまいます。

また、肩まで浸かるというのもポイントです。上半身がお湯から出ていると効率的に体が温まりません。肩まで浸かり、しっかり体を温めて熱の刺激を与えましょう。

注意点としては、水分補給を忘れないことです。熱いお風呂に入っていると汗をかくので必ず500〜1000mLの水を手元に置き、こまめに水分補給を行いながらお風呂に浸かるようにしましょう。

熱さに弱かったり体力に自信がなかったりする場合は、徐々に慣らしていけば大丈夫です。始めは、短い時間から始めて徐々にお湯に浸かる時間を長くしたり、始めは、半身浴から始めて徐々にお湯の量を増やし最終的に肩まで浸かるようにしたりするなどしましょう。

HSPを活性化させることは、トレーニング効果を高める方法としても有効ですが、ダイエットに取り組んでいる方にも効果的です。簡単に取り入れることができるので是非試してみてください。


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