2018リトルリーグ世界大会。日本代表チームかく戦えり!!

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2018リトルリーグ世界大会。日本代表チームかく戦えり!!

スポーティ

8月16日から26日までの10日間に渡って、リトルリーグの聖地、アメリカ・ペンシルバニア州ウィリアムズポート市でリトルリーグの世界大会が行われました。70年以上の歴史をもつこの大会は、大会期間中30万~40万の観客が詰めかけ(ウィリアムズポート市の人口は約3万人)、全試合がスポーツ専門ケーブルテレビ局「ESPN」や3大テレビネットワークのひとつABCで生中継されます。

大会は、アメリカ一を決めるアメリカブロックと、アメリカ以外の世界一を決める国際ブロックに分かれ、それぞれの優勝チームが決勝戦を行います。今年の日本代表は埼玉県の川口リトルリーグ。国際ブロック決勝戦で韓国に敗れたものの、総合3位決定戦ではアメリカブロック準優勝のジョージアに勝って、3位入賞と言う結果でした。

日本チームの戦いの軌跡を順を追ってご紹介します。

初戦(8月17日)対バルセロナ

日本チームの初戦は、17日ヨーロッパ・アフリカ地区代表の対バルセロナ戦でした。前評判では、日本が圧倒的に有利な試合でしたが、バルセロナも健闘しました。3回を終わって1対1の同点。雨で試合が2回中断するなどもあって、試合は長引きました。

結局、4回に2点、5回に8点を奪った日本チームが11対1のコールド勝ちを収めました。シングルヒット12本、2塁打2本の着実な攻撃と先発投手の藤本士生(しせい)選手による5回を投げて1失点10奪三振の好投が光りました。

2戦目(8月19日)対パナマ

次戦は1日置いて19日にラテンアメリカ地区代表パナマと相対しました。初回にこの日は4番ファーストの藤本士生(しせい)選手がセンター越えに2点本塁打を放ち、日本チームが先制しました。先発投手の五十嵐将斗(まさと)選手が3回、リリーフ古澤新次(しんじ)選手が同じく3回を投げ、パナマ打線を僅か2安打に抑えて、4対2で日本が勝利しました。

3戦目(8月22日)対韓国

22日の韓国戦は、ともに2勝0敗同士の対戦で、勝った方が国際ブロックトーナメント決勝戦進出が決定する大事な1戦でしたが、日本にとって悪夢のような試合になりました。

先攻の日本は、1回表韓国キム投手の前に3者連続三振に切って取られます。続く1回裏には、今度は韓国が怒涛の攻めで4点を奪いました。韓国はその後も得点を重ね、4回終了時に10対0で日本がコールド負けを喫しました。韓国キム投手の前に、日本の安打は中島英作(えいさく)選手が放った僅か1安打のみ。打者13人で10三振を奪われ、圧倒的な力を見せつけられた試合になりました。

思いもしなかった大敗を喫した日本ですが、大会は「ダブル・エリミネーション」と呼ばれる、2敗した時点で敗退となる形式のトーナメントですので、この時点ではまだ日本に優勝の可能性は残されています。後がない日本の次戦の相手は同じく韓国相手に1敗したカリブ地区代表のプエルトリコと決定しました。

4戦目(8月23日)対プエルトリコ

試合開始早々、日本の先頭打者池内仁海(まさうみ)選手が、デッドボールを受けます。池内選手は、2戦目の対パナマ戦でも初回先頭打者デッドボールを受けています。試合は3回にその池内選手が2アウトからセンターオーバーの2塁打で出塁、その後エラー絡みで日本が1点を奪います。

ロペス投手の前に3安打に抑えられた日本ですが、持ち前の堅い守備で虎の子の1点を守り切り、1対0でプエルトリコを下しました。

国際ブロックトーナメント決勝戦(8月25日)対韓国戦(2回目)

2回目の対戦となったこの試合、初回にいきなり韓国のパワーをまたもや見せつけられました。2アウト後ランナーなしで、韓国チョイ選手がレフト観客席中段にまで届くホームランを放ちます。リトルリーグの規格では外野フェンスまでの距離も両翼70メートル以下。しかし、このホームランは推定80メートル以上飛んだと見られています。この回、日本はさらにエラーの後、センターオーバーの2塁打を打たれて1点を失います。

ホームランを放った韓国チョイ選手は先発投手としても日本を圧倒します。5回2アウトでチョイ選手が球数制限のために降板するまで、日本は3安打無得点に抑えられました。しかし、この回先頭にデッドボールで出塁した野上海(かい)選手を3塁に置き、代わった韓国キム投手から池内仁海選手がライト前に落ちるポテンヒット。日本が1対2の1点差と詰め寄ります。

前試合では同じ韓国相手に初回2アウトのみしか奪えなかった藤本士生(しせい)選手ですが、この日は好投します。5回を投げて3被安打、8奪三振の力投で、韓国に追加点を与えませんでした。

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力投する藤本選手

最終回の6回表、藤本選手はバットでも意地を見せます。1アウト後に打席に立った藤本選手はライト前に痛烈なヒットを放ち、同点のランナーとして出塁しました。ピンチランナーの仲田拓未(たくみ)選手を1塁に置き、バッターの五十嵐将斗(まさと)選手が放った強烈なピッチャー返しのライナーが不幸にもダブルプレーとなり、試合が終了しました。

最後のピッチャーライナーは韓国キム投手の腹部に当たったようにも見えました。ボールを落とさず、すぐさま1塁に送球して、ダブルプレーを成立させたキム選手の気迫は見事なものでした。
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破れた日本チーム

総合3位決定戦(8月26日)対ジョージア戦

アメリカブロック決勝戦で、ハワイに敗れたジョージアが3位決定戦の相手でした。試合は日本が2回に五十嵐将斗(まさと)選手の2点本塁打を含む猛攻7点を挙げ、大量リードのまま8対2でジョージアを破りました。

世界3位の快挙!!日本の野球少年達のレベルの高さに世界中が瞠目。

総合決勝戦は、アメリカブロック優勝のハワイと国際ブロック優勝の韓国が戦い、3対0でハワイが韓国を下し、ハワイ代表チームとしては、10年振り3回目の世界一に輝いています。

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世界一に輝いたハワイチーム。選手の半分以上を日系、中国系などのアジア人が占め、監督と2人のコーチは日系人。

日本チームの今大会成績は、4勝2敗。この10年間で優勝5回、準優勝1回と毎年のように好成績を残してきた日本チーム。今年も世界3位の堂々たる成績で、日本の野球少年達のレベルの高さを世界に見せつけました。

リトルリーグ世界大会では、それぞれの国がもつお国柄も注目されます。今大会も日本チームの礼儀正しさがテレビ解説者に賞賛される場面が何回もありました。審判からボールを貰う時に帽子を取ってお辞儀をし、試合後には、応援席に向かって整列して一礼する、我々日本人には、高校野球などでよく見る当たり前の光景ではあっても、アメリカでは新鮮に映るようです。

デッドボールを当ててしまった日本の投手が、打者に謝罪するために一塁ベースまで走り寄り、互いに笑顔で握手を交わすという場面もありました。一方で、川口リトルリーグは週末は1日9時間もの練習をしている、と驚きの声もありました。これも日本の少年野球ではさほど珍しくありませんが、アメリカでは考えられないことの一つでしょう。

今大会日本チームが喫した2敗はともに韓国相手のもので、東京北砂リーグがやはり韓国に2連敗した2014年大会の再現となってしまいました。来年は雪辱を果たすことが出来るでしょうか。

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踊る日本チーム。子供らしく楽しそうな笑顔も大会中多く見られた。