アメリカで大人気の障害物レース 楽天参加で日本でもブレークの予感!

アメリカで大人気の障害物レース 楽天参加で日本でもブレークの予感! DO

アメリカで大人気の障害物レース 楽天参加で日本でもブレークの予感!

スポーティ

9月10日に楽天が世界最大規模の障害物レース・シリーズとして知られる「スパルタン・レース」と複数年にわたるグローバルパートナーシップ契約を締結したことが発表されました。

今後「スパルタンレース」の名称は、「Spartan Powered by Rakuten」となり、完走者Tシャツ、レース障害物、表彰台、さらには各種デジタルコンテンツなどに楽天のロゴが入ります。

アドレナリン全開。大人の泥遊び。

ここで言う障害物レース(Obstacle Course Race)とは、伝統的な陸上競技や競馬の障害競走とは異なり、2000年代から米国で盛んになった比較的新しいタイプのレースです。コース内に様々な障害物が用意されていて、参加者はその一つ一つをクリアしながらゴールを目指します。

障害物レースのコース距離や障害物の難易度はシリーズとレースごとにまちまちです。スパルタン・レースを例に挙げると、「スプリント」(3マイル以上・20 以上の障害物)、「スーパー」(8マイル以上・25以上の障害物)、「ビースト」(12マイル以上・30以上の障害物)と分かれています。

多くの場合、山道を走りながら、池に飛び込んだり、鉄条網をかいくぐって泥の上を匍匐(ほふく)前進したり、崖を四つん這いでよじ登ったり、丸太や大石を抱えて運んだりします。参加者がレース後には泥だらけになることから、泥んこ走(Mud Run)と呼ばれることも多いです。

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靴や服の中まで泥だらけになることも珍しくない。

スパルタンだけではない。多様化する障害物レース

スパルタン・レースは、米国で最も人気のある障害物レース・シリーズの一つです。海外進出にも熱心に取り組んでおり、世界39ヶ国で行われ、参加者数は100万人以上と言われています。2017年には日本にも初上陸。2018年にも既に2回日本で開催されています。

スパルタン・レースは他のシリーズと比べ、やや競技志向が高いのが特徴です。誰でも参加できるオープン部の他に、参加者はエリート一般部や年代別カテゴリーにエントリーすることが出来、競技者の世界ランキングも発表されています。スパルタンの創業者兼CEOであるジョー・デセナ氏は、障害物レースをオリンピック競技にする目標さえ掲げています。

このスパルタン・レース以外にも米国内には多くの人気シリーズがあります。その代表的なものをいくつか挙げてみます。

Tough Mudder

スパルタン・レースに並ぶ最大手シリーズの一つですが、順位やタイムを競うよりもチームワークと完走することに重きをおくのが特徴です。参加者の多くが職場の同僚や、ジムの仲間などでチームを組んで参加します。但し、年末には24時間耐久レース(通常のコースを何回も繰り返す)が行われ、これは世界で最も過酷な障害物レースと呼ばれています。海外進出にも積極的で、数年前までは日本開催の計画もありましたが、現在は未定となっています。

スタート前に気合を入れる筆者。ゼッケン番号は泥で判読不能になるので、額や足に番号を書かれる。

Rugged Maniac

コース距離を5キロと限定し、障害物にも空気注入式のものが多くあって、安全に配慮した、ファミリー志向のレースです。アメリカ三大テレビネットワークの一つABCの人気シリーズ「Shark Tank」で取り上げられたこともあり、米国内の知名度はスパルタン・レースに劣りません。アメリカがん協会とチャリティー・パートナーシップ契約を結んで、レースの収益を同協会に寄付するなど、社会貢献への取り組みでも知られています

EPIC

泥や長距離走を排し、よりスポーツ志向の障害物で構成されたレースです。壁を乗り越えたり、アトラス・ストーンを持ち上げたり、タイヤを引っ張ったりします。参加者はクロスフィットなどのジムでトレーニングしているアスリート志向の人が殆どです。現在まではカリフォルニア州内のみで行われています。


こんな障害物が登場するレースも

これ以外にも軍隊トレーニング風の過酷さで知られるGORUCK, 「誰でも完走出来る」がキャッチフレーズのWarriorDashなど、いくつもの障害物レースのシリーズがイベントを定期的に開催し、人気を集めています。

障害物レース用トレーニング専門ジムまでもが続々誕生

障害物レースの人気が高まるにつれ、イベントに参加するだけではなく、普段からそれに向けてのトレーニングを行いたい人も増えてきました。そうした需要に応えるべく、障害物レース用トレーニング専門を謳うジムまでが続々と誕生しています。

さらに言えば、人気テレビシリーズであるサスケの米国版、American Ninja Warriorの影響も大きく、そうしたジム内にはそり立つ壁、サーモン・ラダー、サイドワインダーなどテレビでお馴染みの障害物がところ狭しと並んでいます。


障害物レース専門ジム「MROC」- カリフォルニア州オーシャンサイド

障害物レースはさらに世界に広がるか。楽天の新たな試みに期待

楽天の公式サイトでは代表取締役会長兼社長・三木谷浩史氏の「障害物レースのイノベーターであるスパルタンを支持する熱心なコミュニティーと、楽天のテクノロジーとサービスを掛け合わせることで、あらゆる場面でスポーツファンが喜ぶ体験を提供していきます」というコメントを紹介しています。

楽天とスパルタン・レースのパートナーシップは9月29日にカリフォルニア州レイク・タホで行われるスパルタンの世界チャンピオンシップを楽天がフェイスブックでライブ中継することから開始されます。そして12月15日には楽天生命パーク宮城(宮城県)で日本初のスタジアム・レースが行われます。

ますます身近になる障害物レース。ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。筆者の私見では、障害物レースはアメリカから渡ってきた新しいスポーツではなく、そのコンセプトは日本からの逆輸入と言ってよいと思います。なぜなら障害物レースの愛好家とAmerican Ninja Warriorのファンはかなりの範囲で重なりあい、互いに影響しあっています。American Ninja Warriorの元をたどればサスケ。サスケを生み出したのは日本なのですから。