泥だらけにならず、長距離も走らない。新しいタイプの障害物レースEPICが人気急上昇中。

泥だらけにならず、長距離も走らない。新しいタイプの障害物レースEPICが人気急上昇中。 DO

泥だらけにならず、長距離も走らない。新しいタイプの障害物レースEPICが人気急上昇中。

スポーティ

3月16日にロサンゼルス警察の新人訓練所、いわゆるポリスアカデミーにおいて、障害物レースシリーズの1つ、EPICのイベントが行われました。EPICは、2014年にカリフォルニア州サンディエゴで始まった比較的新しいシリーズで、現在も米国西海岸を中心に展開しています。

泥と長距離走を排した新しいスタイル

日本でも人気のスパルタン・レースを始めとして、障害物レースの醍醐味と言えば、泥の中を匍匐前進したり、池に飛び込んだりして、チームメイト同士や、時には他人と助け合いながら、自然の中に作られたコースを走ることを多くの人は思い浮かべるでしょう。レースが終わるころには、服や靴の中まで泥だらけになることも珍しくありません。

EPICがこうした多くの障害物レースシリーズと決定的に異なる点は、コース内に泥がないことと長距離走がないことです。代わりに、コースはクロスフィットやストロングマン・コンテストでよく登場する障害物、巨大タイヤ、アトラス・ストーン、バーベル、綱登り、壁などで構成されています。そのいくつかを下に紹介します。


①ドラム缶を担いで400メートルトラックを歩く(または走る)。部門によって重さは異なる。


②砂袋を担いでランジ・ウォーク。ジャッジは規定通りの動作であるかをチェックする。


③アトラス・ストーンを持ち上げ、肩越しに背後へ投げる。


④ロープに繋いだドラム缶を引き上げる。同じ場所で綱登りもある。


⑤壁を乗り越える。他の参加者の助けを借りることは出来ない。

競技志向が強いエリート部門

上で紹介した障害物はほんの一部です。コースは一般部門用とエリート部門用に分かれ、一般用コースには20~25個の障害物があります。所要時間は大体1時間程度です。

エリート部門にエントリーした人は、まず一般部門用コースを走り、さらにエリート部門用コースへと進みます。一般部門の参加者はこれでレースを終わります。

エリート部門はさらにストレングス系と持久力系に分かれています。同じワークアウトでもストレングス系は重量が重くて回数は少なめ、逆に持久力系は軽めの重量で回数が多くなります。

もっとも軽めと言っても、大柄なアメリカ人にとってはと言う意味で、筆者が持久力系に参加した時は、100キロのデッドリフトを20回なんて種目もありました。ストレングス系となると、ほとんどストロングマン・コンテストの様相を帯びます。

タイムと回数を競いますので、競技者1人1人にジャッジがつき、それぞれが間隔をあけてスタートします。よ~いどんで大勢が一斉にスタートする他の障害物レースとはこの点でも様子を異にします。

エリート部門に参加するのは、クロスフィットなどのジムでトレーニングしているアスリート志向の人が多いようです。ジムから大挙してやってきたとおぼしき、お揃いのジムTシャツを着たグループもよく見られます。

さらに進む競技化

この記事を書いている最中の3月19日、EPICがさらに競技化を深めるというニュースが入ってきました。同名で少しややこしいですが、フィットネスジムチェーンの「Epic Interval Training」とこのEPICレースがパートナーシップを締結し、新たな競技シリーズを創設することを発表したのです。

その競技は、1セットわずか40秒間制限のワークアウトを8種類行う、インターバル形式になるということです。ワークアウトの内容やセット間の休憩などの詳細は未定ですが、ワークアウトをしている時間は、トータルで6分20秒のみ。今までの障害物レースとは、全く方向性が異なるものになることは間違いありません。

参加者は、1年に3回まで競技に参加することができ、年間ランキングなども公表される賞金レースになるということです。EPIC INTERVAL CHAMPIONSHIPと名付けられたこのシリーズ、創始者のアレクサンダー・ニコラス氏はこのように語っています。

私は長年の間、クロスフィット、障害物レース、総合格闘技、トライアスリートなど様々なバックグラウンドを持つアスリートが同じ土俵で競い合える場を探し求めてきました。この競技こそが誰が地上で最もフィットネス能力が高いアスリートなのかを決める場になることを信じています。

都市型フィットネス・イベントとして発展する可能性大

スパルタンなどのレースを開催するには5キロから、ときには15キロ以上の距離を走る広大なスペースが必要になります。その為、シーズンオフのスキー場や軍隊の演習場などを借りてレースが行われることが多いです。当然ながら、コースは都会から遠く離れた場所に設置されますので、多くの参加者は遠出を余儀なくされます。 

その点、EPIC開催に必要となるスペースはぐっと小さくなります。今回の会場も陸上競技場ぐらいの大きさでした。つまり都市型イベントとしての開催が可能です。このことは開催者と参加者の双方にメリットがあります。

クロスフィットなどのフィットネス熱がますます高まっている昨今、EPICのような競技が日本でも発展する可能性は大きいのではないでしょうか。


EPIC 障害物レース